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旅立ち・・・1
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ダンジョンマスターになって数日、状況は日々変化していく。
それこそ、昨日までの当たり前が過去になってしまう程だ。
ゴブリンキングだったキングが、ゴブリンロードに、進化し、下位のゴブリンがダンジョンに生まれなくなる代わりに、中級ゴブリンと、上級ゴブリンが生まれるようになっていた。
今まではキングの魔力とダンジョンの魔素を使って生まれていた存在が自然に生まれるようになっていた。
他の者たちも同様に、能力の向上など、多くの変化を迎えていた。
そんな中、私は"スキルマスター"を使い新たなスキルを生み出していた。
作ったスキル
・"スキルコピー"
・"下位スキル贈与"
この二つだ。
スキルコピーは、どんなスキルもコピーすることが可能で、スキルトレードなどで手に入れたスキルを返還しても使い続ける為に作り出した。
下位スキル贈与、名前がイマイチだけど、下位のスキルをどのモンスターにも与えられる、ただし従属している者に限定される為、渡したいからと無条件に渡したりは出来ない。
この二つのスキルを生み出した事で、素晴らしい結果が生まれる事になる。
それは、スキルを持たない下位のモンスターや、格闘や牙、爪などで攻撃するモンスターにも、スキルが渡せると言う事だ。
更に言えば、渡したスキルをスキルトレードを使い、上位スキルや特殊スキルと交換が可能になる。
考えて欲しい、もしも、全てのゴブリン達が火炎魔法や、水魔法を軽々と使うとしたら、これは恐ろしい事だろう。
そんな、危険な事と理解しながらも、やりたくて仕方ない、人の欲求は留まらないし、止まらない。
私もまだ、人らしい部分が存在していたのか、それとも魔物となり欲が溢れ出して止まらなくなっているのか分からない。
だが、正直に言えば後者だろう。
何より、一番の目的であったダンジョン外への移動の為に必要なスキル"擬人化"を全ての物に渡すことができる。
正式には、"擬人化受信"と言うスキルになる、通常の擬人化はかなり魔力を消費しながら行う、その為、上位のガマ爺やクイーン、ラクネ、ホーネット等、魔力が有り余る程の者ならば問題はないだろう。
仕組みはシンプルだ。私が擬人化する為に魔力を渡す、それを受信して、"擬人化"を行う、魔力が乏しい者の為に作ったスキルだ。
そう、私達は今日、ダンジョンの外に踏み出す。
本来なら、ダンジョンの外にダンジョン内のモンスターは出られないように見えない壁がダンジョンの入口に存在している。
しかし、今は私がダンジョンマスターなのだ、ダンジョンのルールその物が私になっているのだから、何も恐れることは無い。
私が一歩を踏み出し、出口を塞ぐ土魔法で作られた壁を粉砕する。
今思えば、両親に捨てられたあの日から、私の運命も動き出していたんだ。
先に外に出た私は、初めて召喚スキルを使用する。
「眷族召喚・キング! クイーン!」
私は二人をダンジョン内部から、地上に召喚する。
「おお、これは……懐かしき地上、嬢ちゃん。感謝するぞ」
「ふわぁ、主様、すごく透き通ってて、ひ! 魔素が薄いです……うぅ」
あはは、クイーンは、地上を知らないから、魔素が薄いのにびっくりしたみたいね。とにかく、召喚も上手く使えるし、外に出ても問題はないみたいね。
そして、本来の目的通りにスキルを皆に与える。時間のかかる作業だが、先を考えれば、絶対に必要なのだから、仕方ない。
スキルコピー、下位スキル贈与、スキルトレードの順で順番にスキルを渡していく。
この数日感で一番疲れる作業だったのは、言うまでもない。
全てが終われば、あとは実行するのみだ。
「さぁ、いくわよ。"擬人化"発動! 皆人間になれ!」
容姿も種族も違う者たちが、姿を変化させていく。
皆が同じ肌の色になるだろう、髪色も変わらないだろうと、考えていたが、実際は種族ごとに違いがあり、見た目の異なる者たちが姿を現す。
予想通りだったのは、クイーン、ラクネ、ホーネットの三人だ、モンスターの時と変わらず美しい見た目や可愛らしさがあり、直ぐに和む事が出来た。
ただ、キングは予想を裏切ったわ、キザな体育会系を想像してたら、どう見ても歴戦の猛者って感じになったわ。
身長もニメートルを超えてるし、何より、顔が傷だらけのスカーフェイスって、擬人化したのに意味ないじゃないのよ!
他にもジャバは、艶っぽい雰囲気の美人になっていたわね。本来が大蛇だなんて信じられないだろう、それ程までに完璧な擬人化だった。
とにかく皆が姿を変えられた事を素直に喜ぼうと思う。
そして、最後の大仕事になる。
ダンジョンコアを使い、ダンジョンその物を持ち出すのだ。
通常のダンジョンコアは、長い年月をかけてその土地に根を張り、大地と一体化しており、ダンジョンコアは移動出来ない。
しかし、私は新たなダンジョンコアを手に入れた為、ダンジョンのルールその物が適応していないのだ。
ダンジョンだった洞窟を見つめ、手に握りしめた水晶サイズのダンジョンコアに魔力を注ぐ。
ダンジョンマスターになったからなのだろう、違和感なく、ダンジョンがコアの中に吸い込まれ、ダンジョンだったそこは、ただの短い洞穴へと姿を変えたのだった。
それこそ、昨日までの当たり前が過去になってしまう程だ。
ゴブリンキングだったキングが、ゴブリンロードに、進化し、下位のゴブリンがダンジョンに生まれなくなる代わりに、中級ゴブリンと、上級ゴブリンが生まれるようになっていた。
今まではキングの魔力とダンジョンの魔素を使って生まれていた存在が自然に生まれるようになっていた。
他の者たちも同様に、能力の向上など、多くの変化を迎えていた。
そんな中、私は"スキルマスター"を使い新たなスキルを生み出していた。
作ったスキル
・"スキルコピー"
・"下位スキル贈与"
この二つだ。
スキルコピーは、どんなスキルもコピーすることが可能で、スキルトレードなどで手に入れたスキルを返還しても使い続ける為に作り出した。
下位スキル贈与、名前がイマイチだけど、下位のスキルをどのモンスターにも与えられる、ただし従属している者に限定される為、渡したいからと無条件に渡したりは出来ない。
この二つのスキルを生み出した事で、素晴らしい結果が生まれる事になる。
それは、スキルを持たない下位のモンスターや、格闘や牙、爪などで攻撃するモンスターにも、スキルが渡せると言う事だ。
更に言えば、渡したスキルをスキルトレードを使い、上位スキルや特殊スキルと交換が可能になる。
考えて欲しい、もしも、全てのゴブリン達が火炎魔法や、水魔法を軽々と使うとしたら、これは恐ろしい事だろう。
そんな、危険な事と理解しながらも、やりたくて仕方ない、人の欲求は留まらないし、止まらない。
私もまだ、人らしい部分が存在していたのか、それとも魔物となり欲が溢れ出して止まらなくなっているのか分からない。
だが、正直に言えば後者だろう。
何より、一番の目的であったダンジョン外への移動の為に必要なスキル"擬人化"を全ての物に渡すことができる。
正式には、"擬人化受信"と言うスキルになる、通常の擬人化はかなり魔力を消費しながら行う、その為、上位のガマ爺やクイーン、ラクネ、ホーネット等、魔力が有り余る程の者ならば問題はないだろう。
仕組みはシンプルだ。私が擬人化する為に魔力を渡す、それを受信して、"擬人化"を行う、魔力が乏しい者の為に作ったスキルだ。
そう、私達は今日、ダンジョンの外に踏み出す。
本来なら、ダンジョンの外にダンジョン内のモンスターは出られないように見えない壁がダンジョンの入口に存在している。
しかし、今は私がダンジョンマスターなのだ、ダンジョンのルールその物が私になっているのだから、何も恐れることは無い。
私が一歩を踏み出し、出口を塞ぐ土魔法で作られた壁を粉砕する。
今思えば、両親に捨てられたあの日から、私の運命も動き出していたんだ。
先に外に出た私は、初めて召喚スキルを使用する。
「眷族召喚・キング! クイーン!」
私は二人をダンジョン内部から、地上に召喚する。
「おお、これは……懐かしき地上、嬢ちゃん。感謝するぞ」
「ふわぁ、主様、すごく透き通ってて、ひ! 魔素が薄いです……うぅ」
あはは、クイーンは、地上を知らないから、魔素が薄いのにびっくりしたみたいね。とにかく、召喚も上手く使えるし、外に出ても問題はないみたいね。
そして、本来の目的通りにスキルを皆に与える。時間のかかる作業だが、先を考えれば、絶対に必要なのだから、仕方ない。
スキルコピー、下位スキル贈与、スキルトレードの順で順番にスキルを渡していく。
この数日感で一番疲れる作業だったのは、言うまでもない。
全てが終われば、あとは実行するのみだ。
「さぁ、いくわよ。"擬人化"発動! 皆人間になれ!」
容姿も種族も違う者たちが、姿を変化させていく。
皆が同じ肌の色になるだろう、髪色も変わらないだろうと、考えていたが、実際は種族ごとに違いがあり、見た目の異なる者たちが姿を現す。
予想通りだったのは、クイーン、ラクネ、ホーネットの三人だ、モンスターの時と変わらず美しい見た目や可愛らしさがあり、直ぐに和む事が出来た。
ただ、キングは予想を裏切ったわ、キザな体育会系を想像してたら、どう見ても歴戦の猛者って感じになったわ。
身長もニメートルを超えてるし、何より、顔が傷だらけのスカーフェイスって、擬人化したのに意味ないじゃないのよ!
他にもジャバは、艶っぽい雰囲気の美人になっていたわね。本来が大蛇だなんて信じられないだろう、それ程までに完璧な擬人化だった。
とにかく皆が姿を変えられた事を素直に喜ぼうと思う。
そして、最後の大仕事になる。
ダンジョンコアを使い、ダンジョンその物を持ち出すのだ。
通常のダンジョンコアは、長い年月をかけてその土地に根を張り、大地と一体化しており、ダンジョンコアは移動出来ない。
しかし、私は新たなダンジョンコアを手に入れた為、ダンジョンのルールその物が適応していないのだ。
ダンジョンだった洞窟を見つめ、手に握りしめた水晶サイズのダンジョンコアに魔力を注ぐ。
ダンジョンマスターになったからなのだろう、違和感なく、ダンジョンがコアの中に吸い込まれ、ダンジョンだったそこは、ただの短い洞穴へと姿を変えたのだった。
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