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第134話 今日限りの特別価格
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真っ青な空から眩しい陽射しが落ちてきていた。
太陽光に温められた地熱を、海が吹いてくる風がどこかにもっていってくれており、湿度も低く不快感は感じない。
伐折羅提督と迷企羅の2人は、コバルトブルーの入り江に停泊している海賊船へ乗り込み、慌てた様子で帆を張り、出航の準備をしていた。
ばっちりリメイクをした女の唄い声と、周囲を囲むように広がっていた魔物達の鳴き声が、白い砂浜に寄せてくる波の音をかき消している。
摩凛の配下であるイルカ擬き達は、私を土竜と少年神官の3人を包囲するようにS級強度を誇る障壁を展開していた。
魔物の数は、陸上の個体で100以上。
海の中も奴等で埋め尽くされている。
月の加護がない炎天下ではあるが、神託に従い、B級相当に該当するイルカ擬き達を殲滅させることは、それほど難しくはない。
とはいうものの、S級ヘルメットを失ってしまった土竜と、戦闘力が全くない少年神官の廉廉を、イルカ擬き達から守りきれるかと言えば自信がない。
リスクを負って戦うか、それとも一旦引いて立て直すべきか、悩むところだ。
その時である。
足元にいる土竜が、不思議そうに空を見上げていることに気が付いた。
その視線の先を追いかけると、ムクドリの大群のような何かが、青い空を埋め尽くし、こちらへ飛んでくる。
あれは、もしかして…、イルカ擬きなのかしら。
奴等は、陸上歩行をできるどころか、空も飛べるのかよ。
背後の海からはイルカ擬き達が上陸を開始していた。
統率された動きで障壁をシンクロさせながら、ゆっくりと進軍してきている。
陸海空の全包囲から包囲網を少しずつ絞り始めてきているようだ。
迫りくる魔物達の行動について、S級サングラスにて分析していた土竜が私見を話し始めてきた。
「三華月様。イルカ擬き達の行動ですが、攻撃、防御、補給などの役割分担がされており、我々の動きを封じるためにロジカルに部隊を動かしているように見受けられます。」
通常の魔物は、集団戦を仕掛けてきたとしても5個体程度まで。
知能の高い迷宮主が現れた場合は、更に高度な戦術をとってくる。
イルカ擬きは高い知能を有しており、司令塔は相当優秀であると考えていいだろう。
集団戦においてまず叩く場所の定石は、最も弱い場所と、司令塔だ。
そして最強の狩人である私なら、その司令塔の位置を特定さえ出来れば、遠距離から撃ち抜くことが容易に出来る。
そう。司令塔さえ仕留めることが出来るなら、戦況が一変するはず。
「土竜さん。イルカ擬き達の中に優れた作戦行動を立案し、指揮している司令塔の役割をしている存在がいるものと思われます。」
「さすが三華月様。その司令塔は、普通に考えたら、摩凛がその役割を果たしているのでしょうか。」
「見る限りでは、摩凛が配下の魔物達へ、行動を指示しているようには見受けられません。」
「そうだとしたら、別に軍団を統率している存在がいるということですか。」
摩凛は、妄想や空想の世界に生き、頭の中に花が咲いているほど能天気だ。
客観的にみても、細かい戦術を指揮している可能性はないだろう。
この魔物の群れから、司令塔の役割を果たしている個体を見つけ出さなればならない。
スキル『真眼』が発動してくれたら問題ないが、月の加護がない状況下では、危機的状況でもない限り発動しない。
ここは、超S級というサングランスにて、司令官の存在を割りだしてもらいましょう。
「土竜さん。出番です。」
「私の出番ですか。すいません。出来ません。」
「まだ、何も言ってないではありませんか。」
「こういう時にお願いされることって、大概ろくでもないと決まっているじゃないですか。」
「安心して下さい。私はろくでもないことなどお願いしません。」
「三華月様。変なフラグを立てないでもらえませんか。」
「とにかく、土竜さんの出番です。」
「分かりました。聞きたくありませんが、伺います。」
「その超S級のサングラスにて、魔物達を指揮している存在を見つけて下さい。」
「見える範囲には、そのような個体はいないようです。」
「司令塔は相当の戦術家です。我々から視認可能な範囲にはいないでしょう。」
「三華月様。見える範囲にいないものなんて、見つけられるはずがないじゃないですか。」
「S級相当の性能なのに、見える範囲のものしか分析できないのでしょうか。」
「三華月様。当たり前じゃないですか。無茶を言わないで下さい。」
「死霊王がもっているスキル『千里眼』はS級相当です。」
「千里眼。凄い性能ですね。だから、何だと言うのですか?」
「土竜さん。そのサングラスは、本当にS級相当の効果がある装備品なのですか。」
「えっ。三華月様。まさかとは思いますが、このサングラスが超S級であるかを疑っているのですか!」
私の言葉に、足元にいた土竜は大きな口を開きフリーズしてしまった。
死霊王の『千里眼』は見えないものを見通す力を持っていた。
私の『真眼』においても同様だ。
土竜が装備しているサングラスは、イルカ擬き達が展開している障壁がS級相当の防御力であると見定めた。
戦闘値は鑑定できるようだが、千里眼の能力には遠く及ばない。
本当にS級の能力があるのかという疑惑が生まれてきた。
迷宮からのドロップ品は、迷宮主を倒した際に獲得できる魔石以外は、地上世界へ持ち帰ることが出来ない。
S級相当の装備品は、S級相当職人はS級相当の魔石を加工しなければ、造ることはできない。
そして、S級相当の鍛冶職人は、この地上世界において死霊王だけ。
そう。一般的にはS級相当に該当するアイテムが市場で売買されることはないのだ。
固まっていた土竜がポツリポツリとサングラスを取得した経緯を説明してきた。
「三華月様。このサングラスは、闇商人から購入したアイテムなんです。」
「その者は土竜さんにとって、信用していた闇商人だったのでしょうか。」
「いえ。初めて現れた新人の闇商人で、おかっぱヘアーの少女でした。」
「新人の闇商人ですか。」
「ある日、私の前へやってきて、『超お得意様である特別な顧客にだけ、提供するお得なサービス』という話しを持ってきてくれたのです。」
「そして『これは今日限りの特別サービス』だと言ってきたわけですか。」
「そうなんです。今すぐに契約をしたら、9割引きの超特別価格で購入出来たのです。」
「それで買ってしまったということですか。」
「超S級相当のサングラスが9割引きだなんて、買わない選択はないじゃないですか!」
商業ギルトの迷宮主だからといって、商売上手だとは限らないわけか。
でもまぁ、サングラスがS級相当なのかはどうでもいい。
当面は、迫りくるイルカ擬き達への対応策を考えることの方が重要だ。
私のスキル『真眼』は発動していない。
それは、陸海空をイルカ擬き達に全包囲されているものの、私は危機的状況に陥っているのではないということだ。
魔物達はというと、威圧的な鳴き声を上げながら障壁を張り、部隊を展開させているが、いっこうに攻撃を仕掛けてくる様子が見受けられない。
私が退くのを待っている感がする。
戦闘行為は少年神官のことを考えると、ここは徹底するのがベターな選択になるのかしら。
「土竜さん。ここは、ガラクタ状態になっている少年神官を連れて、掘り進めてきた回廊へいったん戦略的撤退をすることにしましょう。」
太陽光に温められた地熱を、海が吹いてくる風がどこかにもっていってくれており、湿度も低く不快感は感じない。
伐折羅提督と迷企羅の2人は、コバルトブルーの入り江に停泊している海賊船へ乗り込み、慌てた様子で帆を張り、出航の準備をしていた。
ばっちりリメイクをした女の唄い声と、周囲を囲むように広がっていた魔物達の鳴き声が、白い砂浜に寄せてくる波の音をかき消している。
摩凛の配下であるイルカ擬き達は、私を土竜と少年神官の3人を包囲するようにS級強度を誇る障壁を展開していた。
魔物の数は、陸上の個体で100以上。
海の中も奴等で埋め尽くされている。
月の加護がない炎天下ではあるが、神託に従い、B級相当に該当するイルカ擬き達を殲滅させることは、それほど難しくはない。
とはいうものの、S級ヘルメットを失ってしまった土竜と、戦闘力が全くない少年神官の廉廉を、イルカ擬き達から守りきれるかと言えば自信がない。
リスクを負って戦うか、それとも一旦引いて立て直すべきか、悩むところだ。
その時である。
足元にいる土竜が、不思議そうに空を見上げていることに気が付いた。
その視線の先を追いかけると、ムクドリの大群のような何かが、青い空を埋め尽くし、こちらへ飛んでくる。
あれは、もしかして…、イルカ擬きなのかしら。
奴等は、陸上歩行をできるどころか、空も飛べるのかよ。
背後の海からはイルカ擬き達が上陸を開始していた。
統率された動きで障壁をシンクロさせながら、ゆっくりと進軍してきている。
陸海空の全包囲から包囲網を少しずつ絞り始めてきているようだ。
迫りくる魔物達の行動について、S級サングラスにて分析していた土竜が私見を話し始めてきた。
「三華月様。イルカ擬き達の行動ですが、攻撃、防御、補給などの役割分担がされており、我々の動きを封じるためにロジカルに部隊を動かしているように見受けられます。」
通常の魔物は、集団戦を仕掛けてきたとしても5個体程度まで。
知能の高い迷宮主が現れた場合は、更に高度な戦術をとってくる。
イルカ擬きは高い知能を有しており、司令塔は相当優秀であると考えていいだろう。
集団戦においてまず叩く場所の定石は、最も弱い場所と、司令塔だ。
