蜜空間

ぬるあまい

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それからはほぼ無言。
お互い何も言わず、美味しい食事を頂く。だけど不思議とその無言は辛いものではなかった。
そう感じたのが俺だけでなければいいのだけれど…。

そして二人で「ご馳走様」をした後、二人分の食器を玄関先まで運ぶその途中。

「おい」
「…はい?」
「ゲーム。続き、やるか?」
「は、はいっ」

コントローラーを手に持ちそう訊ねてきた神田さんのお誘いが嬉しくて、俺は即答した。
落とさないよう食器を玄関先まで運び、急いでテレビの前に座る。

「ほらよ」
「あ、りがとうございます」

神田さんからコントローラーを手渡され、俺は有難く受け取る。すると先程と同じように、神田さんはゲーム機を接続し始めた。PS2ならば、俺も接続出来そうだけど、PS4は全く分からない。あの白いコードは何処に接続するんだろうか。要領良く、てきぱきと接続させていく神田さんの姿は、接続の仕方が分からない俺からしてみれば魔術師のようだ。

そんな神田さんの後姿をぼけーっと見ていて、ハッとした。
こんな風にジッと見ていたら、また視線がどうのこうの言われてしまうのではないかと。
俺は急いで神田さんから視線を外す。

そうだ。説明書でも読んでおこう。
ゲームをプレイ中のときは、説明書を読むことをずっと阻止されていたから結局読めずにいたんだよな。今の内にちゃんと読んでおこう。そうすれば、ゲームの世界くらいは役に立つはずだ。

……そう思い、パッケージの中から説明書を取り出そうと手を伸ばしたその時だった。

「…、いた、っ」

伸ばしたその手を、神田さんから叩き落とされたのは……

正直痛いよりも、びっくりした。だっていきなり叩かれるとは思っていなかったから。
いつの間に接続が終わったのだろうとか、何故叩かれたのだろうとか、色々頭の中で疑問に思ったけれど、その疑問を声にすることはしなかった。

……だって、あまりにも神田さんが無表情だったから。
下手に言葉にして、余計に怒らせたら嫌だ。

「………」

何も言えず、ただただ自分よりも高い位置に居る神田さんを見続けていると、何を思ったのか、神田さんはパッケージを掴み、それを投げた。

「…ひ、っ」

しかも軽く投げたのではない。壁にぶつかり激しい音が鳴るほどの勢いで投げたのだ。

一体全体何なんだ?
何処で神田さんの怒りに触れてしまったのか分からない。しかしあの壁に投げつけられたソフト同様、俺も同じ目に遭わされるのではないかと思うと震えがする。

「……っ、」

恐怖で上手く出ない声。
恐怖で上手く動かない身体。
だけど機能しない声と身体をカバーするかのように、脳だけはフル回転している。

さあ。それならば考えよう。急いで考えよう。時間が無いのだ。
彼が何故怒っているのかを。彼をどう対処すればいいのかを。ただ謝るだけでは、また怒らせてしまうのは目に見えている。

……まずは何故怒らせてしまったのかを考えてみよう。

推測1。ただ単純に俺が気に入らなかっただけかもしれない。俺の手を叩き、そしてソフトを壁に投げつけた行為は特に深い意味は無いのだ。

推測2。接続を手伝わない俺の無頓着さに腹が立ったのかもしれない。こういう作業は普通下っ端がする作業なのだから。

推測3。今まで何度も読むなと言われてきた言葉を無視して、説明書を読もうとしていから。

思いついたのはこれくらいだ。
それなら今度はこれを考察してみよう。

推測1の考察。一番的を得ている答えかもしれないが、俺の手を叩き落とし、ソフトを投げつけた点が不可解過ぎる。この行為に意味がないと考えるのは、いささか考えが浅すぎる。

推測2の考察。接続を手伝わなかったことで怒るくらいならば、最初から俺に接続するよう指示するのではないだろうか。それに神田さんは俺がPS4を使ったことがないのは知っているはず。

推測3の考察。神田さんの行動がヒントだ。説明書を読もうとして叩き落されてしまった俺の手。そして投げられたパッケージの中には説明書が入っている。

そうだ。推測1や推測2は答えには遠すぎる。
何故そこまでして俺に説明書を読ませたくないかは分からないが、彼の行動から三番目の推測内容が怒らせてしまった原因だろう。

