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第三章:東方冒険編

第三十話:褒美と祭り

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 学院の露天風呂ではしゃいだ翌日。

 打って変わって朝から厳かな雰囲気の謁見の間にいた。

 地球にいた頃に見た大河ドラマと似てるな、和風の宮殿って。

 俺達勇者団は、正装であるケープとサーコートを身に纏い平伏。

 御簾の向こうにおわすのは公王陛下《こうおうへいか》。

 日本で言う天皇陛下に相当されるお方だと聞かされた。

 ミズホ国は、元は一つだった王家を公王家と武王家に別けて治めてる。

 中の都周辺は公王家が、地方は武王家と家臣の大名が担当。

 国全体の事は、両王家と各側近達で合議。

 公王家の議会が上院、武王家の議会が下院議会なんだそう。

 戦士職も武士の他に、公王家に仕える戦士として公士《こうし》なんてのもいる。

 まあ、元現代日本人からすると面倒な社会だ。

 そんな面倒な場所で平伏待機だよ俺達。

 陛下の近くには左大臣に急遽昇進されたカラスミ卿。

 右大臣は、大人しそうな男性だった。

 やっぱり、上手い事出世しやがったよあの公家。

 「聖獣の使徒達よ、此度の働き見事であった」

 御簾の向こうの陛下から、お褒めの言葉を戴く。

 前世でも戦隊時代に陛下から盾渡されて表彰とかされたけど、緊張する。

 いや、前世から無作法者な性質だから気を付けてはいるがお腹痛いよ。

 「ありがたきお言葉、感謝の極みでございます♪」

 表の代表であるレオンが大臣のアイコンタクトに合わせて応答する。

 レオンが社会的なシールドをしてくれてるのがありがたい。

 前世から、俺の社会属性の能力値は低いんだ。

 「レオン王子、今後はゴールドバーグ王国とも友好的な関係を結びたい」
 「こちらから王国や教皇国へ手紙と使者を送らせております、陛下」

 陛下のお言葉に左大臣が答える。

 そんなやり取りを終えた俺達。

 貰えたご褒美は、公王様からも巨大ロボの開発への協力の確約だった。

 それに伴い、ミズホ国内にも勇者団の拠点を貰える事となった。

 神社にも似た平安風の宮殿を出た俺達、空が晴れていて清々しい。

 「ああ、終わった♪ 早く学院に戻って昼飯が食いたい!」
 「マッカ、ずっと緊張してたもんね♪」
 「マッカよ、妾達にそなたからの褒美はないのか?」
 「そうですわね、私達にはマッカ様の成分が足りません」
 「マッカさんには、心を暖めていただきましょう」
 「マッカ殿、妻への孝行をする時ですよ♪」
 「いや、お前らなあ? わかった、甘味処で甘い物を食う程度にしてくれ」

 そう言うと俺は女子四人に担がれて甘味処へと運ばれて行った。

 「ああ、マッカ~~~!」
 「今回は女子に譲れ、レオン」
 「そうですよ、女子をないがしろにしては行けません!」
 「僕だって、女子枠だよ~~っ!」

 そんな事を、クレイン達がレオンに言っている気がする。

 わっしょいと女子達に茶店の奥座敷に担ぎ込まれた俺。

 「さあマッカ様、前世も来世も妻である私の隣へどうぞ♪」

 貸し切り状態の中、誰が俺の隣に座るのかで火花が散る。

 「よし、じゃあ俺が真ん中になるから四方を囲んで!」

 などと言ったものだから、本当に四方を囲まれる。

 「なるほど、マッカが中心になれば皆が隣であるか」

 南のアデーレ様がジト目で睨む。

 「マッカ殿、もしや他の女子とも似たような経験を?」
 「んなわけあるか、陣形の応用だ」

 東からアオイ嬢が尋ねる。

 「モテる夫を持つと苦労しますね」

 北のクラウが溜息を吐く。

 「私は永遠にマッカ様のおそばにおりますから♪」

 西のフローラ嬢の笑顔が怖い。

 やばい、今の俺は包囲攻撃を喰らう前の怪人の立ち位置だ。

 「ではマッカ様、お団子をあ~んで食べさて下さいませ♪」
 「はい、あ~ん♪」

 フローラ嬢の要求に応えて団子を食べさせる。

 「拙者も! 拙者もお団子をあ~んでござる~♪」
 「妾は、大福であ~んをやって欲しいのじゃ♪」
 「ならば私とは、食べさせ合いで如何でしょうか♪」
 「はいはい、皆良い子だから順番にご奉仕させていただきます」

