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第8章
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案内された部屋の大きな窓から、王都の景色を眺める。少し雲が出ているものの、太陽の日差しが街を照らしている。何度目かの風景ではあっても、綺麗な街並みに目を奪われる。
本来なら、到着した当日にバーンズ伯爵と面会して、そのまま伯爵のお屋敷へと行くはずだったのが、そのままとめおかれて2日目。言葉は悪いが、ずっと軟禁状態だ。
かろうじて、テオドア王子が時々遊びに来るのが息抜きになる。
偽装のために出していた馬車が襲われた、というのは、オルゴン王国から戻る時のことだったらしい。もう一台の方には、私と似た身長の女性騎士が乗っていたそうで、私は彼女の存在にまったく気が付かなかった。
襲撃自体は、彼らに言わせると、大したことはなく、むしろ、お粗末なものだったらしい。目的は私だったのか、国王夫妻だったのか、はっきりはしない。襲撃者たちは、皆、雇われていた者だったらしく、黒幕までは至らなかったそうなのだ。
「レイ様、カイル殿下がいらっしゃいましたが、いかがなさいますか」
王城で私の面倒を見てくれる侍女が、声をかけてくれた。
「あ、はい。お会いします」
窓際から離れ、カイルを出迎える。彼と会うのは、到着した時以来だ。
ドアを開けて颯爽と登場するカイル。何度見ても、やっぱりかっこいい。意識してしまうからか、頬がほてりそうになるのを誤魔化すように、カーテシーで挨拶をする。
「すまないね。急に」
「いえ、こちらこそ、お邪魔させていただいておりますから」
「私の前で、そんな堅苦しい言葉はナシだ」
そう言ったかと思ったら、いきなり抱きしめられた。
「な、な、なんですかっ!?」
「うん、久しぶりに君の存在を確認している」
「え?」
つい2日前にも抱きしめられましたが!?
「少し、背が伸びたかな」
「は、はい、ほんの少しですが」
「ん、んんっ、カイル殿下」
「わかっている」
護衛のリシャールさんに注意してもらえたので、なんとか腕の中から解放してくださったものの、私の方は胸がドキドキしまくっている。
「……ほんとにカイル殿下のお気に入りなのですねぇ」
「ねぇ?」
侍女ともう一人の護衛のチャールズさんが、仲良く何やら話しているが、私のところまでは聞こえなかった。
「だいぶ待たせてしまったんだが、バーンズ伯爵が夫人といっしょに来ている。これから会えるだろうか」
「は、はい」
「それと、バーンズ公爵家から荷物が届いていてね。こちらは王妃殿下のほうで預かっているそうなので、後で伺ってみるといいい」
きっと、曾祖母の絵だ。
「わかりました」
「では、バーンズ伯爵たちのところまで案内しよう」
「え?」
手を差し出されて、その手をとっていいのか困惑して、侍女と護衛の二人に目を向ける。
なぜか、笑顔でうんうんと頷かれ、私は素直に手を差し出した。
嬉しい半面、子爵令嬢が王太子殿下の手をとって城内を歩いていいんだろうか、と悩みながら部屋へと案内されるのであった。
本来なら、到着した当日にバーンズ伯爵と面会して、そのまま伯爵のお屋敷へと行くはずだったのが、そのままとめおかれて2日目。言葉は悪いが、ずっと軟禁状態だ。
かろうじて、テオドア王子が時々遊びに来るのが息抜きになる。
偽装のために出していた馬車が襲われた、というのは、オルゴン王国から戻る時のことだったらしい。もう一台の方には、私と似た身長の女性騎士が乗っていたそうで、私は彼女の存在にまったく気が付かなかった。
襲撃自体は、彼らに言わせると、大したことはなく、むしろ、お粗末なものだったらしい。目的は私だったのか、国王夫妻だったのか、はっきりはしない。襲撃者たちは、皆、雇われていた者だったらしく、黒幕までは至らなかったそうなのだ。
「レイ様、カイル殿下がいらっしゃいましたが、いかがなさいますか」
王城で私の面倒を見てくれる侍女が、声をかけてくれた。
「あ、はい。お会いします」
窓際から離れ、カイルを出迎える。彼と会うのは、到着した時以来だ。
ドアを開けて颯爽と登場するカイル。何度見ても、やっぱりかっこいい。意識してしまうからか、頬がほてりそうになるのを誤魔化すように、カーテシーで挨拶をする。
「すまないね。急に」
「いえ、こちらこそ、お邪魔させていただいておりますから」
「私の前で、そんな堅苦しい言葉はナシだ」
そう言ったかと思ったら、いきなり抱きしめられた。
「な、な、なんですかっ!?」
「うん、久しぶりに君の存在を確認している」
「え?」
つい2日前にも抱きしめられましたが!?
「少し、背が伸びたかな」
「は、はい、ほんの少しですが」
「ん、んんっ、カイル殿下」
「わかっている」
護衛のリシャールさんに注意してもらえたので、なんとか腕の中から解放してくださったものの、私の方は胸がドキドキしまくっている。
「……ほんとにカイル殿下のお気に入りなのですねぇ」
「ねぇ?」
侍女ともう一人の護衛のチャールズさんが、仲良く何やら話しているが、私のところまでは聞こえなかった。
「だいぶ待たせてしまったんだが、バーンズ伯爵が夫人といっしょに来ている。これから会えるだろうか」
「は、はい」
「それと、バーンズ公爵家から荷物が届いていてね。こちらは王妃殿下のほうで預かっているそうなので、後で伺ってみるといいい」
きっと、曾祖母の絵だ。
「わかりました」
「では、バーンズ伯爵たちのところまで案内しよう」
「え?」
手を差し出されて、その手をとっていいのか困惑して、侍女と護衛の二人に目を向ける。
なぜか、笑顔でうんうんと頷かれ、私は素直に手を差し出した。
嬉しい半面、子爵令嬢が王太子殿下の手をとって城内を歩いていいんだろうか、と悩みながら部屋へと案内されるのであった。
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