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2章元婚約者と旦那様

聞いてしまった!

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式の後は来ていただいた方々に挨拶をして回りながら途中旦那様が何かに気づいた様子で少し待つように言われたのだけど………離れがたくてこっそり着いていった私です!

だんだん人気がなくなってこの姿バレやしないかとひやひやしていれば、ようやく聞こえてくる声はどこかで聞いたことのある声。

「ルーチェ様、ご、ご結婚おめでとうございます。ルーチェ様の言う通り愚息は参加させませんでした」

「ふふ、ありがとう。まあ、当然だよね。ミリーナはあんなの見たくもないだろうし」

それに答えるのは旦那様の声だけど……なんか雰囲気が違うような……?それに一体何の話かしら?

「は、はあ……あの、ルーチェ様の言う通りあれの結婚は認めないと王命で……」

王命で認めない結婚ってなんだろう?というかこの声……気のせいかな、陛下じゃ?でもミリーナの知る陛下はもっと堂々とした声だったはず。このへこへこ感は一体……?

「そう、王命まで使っちゃったのか」

寧ろ旦那様の方がどこぞの上司みたいだ。え、旦那様だよね?私途中から実は巻かれたとか?

「だ、だめでしたでしょうか?」

「いや、問題はないよ。あれを妃にしたら確実に国が衰えちゃうしね。僕は構わないけど」

ん?旦那様、僕って言った?もしかして一人称私じゃなくて本当は僕?な、なんか可愛い!

「そそそれは困ります!ですが、愚息が今だあの令嬢を離さないため苦労しておりまして………」

「側妃もよくないね。あれは面倒を起こすだけの悪女でしかない。ある意味厄介な種だからこそあえて引き寄せたわけだけどろくな未来がないね。君の息子」

「それはあの令嬢のせいで……?」

うーん、さっきからわかりそうでわからない話をされてる気がする。こっそり見たらバレそうだから声だけだけどやっぱ声的にミリーナの記憶からして陛下だし、愚息とか話してる令嬢ってもしや……?

それに未来って旦那様は何を言ってるのかしら?うーんなんかこの雰囲気感じてるとやっぱ旦那様がモブとかないわ。

陛下にへこへこされるとか普通じゃないし!いや、まあ、陛下の声に似た人かもしれないけど王命やら国やら………話の内容がなぁ。

「それもあるけど愚かにも僕に喧嘩を売りたいみたいだ」

「なんと……!あれだけ言ってきたというのに!やはりすぐにでも王位継承剥奪を!」

うーん!やっぱ陛下だわ!ってかこの話重要事項過ぎないかな?これ私聞いて大丈夫?まず結婚式少し抜けて話す内容じゃなくない?

「いや、せっかくだから受けて立つよ。元々そのつもりだったから……ねぇ、ミリーナ」

あれー?なんか聞こえたぞ~?きっと気のせいだね!
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