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ケストア王国・・・3
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私は、水路を進みながら、ケストア王国の動きと、ギルドマスターのチャルドの動きについて考える。
チャルドが地下水路にあるダンジョンの存在を知っていたのはベラムとの接点が存在したからだ。なら、ケストア王国はどうなのだろうか?
ギルドマスターであるチャルドは、お世辞にも賢いマスターとは言えないし、人望も存在しないだろう、そんな奴を庇う手下もいないであろう。
そう考えたならば、ケストア王国騎士団は私が思うよりも早く地下水路へと辿り着くだろうと考える。
冒険者ギルドに監視用の虫を配置していなかった事実が悔やまれる。
地上の動きを今更、騒いでも仕方ないだろうが、ケストア王国騎士団を軽視してたかもしれない自分自身の甘さを反省する。
その為、地下水路の内部には、ホーネットの操る虫を大量に飛ばし、動く人間に対して報告が来るようにしている。
ホーネットは、既にクイーンとジャバの位置を把握しており、私達は合流する為、ホーネットの案内で地下水路を移動している。
クイーンとジャバは既に、チャルドの部下と、ぶつかっているみたいで、地下水路の至る所に戦闘の残骸が微かに残されてるわね。
残さず食べる様にいったのに、しょうがないわね。
ただ、順調みたいで安心したわ。
私達が地下水路に潜ってから、二時間程が過ぎる。
チャルドの部下と戦闘を終了したばかりのクイーン、ジャバと合流する。
先行していたクイーンとジャバは、見張りであろう、チャルドの部下を数名始末していた。
チャルドの部下が配置されてた位置が気になり、私は一度、位置の確認を行う。
配置されていた位置の先には、全て、巨大な水路の入口が存在している。
水路から直進すれば、合流できる位置ばかりであり、私はその意味を改めて考える。
「チャルドに、地上から合流するギルド員が居るとは思えないし、冒険者が助けに来るとも考えるづらいわね? 誰かを待ってたか、接近に対する警戒……どちらかしら」
接近に対する警戒なら、見張りを一人づつ配置するのは、軽率だろう。少なくとも、二人は必要になる。
人数が少ないチャルドがわざわざ、見張りを残す理由は、多分、増援が見込めるからだろう。
その増援が、誰なのかが問題だ。
チャルドは、わざわざ、地下水路に移動している、つまり、向かう先はダンジョンで間違いないだろう。
戦闘員を考えても、チャルドの部下達だけで攻略は現実的じゃないのだから。
「ご主人様~水路の入口から、兵隊が沢山来てるよ~」
ホーネットが見張りの居た水路入口の先を指さしながら微笑む。
兵隊と言うのだから、ケストア王国騎士団だろう、予想してたより早いわね。
「話相手が、来たみたいね。出迎えは、一人だったわね」
私は全員に身を隠すように伝え、クイーンにはスライム状態で私の上着に擬態状態で装備として着る。
頭にはガマ爺を呼び出して待機してもらい、此方に向かってくる兵隊達を出迎える。
次第に足音が近づいて来る。数十人の足音が水路に響き渡り、ランタンの光が水路の闇を照らしていく。
相手が私の存在に気づくと、先頭を歩く数名が私に対して、威嚇を含めて剣を構える。
「チャルド殿の配下の者か!」
隠す気は無しか? 違ってたら、消せばいいくらいの考えなのかしら、少しお粗末な思考ね。
相手の数は30人くらいかしら、まだ待機部隊がいると考えると、タイミングが難しいわね。
質問に対しては、当然だが、嘘をつく。
「ええ、私はチャルド側よ。案内をします」
私の発言に指揮官を思わせる男が前にでる。
「私はケストア王国騎士団、中隊長のエルドである。
チャルド殿は無事か? 貴様等が無能なせいで、伯父上に何かあれば、貴様等の家族を含めた命程度では許されぬ大罪だからな」
あら、クズ発言ね? 類は友を呼ぶとか言うけど、この場合は、クズの血はクズって感じね。
「御自身の目で確かめて頂けるのが、一番かと、思われますわ」
「ふん、気に食わん女だ! 伯父上の部下でなければ、今すぐにでも、その首を叩き切ってやるのにな」
「それは、残念でしたわね、さぁ向かいましょうか」
軽く会釈を済ませると、私は水路を歩き出す。それと同時に、念話を飛ばす。
『後ろから、バレないように……ゆっくり狩りなさい。慌てなくていいわ』
簡単な指示を出すと、ゆっくりと私は移動を開始する。
チャルドは、どんな顔をするのかしら、エルドって言ってた、このお馬鹿さんにも確りと口の聞き方を教えてあげないとね。
ケストア王国の中には、悪い子が沢山いるみたいだし、いつか、王様もお仕置きしないとよね、ふふ。
チャルドが地下水路にあるダンジョンの存在を知っていたのはベラムとの接点が存在したからだ。なら、ケストア王国はどうなのだろうか?
ギルドマスターであるチャルドは、お世辞にも賢いマスターとは言えないし、人望も存在しないだろう、そんな奴を庇う手下もいないであろう。
そう考えたならば、ケストア王国騎士団は私が思うよりも早く地下水路へと辿り着くだろうと考える。
冒険者ギルドに監視用の虫を配置していなかった事実が悔やまれる。
地上の動きを今更、騒いでも仕方ないだろうが、ケストア王国騎士団を軽視してたかもしれない自分自身の甘さを反省する。
その為、地下水路の内部には、ホーネットの操る虫を大量に飛ばし、動く人間に対して報告が来るようにしている。
ホーネットは、既にクイーンとジャバの位置を把握しており、私達は合流する為、ホーネットの案内で地下水路を移動している。
クイーンとジャバは既に、チャルドの部下と、ぶつかっているみたいで、地下水路の至る所に戦闘の残骸が微かに残されてるわね。
残さず食べる様にいったのに、しょうがないわね。
ただ、順調みたいで安心したわ。
私達が地下水路に潜ってから、二時間程が過ぎる。
チャルドの部下と戦闘を終了したばかりのクイーン、ジャバと合流する。
先行していたクイーンとジャバは、見張りであろう、チャルドの部下を数名始末していた。
チャルドの部下が配置されてた位置が気になり、私は一度、位置の確認を行う。
配置されていた位置の先には、全て、巨大な水路の入口が存在している。
水路から直進すれば、合流できる位置ばかりであり、私はその意味を改めて考える。
「チャルドに、地上から合流するギルド員が居るとは思えないし、冒険者が助けに来るとも考えるづらいわね? 誰かを待ってたか、接近に対する警戒……どちらかしら」
接近に対する警戒なら、見張りを一人づつ配置するのは、軽率だろう。少なくとも、二人は必要になる。
人数が少ないチャルドがわざわざ、見張りを残す理由は、多分、増援が見込めるからだろう。
その増援が、誰なのかが問題だ。
チャルドは、わざわざ、地下水路に移動している、つまり、向かう先はダンジョンで間違いないだろう。
戦闘員を考えても、チャルドの部下達だけで攻略は現実的じゃないのだから。
「ご主人様~水路の入口から、兵隊が沢山来てるよ~」
ホーネットが見張りの居た水路入口の先を指さしながら微笑む。
兵隊と言うのだから、ケストア王国騎士団だろう、予想してたより早いわね。
「話相手が、来たみたいね。出迎えは、一人だったわね」
私は全員に身を隠すように伝え、クイーンにはスライム状態で私の上着に擬態状態で装備として着る。
頭にはガマ爺を呼び出して待機してもらい、此方に向かってくる兵隊達を出迎える。
次第に足音が近づいて来る。数十人の足音が水路に響き渡り、ランタンの光が水路の闇を照らしていく。
相手が私の存在に気づくと、先頭を歩く数名が私に対して、威嚇を含めて剣を構える。
「チャルド殿の配下の者か!」
隠す気は無しか? 違ってたら、消せばいいくらいの考えなのかしら、少しお粗末な思考ね。
相手の数は30人くらいかしら、まだ待機部隊がいると考えると、タイミングが難しいわね。
質問に対しては、当然だが、嘘をつく。
「ええ、私はチャルド側よ。案内をします」
私の発言に指揮官を思わせる男が前にでる。
「私はケストア王国騎士団、中隊長のエルドである。
チャルド殿は無事か? 貴様等が無能なせいで、伯父上に何かあれば、貴様等の家族を含めた命程度では許されぬ大罪だからな」
あら、クズ発言ね? 類は友を呼ぶとか言うけど、この場合は、クズの血はクズって感じね。
「御自身の目で確かめて頂けるのが、一番かと、思われますわ」
「ふん、気に食わん女だ! 伯父上の部下でなければ、今すぐにでも、その首を叩き切ってやるのにな」
「それは、残念でしたわね、さぁ向かいましょうか」
軽く会釈を済ませると、私は水路を歩き出す。それと同時に、念話を飛ばす。
『後ろから、バレないように……ゆっくり狩りなさい。慌てなくていいわ』
簡単な指示を出すと、ゆっくりと私は移動を開始する。
チャルドは、どんな顔をするのかしら、エルドって言ってた、このお馬鹿さんにも確りと口の聞き方を教えてあげないとね。
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