15 / 972
第1章 冒険者になって生きていこう
12.事なかれ主義者の昇格試験②
しおりを挟む
第四階層からスライムの他にゴブリンも出るようになった。
数匹単位で出てきて、獲物を見つけると嬉々として突っ込んでくる。
パーティーの他の人ばかりを狙うのは、そういう魔物だからだろうか。
女の子がゴブリンに捕まったら大変な事になる、っていうのが前の世界の創作でよくある話だったんだけど。
「ああ、確かに繁殖力強くて、女が捕まったら悲惨な事になるな。魔法生物がどうなのかはわからんけど、気を付けさせとけよ」
「だって、ホムラ。捕まらないように気を付けてね」
「分かりました、マスター」
この世界でもゴブリンはそういう魔物らしい。
小さな村の近くにゴブリンが出たら、駆除されるまで女子どもは村から出ないように気を付けるんだとか。
ダンジョンのゴブリンも変わらないが、基本的にダンジョンの魔物は階層間の移動ができないらしい。
だから未熟な冒険者や、ソロの女性冒険者はあんまりこのダンジョンに来ないんだとか。
ゴブリンを殴り殺したラオさんは返り血を拭いつつ、いろいろな事を教えてくれた。
聞き逃さないように集中して聞いているつもりだったけど、ラオさんが心配そうに時折こちらを見ている。
「シズト、大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です」
「大丈夫、って顔色じゃねぇんだけどな。血が苦手なのか?」
「……まあ、あんまり見る機会なかったから」
「そういうやつもいるよな。ただ、冒険者を続けるんだったら慣れないと上にいけねぇぞ」
やっぱり、人と同じように二足歩行で歩き回るゴブリンが死ぬところを見るのは精神的にきついものがあった。
何より、今まで赤い血が出るような魔物を相手にしていなかったのでちょっと楽観しすぎていたんだと思う。
僕は元々血が嫌いだ。血を見ると力が抜ける。昔からそうだった。保健の授業で事故の話を先生がし始めて、それを想像してしまったからか、気分が悪くなって保健室に行った事もある。採血の時は横になって採血をしてもらい、逆の方を向いて受けていた。ただ、それでも気分が悪くなる時もあったし、注射後に張るシールみたいなのに付着していた血を見ただけで気分が悪くなった時もある。
それについて医者がなんか長い病名のようなものを言っていたけど、「基本的に反射だから完治は難しい」と言っていた気がする。だから、争い事とか、誰かが怪我した姿とか見ないようにしてきた。
冒険者をやるには、致命的だよなって改めて思う。
街の依頼だけだったら全然困る事はなかったんだけど。
ただ、耐えられないほどじゃない。気を失うわけでもない。ただ、力が入りにくくなって、物をうまく持てないだけ。
ボールガイドがコロコロ転がってくれるから、地図を持たなくていい。
手に入れた討伐証明は、アイテムバッグに突っ込めば重さは感じない。
そのアイテムバッグは開けるのに力は要らない。
最悪、ホムラにおんぶしてもらって移動する事だって可能だと思う。
ただのポーターをするだけだったら、特に今の所問題は起きてない。
あんまりゴブリンが倒された現場を見ないようにしながら進む。
途中で冒険者に会う事もなく、第五階層に続く階段に着いた。
道中、ゴブリンが多い事を気にしていたラオさんだったが、下の階が騒がしいのに気づき、舌打ちをした。
「ドーラ、お守りを頼む。ホムラに後ろを警戒するように言っとけ」
そう言って先に階段を下りていくラオさん。
その後をドーラさんが警戒しながらついていき、僕はホムラに後ろを警戒させてその後を続く。
階段の途中で、ぼろきれをまとった虚ろな目をした女性の集団がまず見えた。
その奥では男性の冒険者たちが、代わる代わる階下から上がってくる大量のゴブリンたちを下に蹴落としていた。彼らが持っている武器は使い物にならなくなっているのだろう。
ラオさんが座り込んでいる女性の集団の頭上を飛び越え、男性の冒険者たちも飛び越し、先頭のゴブリンを蹴り飛ばすとドミノ倒しのようにゴブリンたちが吹っ飛んでいく。
「何があった」
「変異種がでた! 何か分かんないけど、ゴブリンリーダーじゃないでかいやつだ!」
それだけでラオさんはわかったようで、舌打ちをした。
僕は訳が分からないままボロボロの男性の冒険者たちを見る。
全員防具がボロボロで、腕が明らかに折れている人もいれば、血を流している人もいた。
たぶん、あの人はもう助からないんだと思う。