原因は分かった。
それならば次はどういった対処をすればいいのか。

……それは簡単だ。

「せ、説明書…読もうとして、ごめんなさい、」

ただ謝るのではなく、怒らせてしまった原因を述べて謝ればいいのだ。…しかし本当にこれで合っているのかだけが不安。
すると俺の謝罪の言葉を聞いた神田さんは、何を思ったのか一瞬だけ目を見開いた。
しかしそれは本当に一瞬で、すぐに目を細める。

「…分かればいいんだよ」

そして神田さんはそれだけ言うと、俺に暴力を働くことなく、俺の隣に腰を下ろしゲームを進め始めた。

「は、い。以後、気を付けます…」
「おら、やるぞ」
「は、はい」

ど、どうやら機嫌が治った…?
限界状態で導き出した俺の答えはどうやら正解だったようだ。良かった、良かった!
俺も投げつけられたパッケージ同様、壁に押し付けられるかと思っていたから。

しかし何故そこまでして俺に説明書を読ませたくなかったのだろうか。「俺が居るんだ。説明書なんかに頼るんじゃねー!」とかそんな理由なのかな?

…いやいや。だけどそれでは説明書ばかりに集中している彼女に嫉妬している、嫉妬深い彼氏みたいではないか。そんな理由ではないだろう。

ただ俺に説明書を見せたくなかっただけだろうな。うん。


それから特に問題も無くゲームを楽しく続けられた。途中で、「お前はハンドガンの操作が下手なくせに、ライフルの操作は中々上手いな」と神田さんから褒められた(でいいのかな?)りして、ちょっと嬉しかった。
ハンドガンを使うときは、近距離に居るゾンビに焦ったりして照準がずれちゃうのが問題かもしれない。ライフルを使うときは比較的に落ち着いて操作出来るからかなぁ。まあ、何はともあれ、少しは神田さんに認められたようで良かった。

しかし、楽しい時間はすぐに過ぎて行ってしまう。

「そういえば、消灯時間があるんですよね?」
「ああ。確か0時だったはずだ」
「じゃぁ、後50分しかないですね」
「そろそろ止めるか」
「…はい」

名残惜しいけれど仕方がない。
消灯時間が0時という決まりがあるのだ。確かに決まりがなかったら、生活リズムを崩して体調を悪くしてしまう人が出てしまうかもしれないしな。

「あ、俺布団出してきます」
「ああ」

神田さんは今までプレイしていたゲームをセーブしてくれている。俺にはこの後どのコンセントを抜けばいいのか分からない。それならば少しでも役に立てることをしておこう。

押入れの中から二人分の敷布団と掛け布団、そして枕を取り出す。

「……あ」

そして取り出した後に気付いた。先にテーブルを端にどかしておくべきだったと。
決して部屋が狭いわけではない。家賃も払わず、男二人がタダで暮らすには十分過ぎるほどの広さなのだが、部屋の真ん中にある机と椅子が布団を敷くには少々邪魔だ。

さて、どうしようか。
一人で机を持ち上げるほどの力は俺にはないぞ。いや、力持ちの大男でもこのサイズの机を一人で持ち上げるのは難しいだろう。机を持ち上げずに、押したら床に傷が付いちゃうかなぁ。本当にどうしよう。

そんなことを頭の中であれこれ思案していたら、後ろから肩を掴まれた。もちろんその相手は神田さんだ。

「何してんだお前は」
「…あ、えっと」
「相変わらず鈍臭ぇな」

貴方は相変わらず一言余計ですね。とは言えず、心の中で留めておく。
でもまだ布団すら敷けてないし、嫌味を言われても仕方ないことかもしれない。

「…つ、机をどかそうと思ったんですけど…」

重くて持ち上げられそうにないというか…と、ゴニョゴニョと小さな声で訳を話す。
だって「デブのくせに持てねぇのかよ」と小馬鹿にされるのは嫌だ。
デブ=力持ち、という定理は成立しないんだぞ。自慢出来ることではないが、俺は一般の人よりも力がないと思う。インドア派だし、ほとんど部屋に篭っていたから。筋肉を使うことなんてなかったし。
だけどそういう俺の気持ちを汲み取ってくれた人と今まで出会ったことない。

