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四空間目
7 R-18
しおりを挟む「綺麗に洗い流さねえとな」
腹壊すのは嫌だろ?と熱い吐息混じりに訊かれた。
気遣われている台詞のはずなのに、その台詞からは一ミリたりとも優しさは感じ取れない。むしろ俺からしてみれば死へのカウントダウンと同義だ。
だってそうだろ?洗い流し終えた後どうなる?目の前の飢えた獣のような眼差しを向けてくるこの男がこれで俺を解放してくれると思うか?
……そんなの絶対に有り得ない。
ということはこの状況から考察するに泡を流し終えたら…。
「あ、っ…ぁ、う」
そうこうしている間に神田さんは俺の穴に突っ込んだ指を中で広げたり弄くりながら洗い流し終えた。シャワーは止められたけれど、指は未だ抜かれない。
「や、めて、…ね、今なら、なかったことに出来るから」
今ならまだ引き返せる。透き通った綺麗な海のような寛大な心を持って今日のことは不問にしてあげるし、俺もすぐに忘れていつものように接するから。だから止めてくださいと必死に訴えるものの、神田さんは止まらない。
神田さんは片手で簡単にズボンと下着を少し下ろす。着ている服がスーツとかだったら片手では脱ぎにくかっただろうが、ジャージでは両手を使う必要がない。
俺の顔と胸、そして太くて長い指を四本も突っ込まれている尻穴を舐めるように見ながら、神田さんはガチガチに勃起している物を己の手で扱いている。
俺のような肉塊を性的オカズに使うとは、神田さんは本格的に頭がおかしいようだ。
「ひ、っ!?」
それにしてもこれは有り得ない。だって俺の股間に情けなくぶら下がっている物とは全くの別物じゃないか。
足の裏で触った時に巨大ということは分かっていたが、ここまでとは思っていなかった。これでは本当に砲台だよ。銃刀法違反だよっ。逮捕されやがれ、この犯罪者。
それをまだ扱いて大きくさせようとしているものだからドン引きだ。一体どれくらいまで大きくなれば完成形なんだろうか。こんなの質量的に入るわけがない。
「ひ、っ、ふ、やぁ…」
ついに挿入されていた指がズチュと嫌な水音を立てて抜かれた。
抜かれて嬉しいはずなのに、これからのことを考えると手放しで喜べない。むしろ逆だ。
太い指を長い間入れられていたそこは軽く拡張されてしまったのだろう。俺の尻穴は元のサイズに戻ろうと必死に収縮している。まるでエロ漫画のように、くぱくぱと蠢くそこは神田さんからしてみれば“最高のオカズ”なのだろう。
「やめ、っ…きもち、わるッ」
性的欲求を果たす為なのか、はたまた先走り汁を擦り付けて今後のために滑りを良くする為なのか、神田さんは俺の穴にその凶器を擦り付けてくる。
おそらくだが、俺の考察はどちらも合っていると思う。
「…やだ、やだ、やだぁ!」
とても熱い。こんなのが入ったら火傷してしまう。
とても大きい。こんなのが入ったら俺の尻が爆発してしまう。
泣きながら必死に最後の懇願を試みるのだが、サディストな彼からしてみればそんな抵抗さえも煽る材料としかならないのかもしれない。だけど少しでもいい。躊躇してくれないだろうか。いくら女が居ない生活だからといって早まってはいけない。
きっと男でしかもデブの俺なんかに家畜ファックしてしまったら神田さんも後悔するはずだ。人生で最大の汚点になるに決まっている。
俺だって掘られるのは絶対に嫌だ。
「ひぃ、っ、ああ、いや…ぁ」
「…ハハ、すげぇ興奮する」
「ッ、う」
神田さんのその言葉は嘘でも比喩でもなくマジだ。
そこを見なくても聞こえてくる卑猥な水音で、俺の拡張された尻穴が神田さんの先走り汁でドロドロのグチャグチャになっているのが分かる。
「だめ、入れ、ちゃ…ダメだから…ッ」
「ん?…可愛い抵抗だな」
おらっ、それじゃすぐに入ってしまうぞ。と、何とも鬼畜な台詞を吐いた神田さんは、少しだけ腰を突き出した。
「ひ、っぃ!?」
入ってくる…!入ってくる!
こんなの有り得ない。悪い夢ならば早く覚めてくれればいいのに。
「やめて、ください!お、俺、今なら忘れられるから!」
「…は?」
「今日のこと忘れるから、だから…、ッ、ひぎっ」
酷使されているところからブチッと嫌な音が聞こえた気がしたのと同時に、俺の口から汚い悲鳴が漏れた。
それもそのはずだ。
亀頭部分が強引に入り込んで来たのだから。
「…忘れる?」
「ぃたいッ、っあぐ、ひ」
「ふざけんな」
あまりの痛みに俺は目の前の男の肩に爪を立ててしがみ付く。
それのお返しとばかりに、神田さんは俺の首元に噛み付き、そして耳元で囁いた。
「…一生忘れさせねえよ」
お前の最初で最後の男は俺だ。
彼の独占めいた狂った台詞は、俺の悲痛な喘ぎに掻き消された。
「ぎゃ、ッ!?んぐ、っ、ァ!」
身体を反らして悲鳴を上げる。
痛いなんて生易しい言葉で表現出来る苦痛では収まらない。まるで熱々の鉄の塊で串刺しされているようだ。千切れるというより、真っ二つに裂けてしまいそう。
「いぁ、いたぃッ、ひィ、っ」
いくら慣らされたといっても何日も掛けて丁寧に拡張されたわけじゃない。成人男性の一般サイズを遥かに越えている凶悪な規格外サイズを受け入れられる程、俺の肛門は柔軟ではなかったのだ。
「ふ、ぐ、ひっ、ひッ、っぎぃ」
「…有希」
熱っぽい吐息交じりの声が耳を擽る。
噛まれた首も痛いし、ケツも痛いし、こんな扱い酷過ぎる。
「やだ、ッ、っ、う、ぇ、ひぅ」
「あー、狭えな。…気持ちいい」
俺の顔中は涙や鼻水や汗、そして涎でグチャグチャに汚れているはずだ。
それに本当の家畜に成り下がったかのような悲痛な汚い声で喘ぎ続けているというのに、神田さんは気にしていない様子。
「あ、ァ、ッ、っ、ぐ、ぁあァ」
「ふは、汚い面。でも、…すげえソソる」
むしろそんな俺の姿に更に興奮しているようだ。
真性のサディストかつ最低な犯罪者野郎だ。
「も、やだ、やだ、やだッ、っあ…!」
「おら、全部入っちまうぞ」
「ひぃッ!っ、いやッ、ふぎっ」
そうだった。
こんなに痛いし苦しいのに、まだ亀頭部分しか入っていないんだった。
全部なんて無理だ。今ですら色々な意味でいっぱいいっぱいだというのに、本当に全部挿入されたら俺死んでしまう。
何とかして止めてもらわなければ。
だけど神田さんは首を横に振りながら号泣する俺の様子を見下ろしながら、浅いところでゆるゆると腰を動かし出した。
「あ、っひ、ま…待って、むり、ッ、むりだからァ」
「ああ、…クソかわいいなお前」
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