女性の集団の中に横たわっていた男性冒険者が視界に入ってそんな事を感じた。
「大丈夫?」
前にいたドーラさんに支えられて、心配そうに問いかけられる。
女性の集団を見ると、衣類は剥ぎ取られたのだろう。ぼろきれを羽織っている以外、何も身につけていなかった。涙の跡が痛々しい。
話では聞いていたし、物語ではこういう被害にあった女性たちが出てくる事もあったけど、実際に見るのとではまた違う。
女性の集団の中の冒険者の男性は、まだ息をしているようだった。ただ、出血がひどい。右腕もなかった。
ドーラさんが視線に気づいて、その男性に持ってきていたポーションをかける。傷口から血が出ることは止まったけど、おびただしい量の血の跡が階段に残っている。
その姿が自分の未来のように思えて、力が抜けて階段に座り込む。
やっぱり、冒険者は無理だ。
「ドーラ、そいつだけ連れてダンジョンを出ろ。それで外の監督官に伝えろ。ここはアタシが抑えるけど、正直もっと下の階層のがやべぇかもしんねぇ」
「分かった」
ドーラさんに引っ張られる形で階段を上る途中で考える。
このままラオさんだけ残して、本当に大丈夫なのか。
きっと、大丈夫さ。高ランクの冒険者だって言ってたし。むしろ自分がいた方がやばいでしょう。力抜けて歩くのもしんどいんだから、逃げれる時に逃げた方がきっと彼女の助けになるさ、と自分を安心させるためにそんな事を思う僕がいた。
ただ、本当に大丈夫?
ラオさんが判断したんだからきっと彼女は大丈夫なんだろう。でも、後ろの人たちはこのまま無事外に出れる?
……手助けはできると思う。
殺す事は無理だ。でも……時間稼ぎだったら、きっとできる。
僕が足を止めると、ドーラさんがこちらを振り向いた。
「ちょっと、手伝ってもらってもいいですか?」
このままあの人たちを見捨てると、後で何を言われるか分からないし。
何も言われる事がなくても、きっと今なにもしなかったら嫌な夢も見ちゃうだろうし。
……できるって思っちゃったし。
アイテムバッグにたくさん物を詰め込んできたから、【加工】のための貯蔵は万全だし、頑張ってみよう。
……ただ、うまくいかなかったら死に物狂いで逃げよ。
その時のために、体力と魔力、温存しておいてくださいね、ドーラさん。
数匹単位で出てきて、獲物を見つけると嬉々として突っ込んでくる。
パーティーの他の人ばかりを狙うのは、そういう魔物だからだろうか。
女の子がゴブリンに捕まったら大変な事になる、っていうのが前の世界の創作でよくある話だったんだけど。
「ああ、確かに繁殖力強くて、女が捕まったら悲惨な事になるな。魔法生物がどうなのかはわからんけど、気を付けさせとけよ」
「だって、ホムラ。捕まらないように気を付けてね」
「分かりました、マスター」
この世界でもゴブリンはそういう魔物らしい。
小さな村の近くにゴブリンが出たら、駆除されるまで女子どもは村から出ないように気を付けるんだとか。
ダンジョンのゴブリンも変わらないが、基本的にダンジョンの魔物は階層間の移動ができないらしい。
だから未熟な冒険者や、ソロの女性冒険者はあんまりこのダンジョンに来ないんだとか。
ゴブリンを殴り殺したラオさんは返り血を拭いつつ、いろいろな事を教えてくれた。
聞き逃さないように集中して聞いているつもりだったけど、ラオさんが心配そうに時折こちらを見ている。
「シズト、大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です」
「大丈夫、って顔色じゃねぇんだけどな。血が苦手なのか?」
「……まあ、あんまり見る機会なかったから」
「そういうやつもいるよな。ただ、冒険者を続けるんだったら慣れないと上にいけねぇぞ」
やっぱり、人と同じように二足歩行で歩き回るゴブリンが死ぬところを見るのは精神的にきついものがあった。
何より、今まで赤い血が出るような魔物を相手にしていなかったのでちょっと楽観しすぎていたんだと思う。
僕は元々血が嫌いだ。血を見ると力が抜ける。昔からそうだった。保健の授業で事故の話を先生がし始めて、それを想像してしまったからか、気分が悪くなって保健室に行った事もある。採血の時は横になって採血をしてもらい、逆の方を向いて受けていた。ただ、それでも気分が悪くなる時もあったし、注射後に張るシールみたいなのに付着していた血を見ただけで気分が悪くなった時もある。
