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戦場のケストア・・・3
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向けられた無数の刃に対して、私は軽く微笑みすら浮かべてしまった。
こんな物で私を倒そうと考えるのだから、知らぬと言う事は本当に恐ろしい事だと改めて感じる。
私は余裕が有り過ぎた為、少し悪戯をしたくなった。
室内に入る音に対して《無音魔法》を発動、更に室内で発せられる音を外部に向けて《拡声魔法》を発動させる。
「改めて、私はガレルを守護するパンドラと申します。
ケストアの国王陛下を助けたいのだけど?」
私はわざとらしく、既に息絶えた国王を助けたいと口にする。
私の発言にバロ・ネトラはゲラゲラと声を上げて笑い出す。
「死んじまった奴をどうやって助けると言うんだ?」
「新たなる王がいなければ、国が崩壊してしまうでしょう? ケストアの為にも、国王陛下は必要な方なのよ」
私は確りと新たな王になろうとするバロ・ネトラを否定する。
発言が気に食わなかったのだろう、顔に怒りの表情が面に出てくるのがわかる。
「無能の王を殺し、ワシが王になる事がこの国で許された未来であり、それが無能な民衆共を導く為の救いなんだよ!」
「思ってたよりも、酷い考え方ね……腐った果実が新鮮な果実すら腐らせるみたいに、貴方が王になれば、全てが腐ってしまうんでしょうね……」
「話など不要だッ! 今すぐにコヤツを八つ裂きにして四肢を削ぎとれ、惨めな姿で国民の前に晒し、逆らう愚か者が、どうなるか教えてやれッ!」
「はぁ、本当に愚かね……私と敵対して勝てると思ってるのかしら?」
「敵を駆逐するのは、当然だろうが、数に勝る武力など存在しない事を教えてくれるわっ!」
私はそこまで話を聞くと
《拡声魔法》と《無音魔法》を解除する。
バロ・ネトラは、この室内の声が外に発信されていた事実を知らない。
そして、知らないまま、朽ちていくのだから……
「敵なら、分かりやすくするまでよ……《#敵感知__ターゲットマッピング#》この瞬間から、私の仲間達は貴方の部下を間違いなく始末していくわ……」
「馬鹿な事を、ワシの部下達がどれ程、この街にいると思う、貴様はこの場で死に、全ては終わるのだよ」
「だから、もういいって、皆、よく我慢したわね。召喚……」
私は我慢させていた三人を呼び出す。
クイーン、ラクネ、ホーネットの三人が私を守る様に姿を現す。
「主様、ご無事で何よりです」
「御館様、なんなりと御命令を!」
「ご主人様、早く遊ばせて~退屈だよ~」
「コラ! ホーネット、アンタは主様に対してなんなんですか! 言葉に気をつけるですよ!」
「は~い。ホーネットは、言葉に気をつけま~す……よし!」
仲良く喋り出す三人に私が笑みを浮かべる最中、その様子に苛立ち。我慢出来なくなった真っ赤な顔のバロ・ネトラの姿は少し面白い。
私は全ての仲間に、念話を発信する。
『"敵感知"を発動したわ、私の力で、皆の目にも敵が赤くオーラ見たいなのを放つようにしてあげたから、即座に駆逐しなさい』
その瞬間、街の至る所で戦闘が開始される。
潜伏していたバロ・ネトラの兵に対して、私の仲間達が攻撃を開始した。
それは、増援要員としていたノー・ルーズ戦騎隊、重装騎士歩兵大隊も同様である。
ノー・ルーズの前には、真っ赤に輝く、古き戦友である王国守備隊の指揮官である、ガドロフの姿があったからだ。
「ガドロフ殿、降伏して頂きたい。 既に裏切りはバレている。今、降伏すれば命だけは助かるように主殿に願い出よう」
突然の言葉にガドロフは、軽く溜め息を吐いてみせる。
「本気で言っているのか、ルーズよ。今ならば、古き友として笑い話と、水に流さなくもないぞ?」
「水に流すか……笑えぬは、ガドロフ殿、今の真実を偽る騎士道にあるまじき発言だ」
「本気か、ルーズよ?」
一瞬の沈黙、それを断ち切る様に先に動いたのは、ガドロフであった。
魔力を一瞬で纏わせ、凄まじい速度に加速させた剣で、ノー・ルーズに斬り掛かる。
それを予測していたかのように、片手の盾で受け流す。
そして、ガドロフは声を上げる。
「ガレルの連中は皆、敵だッ! 剣を構えよッ!」
「……なんの真似だ、ガドロフ殿」
「見てわかるだろ、ルーズよ。これは戦争なのだよ。
情報とは、命に関わるのだ、だから、貴様を生かして帰す訳にはいかなくなったって話だ!」
ガドロフの激しい斬撃を盾で受け流すノー・ルーズ。
「鍛錬を怠っていたんじゃないか、貴様の剣、以前は更に早く凄まじい気迫に充ちていたが……フンッ!」
ガドロフの剣を盾で斜め上に弾いた瞬間、片手でランサーを握りガドロフの首ギリギリに当てる。
「最後だ……戦士として、友として、残念に感じるぞ……ガドロフよ」
「そうだな……ルーズ、最後だから、教えてやるよ。お前は昔から、優しさが過ぎる……
その優しさは命取りになるぞ」
ガドロフの言葉に反応する様に数名の兵士がノー・ルーズに対して、剣を突き立てる。
本来ならば、この時点で勝敗は決していただろう……
しかし、ガドロフは知らなかったのだ、ルーズ達は、ガレルでの戦闘の中で全滅し、その命が一度、喪われた事実を……そして、強大な魔力により蘇生され、今に至る事実、信じられない現実が目の前に存在しているのだと。
「古き戦友として、葬りたかったぞ……残念だ」
そう語るノー・ルーズの瞳からは涙が溢れる。
「本当に甘いな……オレの事は構わんッ! コイツは、ルーズだけは必ず仕留めよッ!」
その瞬間、突き立てられた無数の刃の先から、激しい炎が放たれる。
一瞬でノー・ルーズを包み込むと、激しい炎に身につけていた鎧が吹き飛び花火の様に周囲に散らばる。
そして、更に激しく放たれる炎は大きな火柱の様に天高く燃え上がっていく。
「ルーズ、お前は良い奴だった、良い奴過ぎたんだよ。また、あの世で逢おうぜ……」
「"蟲人武装"……アーマーヘラクレス。そうだな……さらばだ、友よ……」
激しい炎から伸びた鎧を纏ったような腕がガドロフの胸ぐらを掴む。
炎耐性が付与された鎧、誰にも破壊されないと誰もが考える一級品であった。
しかし、圧倒的な力の前に鍛え上げられた鎧は形を変化させる。
「ぐあっ、馬鹿な……」
「本当に馬鹿な奴だ……"ビッグホーンランス"ッ!」
激しい炎が火柱を舞い上がる最中、ノー・ルーズは、新たに与えられた蟲人としての真の姿を現す。
炎すら跳ね返す最強クラスの蟲、アーマーヘラクレスの能力を持ったノー・ルーズに勝てる兵士は居ないだろう。
そんな彼を怒らせたガドロフは、体を貫かれ、火柱の中に引きづりこまれる。
ランスの先端に掲げられたまま、炎は激しく燃え上がっていく。
こんな物で私を倒そうと考えるのだから、知らぬと言う事は本当に恐ろしい事だと改めて感じる。
私は余裕が有り過ぎた為、少し悪戯をしたくなった。
室内に入る音に対して《無音魔法》を発動、更に室内で発せられる音を外部に向けて《拡声魔法》を発動させる。
「改めて、私はガレルを守護するパンドラと申します。
ケストアの国王陛下を助けたいのだけど?」
私はわざとらしく、既に息絶えた国王を助けたいと口にする。
私の発言にバロ・ネトラはゲラゲラと声を上げて笑い出す。
「死んじまった奴をどうやって助けると言うんだ?」
「新たなる王がいなければ、国が崩壊してしまうでしょう? ケストアの為にも、国王陛下は必要な方なのよ」
私は確りと新たな王になろうとするバロ・ネトラを否定する。
発言が気に食わなかったのだろう、顔に怒りの表情が面に出てくるのがわかる。
「無能の王を殺し、ワシが王になる事がこの国で許された未来であり、それが無能な民衆共を導く為の救いなんだよ!」
「思ってたよりも、酷い考え方ね……腐った果実が新鮮な果実すら腐らせるみたいに、貴方が王になれば、全てが腐ってしまうんでしょうね……」
「話など不要だッ! 今すぐにコヤツを八つ裂きにして四肢を削ぎとれ、惨めな姿で国民の前に晒し、逆らう愚か者が、どうなるか教えてやれッ!」
「はぁ、本当に愚かね……私と敵対して勝てると思ってるのかしら?」
「敵を駆逐するのは、当然だろうが、数に勝る武力など存在しない事を教えてくれるわっ!」
私はそこまで話を聞くと
《拡声魔法》と《無音魔法》を解除する。
バロ・ネトラは、この室内の声が外に発信されていた事実を知らない。
そして、知らないまま、朽ちていくのだから……
「敵なら、分かりやすくするまでよ……《#敵感知__ターゲットマッピング#》この瞬間から、私の仲間達は貴方の部下を間違いなく始末していくわ……」
「馬鹿な事を、ワシの部下達がどれ程、この街にいると思う、貴様はこの場で死に、全ては終わるのだよ」
「だから、もういいって、皆、よく我慢したわね。召喚……」
