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第18章 ニホン観光をしながら生きていこう
366.事なかれ主義者は楽しみを取っておくことにした
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見晴らしのいい場所でしばらく過ごした後、食事をしたり、お土産を買って回ったりした。
途中、パメラがどうしても行ってみたいと駄々を捏ねたので賭博場……というか雀荘にも入ったけど、東風戦だけやらせてさっさとお暇した。
「まだやりたいデス!」
「この後予定があるんですよ! 護衛でしょう、あなた!」
再び駄々を捏ねようと床に寝そべった、彼女を強引に持ち上げて賭博場からさっさと出る。
いくら小柄とはいえお姫様抱っこはきつい。っていうか、羽があって持ち方がちょっと変になってる気がする。
「……仕方ないデスね」
意外と素直に従ってじっと大人しく運ばれるパメラのおかげで彼女を落とす事はなかったけど、その後が大変だった。
パメラを運ぶためにどうしてもクーを背負っていられなくなったので下ろしていたのだ。
ご機嫌斜めのクーのご機嫌取りを一生懸命しているとあっという間に時間が経ってしまって空が赤く染まり始めていた。
「そろそろ戻りましょうか」
「楽しかったデス! また一緒に賭場に行きたいデス!」
「少なくともニホン連合にある賭場には行きませんよ」
無一文にされて再び奴隷になっちゃいそうってのもあるけど、パメラが黒い髪に黒い瞳だったからか賭場にいた人たちの目が獲物を狙う目をしていたような気がするから。
今回は僕もちょっとだけ興味があったからついて行ったけど、もう行きたいとは思わないし。
お金を目的としないのなら身内でお菓子とかを賭けて遊んでいるのが楽しいってよく分かった。
「……つけられていますがいかがなさいますか」
「ほっとけばー?」
先頭を歩いていたジュリウスが前を向いたままクーに尋ねたが、彼女は僕の体にギュッと巻きつきながらどうでもよさそうに返事をした。
「どーせ往来で何かしようとはしてこないでしょ。寝込みを襲うためにどこの宿を使っているか偵察に来てんじゃない?」
「撒いた方が良いんじゃないですか?」
僕が尋ねると、ジュリウスがやっぱり前を見たまま答えた。
「我々は良くも悪くも目立つから、隠しきるのは不可能だろうな。夜のうちに次の町に出立するのも一つの手ではあると思うが、それは避けた方が良いだろう」
「なんで?」
「夜は魔物が活発に動き回るからだ。今回はクー様のお気に入りだからお前を連れてきたが、護衛として側にいたいのであればもう少し外の世界についての知識を深めろ」
流石ジュリウス。役になり切って、僕と接してくれている。
大人しく「すみません」と謝ってジュリウスの背中を追って坂道を上っていると、ジュリーニたちが泊まっている宿が見えてきた。
高級料亭みたいな雰囲気のあるその木造建築の旅館だ。どこもニホン連合内だとどこも似たり寄ったりな感じがあるから見るだけだとちょっと飽きた。
クーは相変わらず馬車の中で寝泊まりしているとの事なので、旅館に入らずに馬車置き場に向かう。
ピカピカの豪華な馬車が並んでいるが、その中でも僕たちが使っている真っ白な馬車は目立つ。
パメラが開けてくれた扉をくぐると、明らかに外側から見た時よりも車内は広かった。
僕が魔改造した馬車に、クーがさらに手を加えているらしい。
「お兄ちゃん、下ろして」
車内という事で、いつもの呼び方に戻ったクーが僕の肩を叩く。
「あれ、一緒に帰らないの?」
「別にいいでしょ、あーしがどこで寝ようが」
「まあそうだけどさ。明後日はフソーの方に行くからできれば一緒について来てくれると助かるんだけど……」
「んー、まあ考えとく。それより、もうこの街には用はないよね? 明日には出発させていい?」
「うん、いいよ。次は京都だっけ?」
「左様でございます」
近くで控えていたジュリウスに尋ねると彼はこくりと頷いた。車内に入ったからか、僕に対する態度が元通りだ。
ランチェッタ様から得た事前情報によると、京都はニホン連合の中でも大きな国らしい。特産品もたくさんあるらしいし、お土産選びが大変そうだ。
「キョートの北には魔国ドタウィッチがありますが、キョート観光後はいかがなさいますか?」
「ドタウィッチって魔法学校みたいなところがあるんだっけ?」
「はい。様々な国から留学生を受け入れている学校があります。魔道具についての研究もされているのではないでしょうか」
「じゃあそっちに向かってもらおうかな。神様たちの布教ができそうだったらしたいし。……ニホン連合の国をもう少し見て回りたかったけど、トネリコから行こうと思えばいつでも行けるし、次行くときは別ルートでお願いね」
「かしこまりました」
ジュリウスは僕が話した事をそのまま宿にいる世界樹の番人たちに話す、という事でクーと一緒に残るそうだ。
