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黒い砂漠・・・3
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砂漠に見つかった地下への階段、不思議な話だが、不思議じゃない話。
ダンジョンとは、各階層が、階段や通路などで繋がってはいるが、文字通り繋がっているだけでしかない。
上下の階層との距離や高さ等は、階層と階層の間には関係なくなる。とは言え全てのダンジョンがそうとも言えないのがこの世界の不思議な処だ。
ダンジョンコアの最初の設定により異なるからだ。
最初は知らなかった事だが、各ダンジョンには、ダンジョンコアの最初の設定が存在している。
ダンジョンコアの設定は最初にした者すらいじる事は出来ない。
設定に関しては、階層をリアルにするか、亜空間にするか、朝、昼、晩と時間の流れを作るか否かと言ったような細かい内容も設定できる。
設定を更に細かく行えば、春夏秋冬をダンジョン内部に再現すら出来るのだから、ダンジョンコアの力は凄いとしか言えない。
因みに私に渡されたダンジョン【毒王の庭・ポイズンガーデン】は、各階層が亜空間扱いであり、惑星を消滅させる程の魔力をぶち込んでも、他の階層には影響はない。
まあ、その場合はその階層から繋がりが遮断されて、ただの亜空間になるから、魔力を放った者は出ることは叶わなくなるだろう。
今まさに、三層に現れた地下への階段も無限に下まで下ることができる。
私が色々と考える姿を不安そうに見つめるセイナ。
「あの、私、余計な事言ってしまいましたでしょうか」
「え、あ、ごめんなさいね。砂漠の事もあるけど、地下をどう調べるか考えてたのよね」
「なら、キング様を呼ばれますか?」
「そうね、念話よりも、その方がいいわね。なら、キングを呼んできて頂戴」
「はい。直ぐに呼んできますね」
嬉しそうに駆けていくセイナ。
それから直ぐに、キングとセイナが戻ってくる。
「どうしたんだ? 嬢ちゃん、なんか問題か?」
キングは、呼ばれた理由を聞いていないのだろう、首を軽く傾げているのがわかる。
「わるいわね、キング。それがね、あのヤバい鬼が出てきた穴があるじゃない?」
「ああ、あの穴か? 埋める為の話か?」
「違うのよ、穴の地下を調べようと思ってね」
私の言葉に、軽く悩むような仕草をするキング。
「わざわざ、穴をしらべるのか? 変わった奴だな」
「違うのよ、人工的な階段があるらしいのよね」
「人工的? 俺には分からない話だな、ガマ爺さんに聞いたら分かるんじゃねぇか?」
「ガマ爺か、確かになんか知ってるかも知れないわね」
「なら、先ずは砂漠を早く潰すぞ。嬢ちゃんが止まってる間も皆、しっかり動いてるからな」
両手を組み、軽く笑ってから持ち場に戻っていく。
私は話を一旦切り上げると、キング達と最初の目的通り、黒い砂漠を先に片付ける事に力を入れる。
半日程を掛けて、黒い砂漠は一粒の砂を残す事無く、綺麗な砂にする事に成功する。
作業が終了すると、流石に全員ヘトヘトになっていた。
地下への調査を明日にする事を決め、砂漠の快適化をゴリ押しする為、私は皆に休憩するように指示を出して作業に入る。
快適化の為に必要な物は、やはりオアシスだろう。
まあ、オアシスを作ると言うよりは、先ずは水が必要になる。
水源はセーレの住処でもある巨大湖と試練の神殿内部の水路から引っ張り、繋いで水路を作ろうと考えている。
私は砂漠に水路用の窪みを生み出すと砂に水が全て吸われないように、水路用にブロックを作り出し、敷き詰めていく。
自然な水路のようにしたかったが、残念ながら贅沢は言えないので、先ずは形から作る事にする。
簡単に言っては見たが、かなりの重労働だわ。
まあ、休憩中の皆にバレないように巨大湖側から作業に入る。
