わき役でいいから

如月さら

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「お寿司食べに行こう!」

今日も数ヶ月ぶりに宏海に会うために
瑞香は愛車を走らせていた
愛車といっても夫・達也の所有だ
黒のポルシェ・カイエン
ポルシェでsuvってどうかの?と思ったが
これがなかなか乗り心地が良い
大学を卒業後、瑞香の希望でまだ勉強させてもらっている
資料の多い時は車で通学していた。

家にいてもたいしてすることもなく
相変わらず退屈な日々
中身のない夫婦の会話
それでも一応達也にとっては良い妻を務めていた。

地元では美味しいと評判の寿司屋を
瑞香は予約していた。
駅前で宏海を拾い、寿司屋の駐車場に
車を滑り込ませると
降りようとする宏海を呼び止め唇をよせる
最初は軽くチュっと唇を合わせたが、
もう一度合わせてから舌を絡めながら
手は宏海の太ももをズボンの上から撫で
宏海自身が硬く勃ちあがりかけたのを確かめてから顔を離し

「お寿司食べにいこう」

と、明るく宏海に声をかけた
少し不満そうな顔をした宏海ではあるが
そこは素直に瑞香に従い寿司屋の暖簾をくぐり
瑞香と並んでカウンターに座った。
たわいもないお喋りをしながら寿司をつまみ
その後車で宏海のアパート近所まで行き
近くのコンビニに駐車した。
瑞香の方から顔を寄せキスをすると
まだ若干戸惑い気味だった宏海も顔を寄せ、おずおずと舌を差し込んできた。
その舌を瑞香は絡めとり、官能的な口づけに変えていく
ぴちゃぴちゃと車内にキスの跡が響く
そのうち宏海の手が瑞香の胸に伸びてきた
そのタイミングで瑞香はスッと宏海の股間に手を伸ばし硬くなりはじめた宏海自身をなぞってから

「ホテル行こう。。。」

と言葉を発し、車を発車させた。
それから数ヶ月おきに瑞香は宏海を誘い
逢瀬を続けた。
その日も美味しい食事をした後、ホテルで、体を重ねてからだった。

「彼女ができたんだ。。。」

「ふ~~ん。。。良かったね」

「それだけ?」

「私には何も言う権利はないわ」

瑞香は少し突き放すように呟いた。
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