ちょっとくらい待っても良かったんだけど、他にも話し合いたい事があるらしいから時間がかかるそうだ。
フソーに行く時までには戻る、という事だったので、僕はパメラと二人でファマリーに戻るのだった。
途中、パメラがどうしても行ってみたいと駄々を捏ねたので賭博場……というか雀荘にも入ったけど、東風戦だけやらせてさっさとお暇した。
「まだやりたいデス!」
「この後予定があるんですよ! 護衛でしょう、あなた!」
再び駄々を捏ねようと床に寝そべった、彼女を強引に持ち上げて賭博場からさっさと出る。
いくら小柄とはいえお姫様抱っこはきつい。っていうか、羽があって持ち方がちょっと変になってる気がする。
「……仕方ないデスね」
意外と素直に従ってじっと大人しく運ばれるパメラのおかげで彼女を落とす事はなかったけど、その後が大変だった。
パメラを運ぶためにどうしてもクーを背負っていられなくなったので下ろしていたのだ。
ご機嫌斜めのクーのご機嫌取りを一生懸命しているとあっという間に時間が経ってしまって空が赤く染まり始めていた。
「そろそろ戻りましょうか」
「楽しかったデス! また一緒に賭場に行きたいデス!」
「少なくともニホン連合にある賭場には行きませんよ」
無一文にされて再び奴隷になっちゃいそうってのもあるけど、パメラが黒い髪に黒い瞳だったからか賭場にいた人たちの目が獲物を狙う目をしていたような気がするから。
今回は僕もちょっとだけ興味があったからついて行ったけど、もう行きたいとは思わないし。
お金を目的としないのなら身内でお菓子とかを賭けて遊んでいるのが楽しいってよく分かった。
「……つけられていますがいかがなさいますか」
「ほっとけばー?」
先頭を歩いていたジュリウスが前を向いたままクーに尋ねたが、彼女は僕の体にギュッと巻きつきながらどうでもよさそうに返事をした。
「どーせ往来で何かしようとはしてこないでしょ。寝込みを襲うためにどこの宿を使っているか偵察に来てんじゃない?」
「撒いた方が良いんじゃないですか?」
僕が尋ねると、ジュリウスがやっぱり前を見たまま答えた。
「我々は良くも悪くも目立つから、隠しきるのは不可能だろうな。夜のうちに次の町に出立するのも一つの手ではあると思うが、それは避けた方が良いだろう」
「なんで?」
「夜は魔物が活発に動き回るからだ。今回はクー様のお気に入りだからお前を連れてきたが、護衛として側にいたいのであればもう少し外の世界についての知識を深めろ」
流石ジュリウス。役になり切って、僕と接してくれている。
大人しく「すみません」と謝ってジュリウスの背中を追って坂道を上っていると、ジュリーニたちが泊まっている宿が見えてきた。
高級料亭みたいな雰囲気のあるその木造建築の旅館だ。どこもニホン連合内だとどこも似たり寄ったりな感じがあるから見るだけだとちょっと飽きた。
クーは相変わらず馬車の中で寝泊まりしているとの事なので、旅館に入らずに馬車置き場に向かう。
ピカピカの豪華な馬車が並んでいるが、その中でも僕たちが使っている真っ白な馬車は目立つ。
パメラが開けてくれた扉をくぐると、明らかに外側から見た時よりも車内は広かった。
僕が魔改造した馬車に、クーがさらに手を加えているらしい。
「お兄ちゃん、下ろして」
車内という事で、いつもの呼び方に戻ったクーが僕の肩を叩く。
「あれ、一緒に帰らないの?」
「別にいいでしょ、あーしがどこで寝ようが」
「まあそうだけどさ。明後日はフソーの方に行くからできれば一緒について来てくれると助かるんだけど……」
「んー、まあ考えとく。それより、もうこの街には用はないよね? 明日には出発させていい?」
「うん、いいよ。次は京都だっけ?」
「左様でございます」
近くで控えていたジュリウスに尋ねると彼はこくりと頷いた。車内に入ったからか、僕に対する態度が元通りだ。
ランチェッタ様から得た事前情報によると、京都はニホン連合の中でも大きな国らしい。特産品もたくさんあるらしいし、お土産選びが大変そうだ。
「キョートの北には魔国ドタウィッチがありますが、キョート観光後はいかがなさいますか?」
「ドタウィッチって魔法学校みたいなところがあるんだっけ?」
「はい。様々な国から留学生を受け入れている学校があります。魔道具についての研究もされているのではないでしょうか」
「じゃあそっちに向かってもらおうかな。神様たちの布教ができそうだったらしたいし。……ニホン連合の国をもう少し見て回りたかったけど、トネリコから行こうと思えばいつでも行けるし、次行くときは別ルートでお願いね」
「かしこまりました」
ジュリウスは僕が話した事をそのまま宿にいる世界樹の番人たちに話す、という事でクーと一緒に残るそうだ。
ちょっとくらい待っても良かったんだけど、他にも話し合いたい事があるらしいから時間がかかるそうだ。
フソーに行く時までには戻る、という事だったので、僕はパメラと二人でファマリーに戻るのだった。
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