63 / 118
黒い砂漠・・・1
しおりを挟む
地下水路ダンジョン攻略の後、意識を失った私が次に目覚めたのは、森に設置していた【毒王の庭・ポイズンガーデン】内部にある自身の城であった。
記憶が曖昧な状態だ。
「此処は私の城、よね? あの後、なにが?」
私は軽く悩むも意識が無くなった後の事はやはり分からない。
軽く混乱する最中に、クイーンが扉を開き、私の部屋に入ってくる。
「失礼しますです。あ! 主様ァァァッ!」
凄い勢いで泣きながら、抱きつくクイーンの姿に私は驚きながら、軽く頭を撫でる。
「心配かけちゃったみたいね、ごめんね。よしよし、私は大丈夫よ」
頭を軽く撫でながら、クイーンを慰めるように優しく語る。
クイーンの声を聞いて、次々に皆が集まり出すと、あっという間に部屋がいっぱいになっていく。
私はどれくらい意識を失っていたのかを質問する。
質問に関しては、冷静なジャバが返答してくれた。
先ず、眠って居たのは1日程度だ。
地下水路で意識を失ってから、日が暮れて夜になるのを待ち、ガレルの町から脱出したそうだ。
脱出の際は、レイコの能力で認識阻害を発動して移動したらしい。
朝だと範囲が陽の光で弱まる為、本来の力が発動できる夜に脱出を行う事になったとの事だ。
因みに、それでも違和感は存在するだろうが、ミストが大量の霧を作り出してくれたおかげで、脱出は完璧な物になったと言える。
大人数の為、かなり苦労をかけてしまった事実に申し訳なさを感じる。
そんな私ね周りには見慣れない種族の者がいる事に気づく。
真っ白い肌に、黒い線のような痣が白い服の下から顔、いや、全体の半分に広がって模様のようになっている。
頭部からは青い髪が生えており、片方には小さな角が二本生えている見た目から女性だと分かる。
「アナタは?」
私の視線と問に慌てて、口を開く。
「あ、あの、私です。セイナです」
「え! セイナなの」
「は、はい。実はですね……」
私が意識を失った一瞬、安定していたダンジョンの魔力が溢れるギリギリまで高まった。
その瞬間、セイナ達の体に膨大な魔力が流し込まれ、体が変化したのだと言われる。
「他の皆は、無事なの!」
セイナを含む人族の心配をすると、セイナは軽く微笑む。
「全員無事ですよ。それに体力や魔力は以前とは比べ物にならないくらい上がってますし。ご心配有難うございます」
皮肉な物で、今回のダンジョン病が切っ掛けになり、セイナ達は独自の進化をしていた。
結果を見れば、素晴らしい変化だが、実際に流れを考えれば、かなり危うかった事は言うまでもないだろう。
セイナを含めた人族全員が、オリジナルのユニークモンスターと言う扱いになっている。
・名前 セイナ
・性別 メス
・種族 パンドラデーモン(ユニーク)
・職業 未定
・耐性 主、パンドラ固有耐性取得
・スキル 主、パンドラ、固定スキル使用可能
・説明 パンドラデーモン。ダンジョンマスターパンドラの魔力により変化した亜種。
使えるスキル、耐性は、ダンジョンマスターの力により変化する。
魔力量は個体により左右される。
ダンジョンマスターが変わった場合は、固有名、並びに能力の変化あり。
正直、びっくりしたわ、つまり、セイナ達は私の力により変化したと、更にスキルや耐性はとりあえず同じなのね。
「とりあえず、セイナ達は完全に人間辞めさせられちゃった訳ね。なんかごめんなさいね」
「いえ、パンドラ様、私を含め、名無しと言う扱いにされた日から、人としての道は絶たれたと考えています。パンドラ様と会えて幸せです」
改めて、セイナ達の忠義を感じる事になったわね。
そこからは、1日寝ていた事もあり、少し体を動かす事にする。
気絶した理由が分からないのが問題だ。魔力は十分だった事実、ダンジョンコアも上手く重ねられた事実、どれも原因に成り得る物がなかった。
考えながら、私は皆を連れて城の外に移動する。
外に出てすぐ、女神からの声が届く。
『バブちゃァァァん、大丈夫だった? いきなりの、おネムだから心配したわよ。でも、元気そうね、ふふふ』
『この前は済まなかったわね。心配ありがとうだわ。あ、そうだわ、この前、なんで私が意識を失ったか分からないのよね、なんか分かるかしら?』
『わかるわよ? 知りたいなら教えてあげるわよ』
あっそりと分かると言われ、正直助かった。
今回ばかりは、私も理由が気になって仕方なかったもの。
教えて貰った原因は、シンプルな物だった。
ダンジョンコアを重ねた際に、三層に存在する呪われた黒い砂漠がその呪いを発動させたと言われた。
理由だけは聞けば簡単だった。しかし、根本的な解決にはならない。
次のやるべき事が見えてきた気がする。
私が女神との話が終わると、直ぐに三層へと向かう。
「皆、悪いけど大掃除しないといけないの、力を貸して頂戴」
「「「はい!」」」
全階層の住人達を三層に集結させる。
全ての階層から数百のモンスターが集まると、一気に三層の黒い砂漠へ向かう。
黒い砂漠は、異様にして、禍々しい雰囲気を放っており、私は黒い砂漠と呪われた砂を前に覚悟を決める。
「今から! 【毒王の庭・ポイズンガーデン】を呪いから解き放つ! 砂漠に支配されたモンスターは、意志の無き敵だ! 情けを掛ければ、自身が餌になると思えッ! いいわね」
