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第三章:東方冒険編

第二十九話:仮面衆成敗

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 「ほっほっほ♪ 出おったな、仮面のうつけども♪」

 中将殿ことカラスミ卿が嬉しそうに仮面衆の手下どもを射抜いて行く。

 この公家、マジでヤバい。

 ヘッドショットで敵の仮面だけを粉砕してくれてるのはありがたいけどな。

 「マッカ殿、麿とてこの国を守る貴族。 守るべき民を殺める武技は持っておらぬ」
 「流石です、中将殿!」

 俺も負けじと、敵の仮面のみを刀や魔力で強化した素手で砕いて無力化して行く。

 何だろう、出世する位だから野心とかはあるんだろうが民には良い貴族か?

 日本の大きな公家の屋敷と似た感じで広く、戦闘員にされている使用人達も多い。

 武士だけでなく、女中やら馬番やら非戦闘員にも仮面を与えてるとなると黒い。

 「マッカ、助けに来たよ!」
 「まだ手こずっていたのか?」
 「マッカさんはボスを狙いに行ってください!」

 レオン、クレイン、バッシュが現れた。

 「私達もおりますわ!」
 「置いてけぼり何て水臭いですよマッカ殿!」
 「帰りを待だけの女じゃないですからね?」
 「妾達も暴れさせるのじゃ!」

 フローラ嬢、アオイ嬢。クラウにアデーレ様と勇者団が勢ぞろい。

 「伯父上、マッカ殿! 加勢に参りました!」
 「祭りに間に合ったな、花鬼生徒会《はなおにせいとかい》もいるぞ♪」
 「天狗の祭囃子だ、派手に行こうぜ♪」
 「騒がしいのは嫌いですが、悪い奴も嫌いです」
 「さあ皆の衆、爽やかに悪を成敗いたしましょうぞ♪」

 シンベエ君、スミハル殿、ダイダイマル、ムラサキ殿にソウキュウ殿も現れた。

 「ほう、シンベエ達も来たか良い良い♪ 皆で仮面退治に傾こうぞ♪」

 中将殿、綺麗な歯を見せて明るい笑顔ではっちゃけだしたよ!

 ダイダイマルの言うように聖獣武装を行い、天狗囃子か百鬼夜行と言わんばかりのありさまで雑兵を手加減して倒しながらカキワラ卿の屋敷を突き進む俺達。

 「奉行所で保護されたツギヒト様が答えてくれた、マッカに感謝してたぜ♪」
 「そうか、病も治したしカキワラ家はあの人が継ぐ形かな?」
 「うむ、麿が取りなす故に政治の事は気にせず傾こうぞ♪」

 俺とダイダイマルの話に中将殿が加わる、権力者味方にするってありがたいわ。

 全員集合で吉良邸討ち入りみたく敵兵の仮面のみを倒して辿り着いた奥の間。

 「来たね不死鳥の勇者、僕達特性の黒仮面の戦士を倒せるかな?」
 「ジェスター! 手前の好きにはこれ以上させねえぞ!」
 「手遅れだよ~ん♪ じゃ~あね~♪」

 黒き蝙蝠の道化、ジェスターはカキワラ卿の顔に黒い仮面をかぶせて消えた。

 「カキワラ殿、正気に戻られよ!」

 中将殿が弓を放ち見事仮面に命中するが、矢は黒き瘴気の炎により燃え尽きる。

 「グオオオオオオッ! イテキも他種族も、排除する~~!」
 「お労しや。 勇者殿、ここはお任せいたしまするぞ!」
 「合点承知! お下がりください!」

 全身を禍々しい漆黒の甲冑に金棒で武装したカキワラ卿。

 悪鬼の如く雄叫びを上げ、金棒を振るい襲い掛かる。

 「熱血一刀流奥義、フェニックスダイブ!」

 相手が金棒を振り上げたタイミングで火の鳥と化して突進。

 斬撃ではなく体当たりで、部屋の奥の壁まで吹き飛ばす。

 「おっし、まずは一発!」

 下手に肉薄しての追撃はしない。

 相手の熱を見る、動き出した。

 「金棒か! 避けられねえ!」

 避けたら俺の後ろの中将殿がクラッシュしちまう!

 「「ダブル、どっせ~~~い!」」

 床から飛びだした二人の戦士が斧とスコップを振るい金棒を弾き返した。

 「フラメスと中将殿は無事か?」
 「私達が加勢一番乗りですわ♪」

 土竜の勇者ヘリオスと熊の勇者ポラリスだ。

 「二人共ありがとよ、無事だぜ♪」
 「その声は女子か、異国の女子は逞しいのう?」

 二人に礼を言い、俺は前に飛び出す。

 「二人共ずるいですよ!」
 「地面を進んで行くとはやりますね」

 アルタイスとタウラスも来てくれたのが聞こえる。

 「フラメス~♪ 雑魚は制圧したよ~♪」
 「レグルスは、馬鹿みたいにはしゃぐなよ?」
 「生徒会の皆さんは、後詰に回って貰ってます」

 レグルスにエラポス、アリエスと勇者団が全員集う。

 心強すぎて気合が入るぜ。

 「よっしゃ! 聖獣勇者団、ゴーッ!」

 号令を掛けながら俺が突進。

 「熱血二刀流、羽ばたきの太刀!」

 振り下ろされた金棒を脇差との二刀で素早く賽の目切りにする

 「おお、見事な太刀捌きじゃ♪」

 いや、中将殿は早く逃げて!