それについて医者がなんか長い病名のようなものを言っていたけど、「基本的に反射だから完治は難しい」と言っていた気がする。だから、争い事とか、誰かが怪我した姿とか見ないようにしてきた。
冒険者をやるには、致命的だよなって改めて思う。
街の依頼だけだったら全然困る事はなかったんだけど。
ただ、耐えられないほどじゃない。気を失うわけでもない。ただ、力が入りにくくなって、物をうまく持てないだけ。
ボールガイドがコロコロ転がってくれるから、地図を持たなくていい。
手に入れた討伐証明は、アイテムバッグに突っ込めば重さは感じない。
そのアイテムバッグは開けるのに力は要らない。
最悪、ホムラにおんぶしてもらって移動する事だって可能だと思う。
ただのポーターをするだけだったら、特に今の所問題は起きてない。
あんまりゴブリンが倒された現場を見ないようにしながら進む。
途中で冒険者に会う事もなく、第五階層に続く階段に着いた。
道中、ゴブリンが多い事を気にしていたラオさんだったが、下の階が騒がしいのに気づき、舌打ちをした。
「ドーラ、お守りを頼む。ホムラに後ろを警戒するように言っとけ」
そう言って先に階段を下りていくラオさん。
その後をドーラさんが警戒しながらついていき、僕はホムラに後ろを警戒させてその後を続く。
階段の途中で、ぼろきれをまとった虚ろな目をした女性の集団がまず見えた。
その奥では男性の冒険者たちが、代わる代わる階下から上がってくる大量のゴブリンたちを下に蹴落としていた。彼らが持っている武器は使い物にならなくなっているのだろう。
ラオさんが座り込んでいる女性の集団の頭上を飛び越え、男性の冒険者たちも飛び越し、先頭のゴブリンを蹴り飛ばすとドミノ倒しのようにゴブリンたちが吹っ飛んでいく。
「何があった」
「変異種がでた! 何か分かんないけど、ゴブリンリーダーじゃないでかいやつだ!」
それだけでラオさんはわかったようで、舌打ちをした。
僕は訳が分からないままボロボロの男性の冒険者たちを見る。
全員防具がボロボロで、腕が明らかに折れている人もいれば、血を流している人もいた。
たぶん、あの人はもう助からないんだと思う。
女性の集団の中に横たわっていた男性冒険者が視界に入ってそんな事を感じた。
「大丈夫?」
前にいたドーラさんに支えられて、心配そうに問いかけられる。
女性の集団を見ると、衣類は剥ぎ取られたのだろう。ぼろきれを羽織っている以外、何も身につけていなかった。涙の跡が痛々しい。
話では聞いていたし、物語ではこういう被害にあった女性たちが出てくる事もあったけど、実際に見るのとではまた違う。
女性の集団の中の冒険者の男性は、まだ息をしているようだった。ただ、出血がひどい。右腕もなかった。
ドーラさんが視線に気づいて、その男性に持ってきていたポーションをかける。傷口から血が出ることは止まったけど、おびただしい量の血の跡が階段に残っている。
その姿が自分の未来のように思えて、力が抜けて階段に座り込む。
やっぱり、冒険者は無理だ。
「ドーラ、そいつだけ連れてダンジョンを出ろ。それで外の監督官に伝えろ。ここはアタシが抑えるけど、正直もっと下の階層のがやべぇかもしんねぇ」
「分かった」
ドーラさんに引っ張られる形で階段を上る途中で考える。
このままラオさんだけ残して、本当に大丈夫なのか。
きっと、大丈夫さ。高ランクの冒険者だって言ってたし。むしろ自分がいた方がやばいでしょう。力抜けて歩くのもしんどいんだから、逃げれる時に逃げた方がきっと彼女の助けになるさ、と自分を安心させるためにそんな事を思う僕がいた。
ただ、本当に大丈夫?
ラオさんが判断したんだからきっと彼女は大丈夫なんだろう。でも、後ろの人たちはこのまま無事外に出れる?
……手助けはできると思う。
殺す事は無理だ。でも……時間稼ぎだったら、きっとできる。
僕が足を止めると、ドーラさんがこちらを振り向いた。
「ちょっと、手伝ってもらってもいいですか?」
このままあの人たちを見捨てると、後で何を言われるか分からないし。
何も言われる事がなくても、きっと今なにもしなかったら嫌な夢も見ちゃうだろうし。
……できるって思っちゃったし。
アイテムバッグにたくさん物を詰め込んできたから、【加工】のための貯蔵は万全だし、頑張ってみよう。
……ただ、うまくいかなかったら死に物狂いで逃げよ。
その時のために、体力と魔力、温存しておいてくださいね、ドーラさん。
157
お気に入りに追加
413
あなたにおすすめの小説