湖側の見た目を壊さないように、地中に魔力を流し込み、水を通す為の水路を地中に作り出していく。
目に見えない場所の為、久々に"地図作成"を利用してしっかりと水路のサイズや方角を合わせていく。
建築の知識は無いけど、私なりに頑張ったわ。
湖からある程度の距離が取れたら、水を一旦貯める為の貯水池を作り出していく。
小さいと無意味になるのである程度のサイズを用意して、見た目重視で美しい貯水池が完成する。
そこから、最初の水路より細くした水路を砂漠に向けて伸ばしていく。
この際、ブロックの隙間も確りと埋めていく。
そうしないと砂漠に水が吸われてしまうと、意味がないからだ。
この作業が本当に大変だったわ、液体は簡単に漏れ出すじゃない? だから、作ったその場から確りと確かめて進めて行く。
数時間が過ぎようとしている時、砂漠の方が騒がしい事に気づく。
「パンドラ様ーーー!」
「主様、どこですかー! 直ぐに見つけますですよーーー!」
「ご主人様~ヤダよ~ご主人様~何処!」
明らかに私を探してるわね……あ、なんも言ってなかったわね……やっちゃったなぁ。
私は無言でバレないように作業を開始して、仕込も時間を忘れてたわ……
「あはは、皆ごめんなさいね」
私は皆に謝りながら、皆の元に戻る。
その後で私はクイーン、ジャバ達に凄く叱られる結果になったわ。
頑張ったのに、悲しい結果になったわ。
その後は皆と砂漠にゴブリン軍団が臨時のテントを作ってくれたわ。
なので、"異世界料理人"を発動させて、大量の食材を生み出し、砂漠でバーベキュー大会を行う。
久々に行う夜のバーベキュー、網も確り作り出してあるし、ブロックでバーベキュー台もバッチリだわ。
夜空に照らされながら、煙をあげるバーベキュー、最高ね。
ついでに、飲み物も色々用意して見たわ。
最高に頑張った御褒美ならやっぱりこれくらいは必要よね。
砂漠の夜は賑やかに過ぎていく。笑顔や歌が聞こえ、皆が踊り出す。
素敵な気持ちで終わりを迎える。
この日、私のダンジョンから呪われた砂漠が無くなったのだ。
ダンジョンとは、各階層が、階段や通路などで繋がってはいるが、文字通り繋がっているだけでしかない。
上下の階層との距離や高さ等は、階層と階層の間には関係なくなる。とは言え全てのダンジョンがそうとも言えないのがこの世界の不思議な処だ。
ダンジョンコアの最初の設定により異なるからだ。
最初は知らなかった事だが、各ダンジョンには、ダンジョンコアの最初の設定が存在している。
ダンジョンコアの設定は最初にした者すらいじる事は出来ない。
設定に関しては、階層をリアルにするか、亜空間にするか、朝、昼、晩と時間の流れを作るか否かと言ったような細かい内容も設定できる。
設定を更に細かく行えば、春夏秋冬をダンジョン内部に再現すら出来るのだから、ダンジョンコアの力は凄いとしか言えない。
因みに私に渡されたダンジョン【毒王の庭・ポイズンガーデン】は、各階層が亜空間扱いであり、惑星を消滅させる程の魔力をぶち込んでも、他の階層には影響はない。
まあ、その場合はその階層から繋がりが遮断されて、ただの亜空間になるから、魔力を放った者は出ることは叶わなくなるだろう。
今まさに、三層に現れた地下への階段も無限に下まで下ることができる。
私が色々と考える姿を不安そうに見つめるセイナ。
「あの、私、余計な事言ってしまいましたでしょうか」
「え、あ、ごめんなさいね。砂漠の事もあるけど、地下をどう調べるか考えてたのよね」
「なら、キング様を呼ばれますか?」
「そうね、念話よりも、その方がいいわね。なら、キングを呼んできて頂戴」
「はい。直ぐに呼んできますね」
嬉しそうに駆けていくセイナ。
それから直ぐに、キングとセイナが戻ってくる。
「どうしたんだ? 嬢ちゃん、なんか問題か?」
キングは、呼ばれた理由を聞いていないのだろう、首を軽く傾げているのがわかる。
