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第1章 冒険者になって生きていこう
8.事なかれ主義者は戦いたくない
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ラオさんから気を付けるようにと言われたドーラさんは、特に僕に何かしてくるような人ではなかった。
朝、僕がご飯を食べる時間になると、ちょうどドーラさんも身支度を整え終わる時間なのか廊下で会うが、挨拶を交わす程度だ。
顔は兜で覆われていてよくわからないけど、声からして女性のような気もするその人は、朝ごはんを食べる事なく今日も外に出ていった。
昼間の暇な時間帯にランとお喋りをしていて知った事だけど、どうやらドーラさんは宿で用意されるご飯を食べずに、自分で用意して食べるタイプのお客さんらしい。
ドーラさんは僕が夕方、冒険者ギルドに納品に行って帰ってきた後に帰ってくるらしい。
どこで何をしているのかは不明だが、関わる事が少ないからあんまり気にしなくてもいいと思うのになぁ。
ドーラさんが近くにいる時になんだかピリピリした雰囲気を出すラオさんに枕カバーに付与を施した物をプレゼントした。
「なんだこれ」
「安眠カバー。これ枕につけて寝ると魔法で眠れるよ!」
「……これは売り物にすんのか?」
「え? まあ、割と簡単にできたし、お店持ったらするかも?」
そう答えたらラオさんは大きくため息をついたが、特に何も言わずに受け取ってくれた。
ラオさんの綺麗な赤い髪に合わせて、枕カバーは赤い物を選んで【付与】をした。
魔力は魔石を使うタイプにしたので、一番下のランクの魔石を渡す。これなら冒険者なら維持費はないと言っていいはずだ。この世界でも最弱のスライムを倒すと手に入るから。
子どもでも倒せるらしいけど、僕は危ない事をしたくないので倒せるか試さなくていいや。
今日もいつものように夕方、冒険者ギルドに浮遊台車を納品しに行く。空いていたイザベラさんの所に行くと、イザベラさんの方から声をかけてきた。
「シズトくん、Fランクの昇格の手続きをするのでドッグタグをください」
「あ、はい」
言われるままに素直にドッグタグをイザベラさんに渡すと、イザベラさんは席を外してどこかへ行ってしまった。
「Sランク以外は昇格試験受けるって聞いたんだけど?」
「Fは一定期間依頼を受ける事がそのまま試験なんだよ。続ける事ができるかとか諸々見てるらしいが詳しい事は知らん」
「へー。そういえばラオさんはランクいくつ?」
「B」
「いつも護衛していただきありがとうございます」
「その言葉遣いやめろって言ったろうが」
上の方の人だった。
護衛されてからずっと敬語を使っていたんだけど、堅苦しいからやめろって言われた。それからは敬語を使わないようにしていたんだけど、やっぱりやめないほうがいいかな、って思ったら嫌な顔をされた。
本心で言ってるのかわかんないなぁ。嘘発見器みたいなのあったら社交辞令かどうかわかるのに。
そんな事を考えていたら閃いた。
ただ、別に今はそこまで必要としていないしいいや。
イザベラさんが戻ってきて、ドッグタグを渡される。
「次の昇格試験までにする事をご説明しますね。Fランクから街の外の仕事を受ける事ができます。その依頼を一定数受けたら昇格試験をしてもらいます」
え、嫌なんだけど。街の外危なさそうじゃん。
「ただ、浮遊台車を買い取らせていただいているので、街の依頼でも可とさせていただきます。ご安心ください」
それはそれでどうなんだろう。特別扱いされてると周りからの妬みとかもらいそう。ヘイトはためたくないんだけど。なんかいい方法ないかな。
「別にパーティメンバーと討伐したものでもいいんだろ? こいつ、ポーターだし」
「ええ、問題ないですね」
それもそれでなんか人に頼りすぎているあいつマジ寄生虫だわ、とかなんとか言われそう。
「とにかく、一定数の依頼を受けていただいたら昇格試験があります。昇格試験では『はじめのダンジョン』に挑んでもらって五階層まで行き、フロアボスの討伐証明を持ってきていただけたら問題ないです」
んー……前途多難。
ホムラと合流して宿に戻り、ご飯を食べながら考える。
戦いたくない。でも、人に頼りすぎるのも特別扱いも多分何かしらは言われるんだと思う。
そう考えるとやっぱり自分でやるしかないとは思うんだけど、そういうのは遠慮したい。
「なんだ、まだ悩んでんのかよ」
僕よりも早く食べ終わったラオさんは今日も魔力マシマシ飴を食後のデザートで舐めている。
いい加減ラオさんの物を作ろうかと思っていたんだけど、そんなの作るくらいなら売り物を作れ、と言われたので作っていない。
「そもそも、お前は戦闘タイプじゃねぇんだし、少なくとも魔道具を作ってパーティーを支えている、って周りも分かるだろ。周りからなんか言われるとしたら魔道具の恩恵を受け取ってるパーティーメンバーの方なんだから、お前は難しい事を考えず、変なのも作らず、荷物運びしてろよ」
ラオさんがそう言った後にチラッと上に続く階段の方を見た。
ガチャガチャと音を立てながらドーラさんが降りてきた。
そして、まっすぐこちらに来て、近くから椅子を引っ張ってきて、僕たちと一緒に机を囲んだ。
「ダンジョンの話?」
「え? あ、はい」
「ランク上がった?」
「はい」
「そう。じゃあパーティー入れて」
「ちょっと待て」
ドーラさんが淡々と申し込んできたところでラオさんが止めた。
「なんでお前を入れなきゃいけねぇんだよ」