 俺は彼女達に甘味を食べさせたり、お茶を注いだりと愛すべきお嬢様がたに誠心誠意奉仕した。

 前世から慕ってくれるフローラ嬢にアオイ嬢。

 ロボの話を聞いてくれた幼友達とも言えるアデーレ様。

 教皇国で出会った追加戦士のクラウ。

 前世と今世がもたらしてくれた大事な縁だ、誰も無碍にはできねえ。

 機嫌を直した彼女達に四方を囲まれながらの帰り道でそう思った。

 学院に戻った俺は、学院の理事長室へ呼び出された。

 「えっと、俺にご用とは一体?」
 「おっほっほ、緊張しないで♪ あなたに依頼が来てるのよ、受けてくれる♪」
 「断る理由はないですね、世話になってる身ですし」

 理事長のナゴンさんから笑顔で申し出が来る。

 学院が冒険者ギルドみたいな事をしているのは知ってる。

 生徒の魔術や武芸の腕試しと学院の実績アピールの為の活動。

 実は同じシステムが王国の魔法学園にもあるんだ。

 「ありがとう、依頼主は南にあるヒノトリ神社からと言えばわかるかしら?」
 「ヒヨちゃん、フェニックスの相棒ですからわかります祭事の手伝いとか?』
 「うんうん、理解が早い♪ 他の子達も連れて行って良いわ♪」
 「了解です、明日にでも皆で伺います」

 理事長室を出た俺は、仲間達に依頼の事を話した。

 まあ、皆付き合うという結果になった。

 勇者団と生徒会の皆で聖獣に乗って空を飛ぶ。

 でかくなったヒヨちゃんとの視覚共有で見たが何か地上の皆、感動してるな。

 「当たり前だよ、聖獣様は信仰対象なんだ。 自分達の凄さを自覚して!」

 空の上で、ヒヨちゃんにしがみついているムラサキ殿に怒られた。

 山の上にヒノトリ神社に降りたら、神社の皆さんに歓待された。

 「おおお! よくぞお越しくださいました天狗様♪」
 「いや、マッカ・サンハートですあの姿は不死鳥の勇者フラメスと言います」

 赤天狗とかふらめ天狗とか勇者天狗とか、天狗呼びは許すが諦めない。

 俺の名とフラメスの名を正確に記録して伝えて貰わねば。

 神官姿の赤鬼の男性とでも言うべき宮司さんからの依頼。

 やはり、祭りについてだった。

 この神社ではフェニックスを祀っている。

 御神体とその使徒である俺に、神事での舞や練り歩きを頼みたいと。

 「喜んでお引き受けいたします、舞の稽古もお願いします」
 「ありがとうございます、宜しければ当家の婿に」
 「それは先約があるのでご勘弁を」

 仲間達の視線が怖い、お婿とかならないから。

 仲間達が太鼓の櫓の組み立てや奉納舞の舞台の設営をしてくれる。

 「うむ、我らオーガの力とくと見よ♪」

 スミハル殿が監督となり生徒会が会場づくり、オーガの筋肉はヤバい。

 「妾達はマッカのステージを添える役目じゃな♪」
 「推しのスペシャルステージを特等席で、最高ですわ♪」
 「ええ、マッカ殿の為に盛り上げましょう♪」
 「マッカさんはお稽古に励んで下さいね」
 「おう、頑張るぜ」

 女子達の結束に引きつつ、頑張る。

 そして祭りの当日。

 俺は鳥達の目を借りて周辺の視察。

 参道には屋台が並び、賑やかな景色が生まれていた。

 魂が日本人だから心に染みるね。

 サービスで聖獣達を召喚し練り歩けば人々が盛り上がる。

 山車の上から餅をばら撒けばこぞって観客が拾う。

 練り歩きが終われば奉納の舞だ。

 変身した仲間達が舞台上の四方に侍り、太鼓や笛を鳴らし出す。

 舞台中央が開き真紅の装束を纏った俺がせり上がる。

 素顔から変身し、不死鳥の勇者フラメスの姿に変わる。

 「よ、赤天狗♪」
 「天狗様じゃ~♪」

 お客さんの歓声はありがたく受ける。

 仲間の演奏に合わせて扇を開き鳥が翼を広げて羽ばたくように舞い出す。

 扇を扇いで光の粒子を振りまく演出も忘れない。

 最後には飛び上がり巨大化したヒヨちゃんを召喚して空に舞う。

 拍手喝采だった。

 「ふう、やり遂げたぜ♪」

 舞台を終えて社務所で休む俺。

 出番は終わりだ、もう休みたい。

 「お疲れ様なのじゃ♪」
 「マッカ様、夜は屋台巡りですわ♪」
 「マッカ殿、りんご飴の食べさせ合いを所望いたす♪」
 「男子達と遊んだ分、私達とも付き合っていただきますからね」

 うん、これはこれで楽しい時間になりそうだな。
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