 「中将殿はお目が高いですね♪」
 「うむ、あれは高速で脇差と太刀を同時に抜刀と納刀を繰り返す神業!」

 いや、レグルスは中将殿と実況解説は良いから!

 武器を失っても素手があると襲い来る鬼武者。

 だが、俺は魔法で爆発を起こしスライディングで股抜き急行突破!

 「ほう、今度は蹴鞠の技か♪」

 中将殿は、もう大人しく実況解説しててもらおう。

 「よし、八人でのパス回しだ!」
 「むむ、麿も混ぜていただこう! ほれ、獅子殿♪」

 エラポスが取り出したボールを投げると、中将殿もパス回しに混ざる。

 「はい、アリエス♪」
 「わかりました、タウラスさん!」
 「ヘディングで回します、ヘリオス!」
 「心得た、ポラリス殿♪」
 「承りました、アルタイス様♪」
 「オーライ♪ フラメス殿に届け、私の愛♪」

 虹色に輝くボールが仲間達から回されて来た。

 「決めるぜ勇者団シュート、フィニッシュ!」

 最後は俺がオーバーヘッドキックで、ボールを黒き鬼武者へ叩き込んで大爆発!

 屋根をぶち抜く虹色の光の柱を立ち上げて、敵を倒した。

 しかし、いつの間にボール爆弾とかできたんだろう?

 ヘリオスが作ったのかな? とはいえ戦闘はこれで一件落着だ。

 カキワラ卿は、浄化されたのか緑の狩衣姿で大の字で寝転がってた。

 「よし、じゃあ撤収だ♪」
 「そうじゃな、後の事は麿に任せるが良い。 学院の門限は厳しいぞ♪」

 カラスミ中将のご厚意に甘えて、俺達と生徒会は全員学院へと撤収した。

 戻った俺達は男女別れて風呂にダイブした。

 「ぶは~~~っ、やっぱ風呂は良いなあマッカの兄弟♪」
 「まあな、てか兄弟ってなんだよ♪」
 「ふむ、兄弟と言うなら俺もだな義弟よ♪」
 「いや、スミハル殿も何ですか!」
 「二人共、マッカは僕の夫ですよ!」

 でかい露天風呂に男九人。

 俺もガワは良いようなので、乙女ゲームの攻略対象が揃い踏みだ。

 ダイダイマルにスミハル殿、レオンが俺に絡んで来る。

 「ハッハッハ♪ マッカ殿は男にも女子にも好かれますなあ♪」
 「確かに、あの人は何か暖かそうですね」
 「マッカ殿は、不死鳥の加護を持つ御仁ですからな」

 いや、ソウキュウ殿やシンベエ君達は距離を取るなよ。

 「マッカさん、ここでも耽美本のネタにされそうな状況になってますね」
 「あいつが一番風紀を乱している気がするな」

 バッシュとクレインも距離を取るな。

 野郎同士で仲良く気兼ねない風呂は楽しいが、俺はヒロインじゃないんだ。

 「まあ、仲間同士背中を流して絆を深めようではないか♪」
 「流石はスミの大将だな、兄弟も見習えよ♪」
 「確かに器とかデカいけどなあの人!」
 「うむ、俺は次の武王を目指す男だからな♪」

 そういやスミハル殿も、武王様のご子息の一人か。

 「よっし兄弟、まずは俺の背中から頼むぜ♪」
 「ではダイダイマルは俺の背を任せる♪」
 「マッカの背中は渡さないよ♪」

 俺はレオンだけでなく、スミハル殿やダイダイマルと背中を流し合った。

 「ふん! どうですかな我が大胸筋は♪」
 「ほう、見事な盛り上がりだな」
 「クレイン殿は、鹿の如くしなやかですな♪」
 「ソウキュウの筋肉自慢に付き合ってる、緑の人は奇特だなあ?」

 ムラサキ殿がクレインとソウキュウ殿の筋肉合戦の解説をしてる。

 「ああ、ソウキュウ殿に理解者が!」
 「家のクレインがごめんね~♪」

 バッシュがシンベエ君を慰めてる。

 戦いの後が乙女ゲームキャラのサービスシーンって、誰が得するんだろう?

 女神様かな? まあ、御神楽だと思えば謹んで奉納しよう。
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