「あなたには守りは向いてない。盾役の私が最適」
「んー、でも僕が行くの『はじめのダンジョン』なんですけど、いいんですか?」
以前、ラオさんがドーラさんを相当の手練れだと言っていた事を思い出した。
入ってもらうのは構わないけど、あんまり稼げそうに思えない。
「問題ない」
「ドーラさんに得とかあるんですか?」
「魔道具師とのつながり」
「なるほど。まあ、いいんじゃないですか?」
「おい!」
「ラオさんも言ってたじゃん。相当の手練れだって。だったら味方になってもらった方がいいんじゃない?」
「どこの誰かもわからねぇ奴をパーティーに入れるのを見過ごせねぇ立場なんだよ、アタシは!」
「誓文を交わしてもいい」
机を力強く叩いて立ち上がったラオさんの方を見る事もなく、ドーラさんはこちらを見ながら落ち着いた声で誓文書と書かれたものを差し出してきた。
詳しい事はよく分かんないけど、以前契約書をしっかり読んだ方がいいとラオさんに言われた時に、合わせて誓文書についても軽く教えてもらった。
契約書よりも効力が強く、誓った内容を破った場合に重い代償を払うものが誓文書らしい。
その内容としては、僕に不利益をもたらす言動を禁止するもの。
その内容をラオさんも見たのか、何も言わずに不機嫌そうに座った。
「これを交わせば解決」
淡々というドーラさんに署名をしたものを返そうとしたら、僕が預かっておくようにと言われた。
何はともあれ、冒険のパーティーが増えたので安全面は強化された。
僕もいろいろ言われないように魔道具師としていろいろ作ろうかな、なんて事を決意していたら不機嫌そうなラオさんが一言。
「変なもの作るんじゃねぇぞ」
ラオさんの言う変なもの、ってどこら辺が基準なんだろう?
そう疑問に思いつつ、自分の泊っている部屋で浮遊台車を作った後は何を作るか考え続けた。
とりあえず、アイテムボックスみたいなのと敵を探知する何かがあると便利なんだけどな。
そんな事を考えていたら閃いた。
必要なものは結構あるけど、問題なく作れそうだ。
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「シズトくん、Fランクの昇格の手続きをするのでドッグタグをください」
「あ、はい」
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「Sランク以外は昇格試験受けるって聞いたんだけど?」
「Fは一定期間依頼を受ける事がそのまま試験なんだよ。続ける事ができるかとか諸々見てるらしいが詳しい事は知らん」
「へー。そういえばラオさんはランクいくつ?」
「B」
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「その言葉遣いやめろって言ったろうが」
上の方の人だった。
護衛されてからずっと敬語を使っていたんだけど、堅苦しいからやめろって言われた。それからは敬語を使わないようにしていたんだけど、やっぱりやめないほうがいいかな、って思ったら嫌な顔をされた。
本心で言ってるのかわかんないなぁ。嘘発見器みたいなのあったら社交辞令かどうかわかるのに。
そんな事を考えていたら閃いた。
ただ、別に今はそこまで必要としていないしいいや。
イザベラさんが戻ってきて、ドッグタグを渡される。
「次の昇格試験までにする事をご説明しますね。Fランクから街の外の仕事を受ける事ができます。その依頼を一定数受けたら昇格試験をしてもらいます」
え、嫌なんだけど。街の外危なさそうじゃん。
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それもそれでなんか人に頼りすぎているあいつマジ寄生虫だわ、とかなんとか言われそう。
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戦いたくない。でも、人に頼りすぎるのも特別扱いも多分何かしらは言われるんだと思う。
そう考えるとやっぱり自分でやるしかないとは思うんだけど、そういうのは遠慮したい。
「なんだ、まだ悩んでんのかよ」
僕よりも早く食べ終わったラオさんは今日も魔力マシマシ飴を食後のデザートで舐めている。
いい加減ラオさんの物を作ろうかと思っていたんだけど、そんなの作るくらいなら売り物を作れ、と言われたので作っていない。
「そもそも、お前は戦闘タイプじゃねぇんだし、少なくとも魔道具を作ってパーティーを支えている、って周りも分かるだろ。周りからなんか言われるとしたら魔道具の恩恵を受け取ってるパーティーメンバーの方なんだから、お前は難しい事を考えず、変なのも作らず、荷物運びしてろよ」
ラオさんがそう言った後にチラッと上に続く階段の方を見た。
ガチャガチャと音を立てながらドーラさんが降りてきた。
そして、まっすぐこちらに来て、近くから椅子を引っ張ってきて、僕たちと一緒に机を囲んだ。
「ダンジョンの話?」
「え? あ、はい」
「ランク上がった?」
「はい」
「そう。じゃあパーティー入れて」
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僕もいろいろ言われないように魔道具師としていろいろ作ろうかな、なんて事を決意していたら不機嫌そうなラオさんが一言。
「変なもの作るんじゃねぇぞ」
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