私は我慢させていた三人を呼び出す。
クイーン、ラクネ、ホーネットの三人が私を守る様に姿を現す。
「主様、ご無事で何よりです」
「御館様、なんなりと御命令を!」
「ご主人様、早く遊ばせて~退屈だよ~」
「コラ! ホーネット、アンタは主様に対してなんなんですか! 言葉に気をつけるですよ!」
「は~い。ホーネットは、言葉に気をつけま~す……よし!」
仲良く喋り出す三人に私が笑みを浮かべる最中、その様子に苛立ち。我慢出来なくなった真っ赤な顔のバロ・ネトラの姿は少し面白い。
私は全ての仲間に、念話を発信する。
『"敵感知"を発動したわ、私の力で、皆の目にも敵が赤くオーラ見たいなのを放つようにしてあげたから、即座に駆逐しなさい』
その瞬間、街の至る所で戦闘が開始される。
潜伏していたバロ・ネトラの兵に対して、私の仲間達が攻撃を開始した。
それは、増援要員としていたノー・ルーズ戦騎隊、重装騎士歩兵大隊も同様である。
ノー・ルーズの前には、真っ赤に輝く、古き戦友である王国守備隊の指揮官である、ガドロフの姿があったからだ。
「ガドロフ殿、降伏して頂きたい。 既に裏切りはバレている。今、降伏すれば命だけは助かるように主殿に願い出よう」
突然の言葉にガドロフは、軽く溜め息を吐いてみせる。
「本気で言っているのか、ルーズよ。今ならば、古き友として笑い話と、水に流さなくもないぞ?」
「水に流すか……笑えぬは、ガドロフ殿、今の真実を偽る騎士道にあるまじき発言だ」
「本気か、ルーズよ?」
一瞬の沈黙、それを断ち切る様に先に動いたのは、ガドロフであった。
魔力を一瞬で纏わせ、凄まじい速度に加速させた剣で、ノー・ルーズに斬り掛かる。
それを予測していたかのように、片手の盾で受け流す。
そして、ガドロフは声を上げる。
「ガレルの連中は皆、敵だッ! 剣を構えよッ!」
「……なんの真似だ、ガドロフ殿」
「見てわかるだろ、ルーズよ。これは戦争なのだよ。
情報とは、命に関わるのだ、だから、貴様を生かして帰す訳にはいかなくなったって話だ!」
ガドロフの激しい斬撃を盾で受け流すノー・ルーズ。
「鍛錬を怠っていたんじゃないか、貴様の剣、以前は更に早く凄まじい気迫に充ちていたが……フンッ!」
ガドロフの剣を盾で斜め上に弾いた瞬間、片手でランサーを握りガドロフの首ギリギリに当てる。
「最後だ……戦士として、友として、残念に感じるぞ……ガドロフよ」
「そうだな……ルーズ、最後だから、教えてやるよ。お前は昔から、優しさが過ぎる……
その優しさは命取りになるぞ」
ガドロフの言葉に反応する様に数名の兵士がノー・ルーズに対して、剣を突き立てる。
本来ならば、この時点で勝敗は決していただろう……
しかし、ガドロフは知らなかったのだ、ルーズ達は、ガレルでの戦闘の中で全滅し、その命が一度、喪われた事実を……そして、強大な魔力により蘇生され、今に至る事実、信じられない現実が目の前に存在しているのだと。
「古き戦友として、葬りたかったぞ……残念だ」
そう語るノー・ルーズの瞳からは涙が溢れる。
「本当に甘いな……オレの事は構わんッ! コイツは、ルーズだけは必ず仕留めよッ!」
その瞬間、突き立てられた無数の刃の先から、激しい炎が放たれる。
一瞬でノー・ルーズを包み込むと、激しい炎に身につけていた鎧が吹き飛び花火の様に周囲に散らばる。
そして、更に激しく放たれる炎は大きな火柱の様に天高く燃え上がっていく。
「ルーズ、お前は良い奴だった、良い奴過ぎたんだよ。また、あの世で逢おうぜ……」
「"蟲人武装"……アーマーヘラクレス。そうだな……さらばだ、友よ……」
激しい炎から伸びた鎧を纏ったような腕がガドロフの胸ぐらを掴む。
炎耐性が付与された鎧、誰にも破壊されないと誰もが考える一級品であった。
しかし、圧倒的な力の前に鍛え上げられた鎧は形を変化させる。
「ぐあっ、馬鹿な……」
「本当に馬鹿な奴だ……"ビッグホーンランス"ッ!」
激しい炎が火柱を舞い上がる最中、ノー・ルーズは、新たに与えられた蟲人としての真の姿を現す。
炎すら跳ね返す最強クラスの蟲、アーマーヘラクレスの能力を持ったノー・ルーズに勝てる兵士は居ないだろう。
そんな彼を怒らせたガドロフは、体を貫かれ、火柱の中に引きづりこまれる。
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