「わるいわね、キング。それがね、あのヤバい鬼が出てきた穴があるじゃない?」
「ああ、あの穴か? 埋める為の話か?」
「違うのよ、穴の地下を調べようと思ってね」
私の言葉に、軽く悩むような仕草をするキング。
「わざわざ、穴をしらべるのか? 変わった奴だな」
「違うのよ、人工的な階段があるらしいのよね」
「人工的? 俺には分からない話だな、ガマ爺さんに聞いたら分かるんじゃねぇか?」
「ガマ爺か、確かになんか知ってるかも知れないわね」
「なら、先ずは砂漠を早く潰すぞ。嬢ちゃんが止まってる間も皆、しっかり動いてるからな」
両手を組み、軽く笑ってから持ち場に戻っていく。
私は話を一旦切り上げると、キング達と最初の目的通り、黒い砂漠を先に片付ける事に力を入れる。
半日程を掛けて、黒い砂漠は一粒の砂を残す事無く、綺麗な砂にする事に成功する。
作業が終了すると、流石に全員ヘトヘトになっていた。
地下への調査を明日にする事を決め、砂漠の快適化をゴリ押しする為、私は皆に休憩するように指示を出して作業に入る。
快適化の為に必要な物は、やはりオアシスだろう。
まあ、オアシスを作ると言うよりは、先ずは水が必要になる。
水源はセーレの住処でもある巨大湖と試練の神殿内部の水路から引っ張り、繋いで水路を作ろうと考えている。
私は砂漠に水路用の窪みを生み出すと砂に水が全て吸われないように、水路用にブロックを作り出し、敷き詰めていく。
自然な水路のようにしたかったが、残念ながら贅沢は言えないので、先ずは形から作る事にする。
簡単に言っては見たが、かなりの重労働だわ。
まあ、休憩中の皆にバレないように巨大湖側から作業に入る。
湖側の見た目を壊さないように、地中に魔力を流し込み、水を通す為の水路を地中に作り出していく。
目に見えない場所の為、久々に"地図作成"を利用してしっかりと水路のサイズや方角を合わせていく。
建築の知識は無いけど、私なりに頑張ったわ。
湖からある程度の距離が取れたら、水を一旦貯める為の貯水池を作り出していく。
小さいと無意味になるのである程度のサイズを用意して、見た目重視で美しい貯水池が完成する。
そこから、最初の水路より細くした水路を砂漠に向けて伸ばしていく。
この際、ブロックの隙間も確りと埋めていく。
そうしないと砂漠に水が吸われてしまうと、意味がないからだ。
この作業が本当に大変だったわ、液体は簡単に漏れ出すじゃない? だから、作ったその場から確りと確かめて進めて行く。
数時間が過ぎようとしている時、砂漠の方が騒がしい事に気づく。
「パンドラ様ーーー!」
「主様、どこですかー! 直ぐに見つけますですよーーー!」
「ご主人様~ヤダよ~ご主人様~何処!」
明らかに私を探してるわね……あ、なんも言ってなかったわね……やっちゃったなぁ。
私は無言でバレないように作業を開始して、仕込も時間を忘れてたわ……
「あはは、皆ごめんなさいね」
私は皆に謝りながら、皆の元に戻る。
その後で私はクイーン、ジャバ達に凄く叱られる結果になったわ。
頑張ったのに、悲しい結果になったわ。
その後は皆と砂漠にゴブリン軍団が臨時のテントを作ってくれたわ。
なので、"異世界料理人"を発動させて、大量の食材を生み出し、砂漠でバーベキュー大会を行う。
久々に行う夜のバーベキュー、網も確り作り出してあるし、ブロックでバーベキュー台もバッチリだわ。
夜空に照らされながら、煙をあげるバーベキュー、最高ね。
ついでに、飲み物も色々用意して見たわ。
最高に頑張った御褒美ならやっぱりこれくらいは必要よね。
砂漠の夜は賑やかに過ぎていく。笑顔や歌が聞こえ、皆が踊り出す。
素敵な気持ちで終わりを迎える。
この日、私のダンジョンから呪われた砂漠が無くなったのだ。
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