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2章元婚約者と旦那様

何者ですか?

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「ミリーナ、バレてるからね?」

「ううっなんで……」

気のせいだと思い込もうにも旦那様は見逃してはくれなかった。陛下も気づいていて放置していたのか驚いた様子もない。バレバレだったわけですか、そーですか。私密偵とかスパイとか向いてないんだね。

「いや、足音もそうなんだけど花嫁が後ろから着いてきてたら周りの目が明らかに後ろ見て注目集めてるし……どうしようかと思ったけどいつもと逆なのも新鮮で下手に離れると心配もあったから気づかないふりを……ね」

「あ、なるほど!」

理由聞けばそりゃそうだって感じ。かつんかつん足音してたし、すごい視線感じた気がしてたよ、うん。気づかないふりなんて旦那様優しいね!

私を前にして流暢に話せてるからもしかしなくてもテンションあがってたりするのかな?旦那様わかりやすいなぁ。まあバレバレな尾行を喜んでもらえたならやって正解だよね!

「お久しぶりです。イエメンホブヤファスイル公爵令嬢‥‥いえ、今日からはルーチェ伯爵夫人とお呼びすべきでしょうかね」

そんな感じで二人で話していたら横から陛下がそう声をかけてきた。ルーチェ伯爵夫人……つまり旦那様の奥様ってことで……うん、悪くない!さすがにもう旦那様の名前は覚えましたよ?

……じゃなくて、なんで陛下が私に対してもかしこまった感じなの?

「是非、そのように……。ですが陛下、旦那様や私に対して何故そのように……その……」

と言いかけて聞いてもいいものなのかと躊躇う。多分これ聞いたら旦那様の招待を知れそうなのだけど聞いてもいいんだろうか?

「ルーチェ様、奥様にはお話しては?」

あれ、旦那様の許可がいるのか……。こう見てるとどう見ても旦那様の方が立場が上に見える。身分からしたら逆なのに……。実は偽物陛下とか?影武者的な。でもミリーナの記憶的にこれが影武者なら双子じゃないかと思えるほどに本人である。やっぱ本人だよね?

「ミリーナには隠し事をする気はないしね。実は私も王族なんだ」

「王族……え?」

「しかも直系のね」

「う……え、うん?」

それって……え?そういうことだよね?え?え?でもそれなのに伯爵?今の国の王族こそが偽物?それっていいの?大丈夫なの?というか国家機密すぎる情報じゃ?

でも逆にそれなら伯爵なのに色々融通がきくのも納得がいく。明らかに普通の貴族じゃ入手できないプレゼントをもらってきたわけだし、今日の結婚式に来た人たちも……まあこれは陛下が集めたのだろうけど。そうさせられる意味が理解できるってことで。

「まあ何故伯爵なのかとか詳しいことはまた今度でいいかな?誰が聞いてるかわからないからね」

今の情報は聞かれても大丈夫なんですか?とは言えなかった。モブじゃないかもと思い始めてた人が思った以上にモブじゃなかったという動揺で。
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