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~
クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。
ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。
下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。
幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない!
「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」
「兵士の武器の質を向上させる!」
「まだ勝てません!」
「ならば兵士に薬物投与するしか」
「いけません! 他の案を!」
くっ、貴族には制約が多すぎる!
貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ!
「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」
「勝てば正義。死ななきゃ安い」
これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰しのための奮闘が賞賛される流れに~
果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨムでも公開しています。カクヨムでのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~
クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。
だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。
リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。
だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。
あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。
そして身体の所有権が俺に移る。
リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。
よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。
お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。
お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう!
味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。
絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ!
そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!
スマホ依存症な俺は異世界でもスマホを手放せないようです
寝転ぶ芝犬
ファンタジー
スマホ大好きなこの俺、関谷道長はある日いつものように新しいアプリを探していると何やら怪しいアプリを見つけた。早速面白そうなのでDLして遊ぼうとしてみるといつの間にか異世界へと飛ばされていた!
ちょっと待てなんなんだここは!しかも俺のスマホのデータ全部消えてる!嘘だろ俺の廃課金データが!!けどこのスマホなんかすごい!けど課金要素多すぎ!!ツッコミどころ多すぎだろ!
こんなことから始まる俺の冒険。いや、宿にこもってスマホばっかりいじっているから冒険してないや。異世界で俺強え無双?いや、身体能力そのままだから剣もまともに振れませんけど。産業革命で超金持ち?いや、スマホの課金要素多すぎてすぐに金欠なんですけど。俺のすごいところってただすごいスマホ持っているだけのような…あれ?俺の価値なくね?
現在、小説家になろうで連載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる