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とりあえず、寝てなさい!・・・2
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ダンジョン【屍人の楽園】名前から察するにアンデッドタイプやゴーストタイプが主なモンスターだと予想している。
基本物理攻撃を得意とするラクネやホーネットからすると、厄介な相手になるかもしれないわね。
キングのゴブリン軍団も今回は苦戦するかもしれないわね。
幾つかの予想が頭の中で想像されていく。
しかし、入らなければ、何も始まらないのも事実だ。
「相変わらず、不気味な光ね……ダンジョンって、どれもこんな感じなのかしら」
私の呟きに、頭の上から返答が返される。
「ダンジョンなんちゅうのは、マスターが居れば、落ち着くもんじゃい。
これ程にオーラが飛び出しちょるっちゅうのは、不安定の証じゃい」
つまりは、暴走しかけな感じなのね、ガレルの町の地下にこんな危ない物があるなんて、本当にとんでもない町ね。
「どうするんじゃ? ちびマスよ、このまま放置しても、儂らには、問題ないとは思うがのぅ?」
「冗談、せっかくゴミ掃除してあげたのよ? 最後までやりきらないと消化不良になっちゃうわ」
「ほんに、変わりモンじゃのぅ、まぁそれが、ちびマスの考えなら儂らは従うだけじゃけぇのぅ」
ガマ爺は、改めて座り直すと軽く頷く。
ダンジョンの入口には、西洋風の黒く錆まみれの門があり、軽く触れると簡単に壊れる程、風化している。
ベラムは、ダンジョンの存在を知っていたが、内部を調べたたりはしなかったのだろう。
理由は分からないが、今現在の状況がそれを物語っていると思う。
ダンジョン【屍人の楽園】内部へと入って行く。
ダンジョン内部は薄暗く、地下水路の中であるにも関わらず、月を思わせる丸い光が天井に浮かんでいる。
地面は僅かに湿っており、無数の石が配列を組むように並べられている。
明らかな墓場を思わさする作りに私は、懐かしいホラー映画を思い出していた。
噛まれたら、ゾンビになるやつだ、流石に噛まれて感染するような事はないだろうと願いたい。
その考えを調べるチャンスは直ぐにやってくる。
私達の目の前に突如、空間に黒い渦が出現する。
その場に止まると、黒い渦が裂かれるように内側から亀裂が入り、巨大な鎌を手にした黒いローブを纏った骸骨が姿を現す。
「肉体のある者よ……立ち去れ……此処は肉体のある者が居ていい場所ではない」
ダンジョンの忠告? つまり先に進まなければ、生きて返すって意味かしら?
まぁ帰る気は無いけどね。
「はっきり言うわよ! 私達は進むわ!」
私の発言に、骸骨が身を震わす。
「忠告はしたぞ。思い上がりし者よ……屍人の楽園の住人になるがよい……我が名はヘルリーパー、この階層を任されし魂を狩るものだ!」
ヘルリーパーが両手を広げ、黒いオーラが全身から放たれると、墓石から次々にアンデッド達が姿を現す。
「面白いじゃない! アンタの手下と私の仲間、どっちが有能か教えてあげるわ! 行くわよ」
単純にホラー映画ね。でも面白いわね、本当に映画がの主人公になった気分だわ。
数百人のアンデッドを前に最初に動いたのはラクネであった。
「御館様の御前ッ! 全力で殺らせて頂きますッ!」
ラクネの両手が紫色の魔力に包まれ、それが絹の糸となり、両手から一気に伸ばされる。
ラクネが瞬足で駆け出すと同時に、墓石ごと、アンデッド達を切り裂いていく。
「手応えが無さすぎる……何故か、残念です」
一緒の出来事に、ヘルリーパーの動きが止まると、その隙をついて、キングがヘルリーパーに戦斧を斬りつける。
「余所見とは、余裕だな!」
「ぬわああああ!」
キングの一撃が、ヘルリーパーを地面に叩きつけると同時に鎌を握っていた腕が吹き飛ぶ。
「くそ、こんな敗北があるとは……だが、永き日々に終わりが来る日が来るとはな」
死を受け入れるヘルリーパーの姿に私は少し同情すら感じる。
「アンタさ? 諦めれの早くない、凄く詰まらないんだけど、それにさ? 協力するなら消さないであげるわよ?」
「情けなど不要だ、死を経験するのは悪くない」
話が進まないわね? まぁいいわ。
「とりあえず、アンタは負けたんだから、死ぬのなんの言ってないで、敗北を認めて黙って、とりあえず、寝てなさい!」
「とりあえず、寝ていろか……本当に不思議な奴だな……ならば、一つ忠告だ。最下層には、マスターになろうとしている奴がいる。気をつけろ」
「待ってなさい! アンタとは後でもう少し話したいからさ」
ヘルリーパーは不思議そうにキョトンとしている。
この階層での戦闘はアッサリと終了する。
ヘルリーパーの案内で二階層へと降りる階段に辿り着き、私達はそのまま、下に降りていく。
二階層への階段へと移動するまでの間、ヘルリーパーから、このダンジョンが5階まである事が分かった。
各階層には、やはり階層主が存在しているらしいので、注意もされた。
ただ、負ける気しないのよね? 油断大敵なんて言葉もあるけど、長い物には巻かれろって感じに一方的なお仕置きタイムにしてあげるわ。
基本物理攻撃を得意とするラクネやホーネットからすると、厄介な相手になるかもしれないわね。
キングのゴブリン軍団も今回は苦戦するかもしれないわね。
幾つかの予想が頭の中で想像されていく。
しかし、入らなければ、何も始まらないのも事実だ。
「相変わらず、不気味な光ね……ダンジョンって、どれもこんな感じなのかしら」
私の呟きに、頭の上から返答が返される。
「ダンジョンなんちゅうのは、マスターが居れば、落ち着くもんじゃい。
これ程にオーラが飛び出しちょるっちゅうのは、不安定の証じゃい」
つまりは、暴走しかけな感じなのね、ガレルの町の地下にこんな危ない物があるなんて、本当にとんでもない町ね。
「どうするんじゃ? ちびマスよ、このまま放置しても、儂らには、問題ないとは思うがのぅ?」
「冗談、せっかくゴミ掃除してあげたのよ? 最後までやりきらないと消化不良になっちゃうわ」
「ほんに、変わりモンじゃのぅ、まぁそれが、ちびマスの考えなら儂らは従うだけじゃけぇのぅ」
ガマ爺は、改めて座り直すと軽く頷く。
ダンジョンの入口には、西洋風の黒く錆まみれの門があり、軽く触れると簡単に壊れる程、風化している。
ベラムは、ダンジョンの存在を知っていたが、内部を調べたたりはしなかったのだろう。
理由は分からないが、今現在の状況がそれを物語っていると思う。
ダンジョン【屍人の楽園】内部へと入って行く。
ダンジョン内部は薄暗く、地下水路の中であるにも関わらず、月を思わせる丸い光が天井に浮かんでいる。
地面は僅かに湿っており、無数の石が配列を組むように並べられている。
明らかな墓場を思わさする作りに私は、懐かしいホラー映画を思い出していた。
噛まれたら、ゾンビになるやつだ、流石に噛まれて感染するような事はないだろうと願いたい。
その考えを調べるチャンスは直ぐにやってくる。
私達の目の前に突如、空間に黒い渦が出現する。
その場に止まると、黒い渦が裂かれるように内側から亀裂が入り、巨大な鎌を手にした黒いローブを纏った骸骨が姿を現す。
「肉体のある者よ……立ち去れ……此処は肉体のある者が居ていい場所ではない」
ダンジョンの忠告? つまり先に進まなければ、生きて返すって意味かしら?
まぁ帰る気は無いけどね。
「はっきり言うわよ! 私達は進むわ!」
私の発言に、骸骨が身を震わす。
「忠告はしたぞ。思い上がりし者よ……屍人の楽園の住人になるがよい……我が名はヘルリーパー、この階層を任されし魂を狩るものだ!」
ヘルリーパーが両手を広げ、黒いオーラが全身から放たれると、墓石から次々にアンデッド達が姿を現す。
「面白いじゃない! アンタの手下と私の仲間、どっちが有能か教えてあげるわ! 行くわよ」
単純にホラー映画ね。でも面白いわね、本当に映画がの主人公になった気分だわ。
数百人のアンデッドを前に最初に動いたのはラクネであった。
「御館様の御前ッ! 全力で殺らせて頂きますッ!」
ラクネの両手が紫色の魔力に包まれ、それが絹の糸となり、両手から一気に伸ばされる。
ラクネが瞬足で駆け出すと同時に、墓石ごと、アンデッド達を切り裂いていく。
「手応えが無さすぎる……何故か、残念です」
一緒の出来事に、ヘルリーパーの動きが止まると、その隙をついて、キングがヘルリーパーに戦斧を斬りつける。
「余所見とは、余裕だな!」
「ぬわああああ!」
キングの一撃が、ヘルリーパーを地面に叩きつけると同時に鎌を握っていた腕が吹き飛ぶ。
「くそ、こんな敗北があるとは……だが、永き日々に終わりが来る日が来るとはな」
死を受け入れるヘルリーパーの姿に私は少し同情すら感じる。
「アンタさ? 諦めれの早くない、凄く詰まらないんだけど、それにさ? 協力するなら消さないであげるわよ?」
「情けなど不要だ、死を経験するのは悪くない」
話が進まないわね? まぁいいわ。
「とりあえず、アンタは負けたんだから、死ぬのなんの言ってないで、敗北を認めて黙って、とりあえず、寝てなさい!」
「とりあえず、寝ていろか……本当に不思議な奴だな……ならば、一つ忠告だ。最下層には、マスターになろうとしている奴がいる。気をつけろ」
「待ってなさい! アンタとは後でもう少し話したいからさ」
ヘルリーパーは不思議そうにキョトンとしている。
この階層での戦闘はアッサリと終了する。
ヘルリーパーの案内で二階層へと降りる階段に辿り着き、私達はそのまま、下に降りていく。
二階層への階段へと移動するまでの間、ヘルリーパーから、このダンジョンが5階まである事が分かった。
各階層には、やはり階層主が存在しているらしいので、注意もされた。
ただ、負ける気しないのよね? 油断大敵なんて言葉もあるけど、長い物には巻かれろって感じに一方的なお仕置きタイムにしてあげるわ。
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