……だからどうせ神田さんも俺の体型を馬鹿にすると思ったのだが。

「バーカ。それなら早く俺に言えばいいだろうが」

神田さんはそのような言葉を吐くことはなかった。
それどころか鈍臭い俺を非難するわけでもなく、一人で机を持ち上げて端に寄せてくれた。

……何この人。高スペック過ぎるだろう。
そりゃ、世の女性から人気が出るはずだ。

しかもあの重たそうな机を一人で持ち上げたぞ。…お、恐ろしい。これからはより一層、神田さんを怒らせないように気を付けないと。

「あ…。ごめんなさい」

だけど一人で持ち上げることなかったのに。
指示してくれたら、俺が左側を持ち上げましたよ。

「うるせー。お前は風呂でも入ってこい」
「いたっ」
「おら、早く行け」

尻を蹴られて前のめりに倒れそうになってしまった。確かに消灯時間まで40分くらいしかないが、何をそこまで急かす必要があるんだ。それに今の内に俺が布団を敷いておいた方がいいと思う。

「布団敷いておきますから、神田さんがお先にどうぞ」
「………」
「俺は後で大丈夫です」
「…あっそ」

そう言えば神田さんは納得してくれたのか、着替えを持って風呂場の方へと向かって行った。

「……?」

何だ、何だ?
本当に神田さんはよく分からない人だ。何を考えているのか全く予想が出来ない。…まぁ、彼みたいな天才のことを、俺のような凡人が理解出来るわけがないか。

「……」

…自分で言ってて少しむなしくなった。
さてと。とりあえず俺は布団でも敷いておこう。机があるため、お互いの距離が結構近くなってしまうが仕方がない。そのことに神田さんが気を悪くしないといいけれど。



*****


それから十分もせず、神田さんがお風呂場から出てきた。俺が後に控えているからなのか、元々早い人なのか分からないが、まるで烏の行水のような早さだ。

しかし水に濡れたその様は流石というべきか。黒色の髪を濡らし、ポタポタと水滴を落とす様は、男の俺でもクラクラするほどの色気を醸し出していた。
水も滴るいい男とは、今の神田さんのためにある言葉だろう。

「…何見てんだ?」
「え…!?あ、ご、ごめんなさい」
「早く入ってこい」
「は、はいっ」

危ない、危ない。また見惚れてしまっていた。
同じ人間なのに、何故こうも違うのだろうか。ずるいよ。あれは反則だ。

俺は逃げるようにお風呂場へと走った。
そして内側から鍵を掛けようとして思い出した。

「……鍵、ないんだった」

そう。何故かユニットバスである此処には鍵が設置されていないのだ。トイレに入るときも、お風呂に入るときも、不安に苛まれないといけないのかと思うと憂鬱だ。

しかし一体何の目的で鍵が付いていないんだろう。絶対あったほうがいいに決まっている。
それとも何だ?二人しか居ないのだからわざわざ鍵を付ける必要がないということなのだろうか。
部屋に居ない=ユニットバスルームに居るという定義が成り立つからなのかな?
今まで鍵を掛けずに用を足したことがないから、妙に落ち着かない。

「…気にし過ぎなのかなぁ」

もしかしたら俺が知らないだけで、世の中はこれが普通なのかもしれない。神田さんも文句一つ言わなかったし。それにお互いが気を遣って使用していけば、問題も起こりそうにないな。

「…心配し過ぎ、だな」

ふぅ、と息を吐く。
シャワーを浴びながら、一息ついたその時だった。

………バタンッと音を立てて扉が開いたのは。

「…ちょっ、…!?」

何というタイミングだ。もちろん悪い意味で。
人が安心した瞬間を狙って、扉を開けたのでは…と疑いたくなるほどの絶妙なタイミングだったぞ。

神田さんに背中を向けるように俺は湯船の中で体育座りをして身体を隠した。あんな完璧な人間に俺の身体なんか見せれるわけがない。
二の腕はぷよぷよ。お腹はぶよぶよ。絶対に見られたくない。

カーテンはもちろんある。だから神田さんにお湯を浴びせてしまう失態を犯すことはないけれど。
何より、そのカーテンの色が問題だ。

「(…何で透明色なんだよっ…!)」

何とか湯気で曇ってくれないかな。
そうすれば向こうから見えないはずだ。

「………」

…いったい神田さんは何しに来たんだろう。何より早く神田さんが此処から出て行ってくれたらいい問題だ。しかし一分経っても二分経っても出て行く気配がない。

「(…トイレじゃない?)」

それなら何しに来たんだ?
…体育座りをしたまま、おそるおそる顔だけを動かして後ろを振り向く。

「………っ、」

そうすれば、歯ブラシを口に銜えた神田さんと、視線がバチッと合った。

湯気で曇って見えなくなるどころではなかった。
曇りなんて一切なく、カーテンの隔てがあるとは思えないほどはっきりと見える。

「か、神田さん…!」
「あ?」
「は、早く出て行って、ください…っ」

こんな口を利けばまた怒られてしまうのは目に見えている。俺が気に食わないと言って神田さんは怒るだろう。
いいよ。いくらだって怒られてやる。
ただしそれは俺が風呂を上がってからの話だ。そしたら罵声も我慢するし、多少の暴力だって我慢する。だからお願いだから、早く此処から出て行って欲しい。いや、出て行ってくださいお願いしますっ。

「あ゛?」
「…ひぃっ」

怒られるのは分かっていたけど、何も「あ」に濁点を付けてまで凄まないでいいじゃないか。恐くて、おもわず悲鳴が出てしまった。

「俺に歯を磨くなって言ってるのか?」
「そ、そういうわけじゃ…ないです、けど」
「だったら何だ?」

だったら何だ、じゃないよ!神田さんには俺の気持ちなんて一生分からないよ。神田さんは男に裸を見られたくらいどうってことないかもしれない。だってスタイルもいいし?がたいもいいし、筋肉もちゃんと付いてそうだし。
………だけど、俺は。
異性どころか、同性にだって裸を見られるのは恥ずかしいよ。「じゃあ、痩せろよ」と言われたらそれまでだけど…。
しかも神田さんに見られるのは、特に劣等感をヒシヒシ感じるから嫌なんだ。

「はっきり言わねえと分からねーよ」
「…お、俺!裸…っ」
「は?」
「だから、出て行ってください…っ」

皆まで言わせるな…っ。余計に恥ずかしいだろ。余計に惨めに思えてくるだろ。

「………」

神田さんに背を向けたまま、相変わらず俺は醜い身体を隠すように身体を丸めている。だけど水を遮断するしか役に立たない透明色のカーテンのことだ。後ろから見たら、ぷよぷよした俺の背中の脂肪とかお腹の脂肪も丸見えなのかもしれない。

俺のこんな身体を見て、さすがに神田さんも引いちゃったかな。あ、元々引かれてたりするのかな…。

「……?」

というか、あれ?反応なし?
出て行ってくれるとか、口答えするな馬鹿野郎とかお咎めはなし?それはそれで、今後の対処に困るんだけど…。

「…か、神田さん?」

沈黙は怒っていると取るべきなのだろうか。
後ろを振り向く勇気もないし、余計に恐い…。それならいっそ、罵倒してくれたほうが気が楽だ。

「あ、ああ。…悪かった」

するとすごく意外な事に、神田さんはすんなりと出て行ってくれた。しかも謝罪まで述べて。
ガチャンと扉が閉まった音を聞いて、俺は安堵の息を吐いた。

「はぁ…」

つ、疲れた。
こんなに心身共に疲れた入浴は生まれて初めてだ。普通はリフレッシュ出来る唯一の時間だったのに。
どれもこれも、全部鍵が付いてないのがいけなんだ!鍵さえ付けてくれれば何もこんなに慌てることなんてなかったというのに。
…いや、まぁ…だけど一番悪いのは、こんな体型を作ってしまった自分なのかもしれないけれど。

「とにかく、早く上がろう」

消灯時間も近いし、俺一人で長々と此処を独占しておくのは気が引ける(先ほど追い出してしまったばかりだけど)。

「…後で、神田さんに怒られちゃうかな…」

きっと気を悪くさせてしまっただろう。きちんと謝っておかないと。それによくよく冷静になって考えてみれば、神田さんは全然悪くないよな。共同生活なんだし、片方がお風呂に入っているときに、トイレを使うことも洗面所を使うこともあるわけだし…。

「も、申し訳ないことを、してしまった…」

今度からは時間とタイミングをきちんと把握して、お風呂に入ろう。俺はそう心に誓い、お風呂場を後にしたのだった。

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