そして最強の狩人である私なら、その司令塔の位置を特定さえ出来れば、遠距離から撃ち抜くことが容易に出来る。
そう。司令塔さえ仕留めることが出来るなら、戦況が一変するはず。
「土竜さん。イルカ擬き達の中に優れた作戦行動を立案し、指揮している司令塔の役割をしている存在がいるものと思われます。」
「さすが三華月様。その司令塔は、普通に考えたら、摩凛がその役割を果たしているのでしょうか。」
「見る限りでは、摩凛が配下の魔物達へ、行動を指示しているようには見受けられません。」
「そうだとしたら、別に軍団を統率している存在がいるということですか。」
摩凛は、妄想や空想の世界に生き、頭の中に花が咲いているほど能天気だ。
客観的にみても、細かい戦術を指揮している可能性はないだろう。
この魔物の群れから、司令塔の役割を果たしている個体を見つけ出さなればならない。
スキル『真眼』が発動してくれたら問題ないが、月の加護がない状況下では、危機的状況でもない限り発動しない。
ここは、超S級というサングランスにて、司令官の存在を割りだしてもらいましょう。
「土竜さん。出番です。」
「私の出番ですか。すいません。出来ません。」
「まだ、何も言ってないではありませんか。」
「こういう時にお願いされることって、大概ろくでもないと決まっているじゃないですか。」
「安心して下さい。私はろくでもないことなどお願いしません。」
「三華月様。変なフラグを立てないでもらえませんか。」
「とにかく、土竜さんの出番です。」
「分かりました。聞きたくありませんが、伺います。」
「その超S級のサングラスにて、魔物達を指揮している存在を見つけて下さい。」
「見える範囲には、そのような個体はいないようです。」
「司令塔は相当の戦術家です。我々から視認可能な範囲にはいないでしょう。」
「三華月様。見える範囲にいないものなんて、見つけられるはずがないじゃないですか。」
「S級相当の性能なのに、見える範囲のものしか分析できないのでしょうか。」
「三華月様。当たり前じゃないですか。無茶を言わないで下さい。」
「死霊王がもっているスキル『千里眼』はS級相当です。」
「千里眼。凄い性能ですね。だから、何だと言うのですか?」
「土竜さん。そのサングラスは、本当にS級相当の効果がある装備品なのですか。」
「えっ。三華月様。まさかとは思いますが、このサングラスが超S級であるかを疑っているのですか!」
私の言葉に、足元にいた土竜は大きな口を開きフリーズしてしまった。
死霊王の『千里眼』は見えないものを見通す力を持っていた。
私の『真眼』においても同様だ。
土竜が装備しているサングラスは、イルカ擬き達が展開している障壁がS級相当の防御力であると見定めた。
戦闘値は鑑定できるようだが、千里眼の能力には遠く及ばない。
本当にS級の能力があるのかという疑惑が生まれてきた。
迷宮からのドロップ品は、迷宮主を倒した際に獲得できる魔石以外は、地上世界へ持ち帰ることが出来ない。
S級相当の装備品は、S級相当職人はS級相当の魔石を加工しなければ、造ることはできない。
そして、S級相当の鍛冶職人は、この地上世界において死霊王だけ。
そう。一般的にはS級相当に該当するアイテムが市場で売買されることはないのだ。
固まっていた土竜がポツリポツリとサングラスを取得した経緯を説明してきた。
「三華月様。このサングラスは、闇商人から購入したアイテムなんです。」
「その者は土竜さんにとって、信用していた闇商人だったのでしょうか。」
「いえ。初めて現れた新人の闇商人で、おかっぱヘアーの少女でした。」
「新人の闇商人ですか。」
「ある日、私の前へやってきて、『超お得意様である特別な顧客にだけ、提供するお得なサービス』という話しを持ってきてくれたのです。」
「そして『これは今日限りの特別サービス』だと言ってきたわけですか。」
「そうなんです。今すぐに契約をしたら、9割引きの超特別価格で購入出来たのです。」
「それで買ってしまったということですか。」
「超S級相当のサングラスが9割引きだなんて、買わない選択はないじゃないですか!」
商業ギルトの迷宮主だからといって、商売上手だとは限らないわけか。
でもまぁ、サングラスがS級相当なのかはどうでもいい。
当面は、迫りくるイルカ擬き達への対応策を考えることの方が重要だ。
私のスキル『真眼』は発動していない。
それは、陸海空をイルカ擬き達に全包囲されているものの、私は危機的状況に陥っているのではないということだ。
魔物達はというと、威圧的な鳴き声を上げながら障壁を張り、部隊を展開させているが、いっこうに攻撃を仕掛けてくる様子が見受けられない。
私が退くのを待っている感がする。
戦闘行為は少年神官のことを考えると、ここは徹底するのがベターな選択になるのかしら。
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