わき役でいいから

如月さら

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瑞香の母と宏海の母は高校の同級生で仲が良く
2人の子供はひとりっ子同士のせいか
性別は違うが小さい頃から姉弟のように仲良く育った
近所に住んでいないので毎日と言うわけではないが
イベントごとがあるとお互いの家で順番に
ホームパーティを開き楽しんできた。

姉弟みたいな間柄だったが
いつからかお互いを意識するようになった
2家族でキャンプへ出かけハイキングをした時に
瑞香が途中で疲れてしまい
年下の宏海が瑞香の手をひいて歩いたのがきっかけかも知れない
その夜も、キャンプ場の草原で手を繋いで星空を眺めた
瑞香はその時に宏海をひとりの男として意識したが
宏海はもっとずっと前から瑞香を意識していたようだ。

星空を眺めながら少しうとうと瑞香がしていた時
宏海がチュッと唇を盗んだのだ
でも瑞香は夢だとその時は思っていた。。。

瑞香・小6、宏海・小4の夏の出来事である

瑞香が中学生になると、さすがに勉強や部活で会うことも少なくなった
初詣を除いては。。。



月日はながれ
大学生になった瑞香と高校生の宏海

夏休みで帰省している瑞香のもとに
久しぶりに宏海が訪ねてきた。。。勉強を教えてほしいと
暑い夏の午後、瑞香は自室のエアコンをつけて宏海を部屋に招き入れた。

瑞香は都内の大学の英文科に去年合格し
学生に人気な街で一人暮らしをしていた
冬休みや夏休みなどまとまった休みの時には帰省していたが
部活に励む宏海とはすれ違い1年以上会っていなかった
夏休み明けの英検受験で対策を教えてほしいという連絡だった。

久しぶりに会う宏海はもちろんだがすっかり背が伸び瑞香を追い越し
大人の男になりかかっていた
瑞香の方も東京の水に馴染みまぁまぁの女子大生ぶりだ

瑞香の机で一通りポイントをレクチャーした後
階下に麦茶を取りに行き部屋に戻ると
宏海が瑞香のベッドの上に寝転んでいた

「疲れた?  ヒロ?」

瑞香が麦茶のコップを机の上に置き
寝転んで目を閉じている宏海の顔を覗き込むと
ガバッと瑞香の首に宏海の手が回り
グッと引き寄せられた
あっという間に数センチの距離で見つめ合う形になり
瑞香はジッと宏海の瞳を見つめた後
自ら唇を寄せていった。。。
最初はちょっぴり宏海をからかってやろう!
そんないたずら心からだった




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