記憶が曖昧な状態だ。
「此処は私の城、よね? あの後、なにが?」
私は軽く悩むも意識が無くなった後の事はやはり分からない。
軽く混乱する最中に、クイーンが扉を開き、私の部屋に入ってくる。
「失礼しますです。あ! 主様ァァァッ!」
凄い勢いで泣きながら、抱きつくクイーンの姿に私は驚きながら、軽く頭を撫でる。
「心配かけちゃったみたいね、ごめんね。よしよし、私は大丈夫よ」
頭を軽く撫でながら、クイーンを慰めるように優しく語る。
クイーンの声を聞いて、次々に皆が集まり出すと、あっという間に部屋がいっぱいになっていく。
私はどれくらい意識を失っていたのかを質問する。
質問に関しては、冷静なジャバが返答してくれた。
先ず、眠って居たのは1日程度だ。
地下水路で意識を失ってから、日が暮れて夜になるのを待ち、ガレルの町から脱出したそうだ。
脱出の際は、レイコの能力で認識阻害を発動して移動したらしい。
朝だと範囲が陽の光で弱まる為、本来の力が発動できる夜に脱出を行う事になったとの事だ。
因みに、それでも違和感は存在するだろうが、ミストが大量の霧を作り出してくれたおかげで、脱出は完璧な物になったと言える。
大人数の為、かなり苦労をかけてしまった事実に申し訳なさを感じる。
そんな私ね周りには見慣れない種族の者がいる事に気づく。
真っ白い肌に、黒い線のような痣が白い服の下から顔、いや、全体の半分に広がって模様のようになっている。
頭部からは青い髪が生えており、片方には小さな角が二本生えている見た目から女性だと分かる。
「アナタは?」
私の視線と問に慌てて、口を開く。
「あ、あの、私です。セイナです」
「え! セイナなの」
「は、はい。実はですね……」
私が意識を失った一瞬、安定していたダンジョンの魔力が溢れるギリギリまで高まった。
その瞬間、セイナ達の体に膨大な魔力が流し込まれ、体が変化したのだと言われる。
「他の皆は、無事なの!」
セイナを含む人族の心配をすると、セイナは軽く微笑む。
「全員無事ですよ。それに体力や魔力は以前とは比べ物にならないくらい上がってますし。ご心配有難うございます」
皮肉な物で、今回のダンジョン病が切っ掛けになり、セイナ達は独自の進化をしていた。
結果を見れば、素晴らしい変化だが、実際に流れを考えれば、かなり危うかった事は言うまでもないだろう。
セイナを含めた人族全員が、オリジナルのユニークモンスターと言う扱いになっている。
・名前 セイナ
・性別 メス
・種族 パンドラデーモン(ユニーク)
・職業 未定
・耐性 主、パンドラ固有耐性取得
・スキル 主、パンドラ、固定スキル使用可能
・説明 パンドラデーモン。ダンジョンマスターパンドラの魔力により変化した亜種。
使えるスキル、耐性は、ダンジョンマスターの力により変化する。
魔力量は個体により左右される。
ダンジョンマスターが変わった場合は、固有名、並びに能力の変化あり。
正直、びっくりしたわ、つまり、セイナ達は私の力により変化したと、更にスキルや耐性はとりあえず同じなのね。
「とりあえず、セイナ達は完全に人間辞めさせられちゃった訳ね。なんかごめんなさいね」
「いえ、パンドラ様、私を含め、名無しと言う扱いにされた日から、人としての道は絶たれたと考えています。パンドラ様と会えて幸せです」
改めて、セイナ達の忠義を感じる事になったわね。
そこからは、1日寝ていた事もあり、少し体を動かす事にする。
気絶した理由が分からないのが問題だ。魔力は十分だった事実、ダンジョンコアも上手く重ねられた事実、どれも原因に成り得る物がなかった。
考えながら、私は皆を連れて城の外に移動する。
外に出てすぐ、女神からの声が届く。
『バブちゃァァァん、大丈夫だった? いきなりの、おネムだから心配したわよ。でも、元気そうね、ふふふ』
『この前は済まなかったわね。心配ありがとうだわ。あ、そうだわ、この前、なんで私が意識を失ったか分からないのよね、なんか分かるかしら?』
『わかるわよ? 知りたいなら教えてあげるわよ』
あっそりと分かると言われ、正直助かった。
今回ばかりは、私も理由が気になって仕方なかったもの。
教えて貰った原因は、シンプルな物だった。
ダンジョンコアを重ねた際に、三層に存在する呪われた黒い砂漠がその呪いを発動させたと言われた。
理由だけは聞けば簡単だった。しかし、根本的な解決にはならない。
次のやるべき事が見えてきた気がする。
私が女神との話が終わると、直ぐに三層へと向かう。
「皆、悪いけど大掃除しないといけないの、力を貸して頂戴」
「「「はい!」」」
全階層の住人達を三層に集結させる。
全ての階層から数百のモンスターが集まると、一気に三層の黒い砂漠へ向かう。
黒い砂漠は、異様にして、禍々しい雰囲気を放っており、私は黒い砂漠と呪われた砂を前に覚悟を決める。
「今から! 【毒王の庭・ポイズンガーデン】を呪いから解き放つ! 砂漠に支配されたモンスターは、意志の無き敵だ! 情けを掛ければ、自身が餌になると思えッ! いいわね」
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる