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ダンジョン生活・・・1
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スキル無しと慌てる両親の顔はさっきまでの暖かいモノとは違い、厄介者を見るような冷淡な物に変化していた。
話を聞いていて、理解出来た事は、私のスキルは未だに"スキルボックス"にあり、表立って現れていないこと。
この世界では、スキルが無いと魔力が暴走してしまうと信じられている事実。
今の私は、"スキル隠蔽"が発動している事もあり、随時発動型のスキルを含め、全て見えなくなっている。
あ、これは、アカンやつだな……最後の世界も、ダメなのか。
やはりと言うべきだろう、私は両親に連れられて、森の奥にある封鎖された状態の洞穴のような場所に連れていかれる。
「ここなら、弱いがモンスターもおる。封鎖されてもダンジョンだからな」
父親の言葉に耳を疑う。
生まれたばかりの可愛い娘をダンジョンにって! 鬼なのか、オーガなのか!
「可哀想に、スキルさえあれば……離れたくない、愛してるわ」と、言いながら、ダンジョンの中に私をそっと置く。
ママさん、セリフと行動が矛盾だらけだよ。
私は悟った、だが入口があれば、なんとかなる。
なんせ、10歳までは最強つまり死なないからだ、流石にモンスターの餌になるのは、遠慮願いたいもの。
「それじゃ、一時的に入口を封鎖しよう、結界魔法はオレがやろう、お前は土魔法で入口を塞いでくれ」
「アナタ? 本当にそんな事していいの?」
お、ママさん、まさか母性からの救いが!
「いいんだ、ダンジョンの入口を塞いでも、誰もこんな封鎖さてて、忘れさられたダンジョンの事なんて覚えておらんさ」
「なら、大丈夫ね。流石に見つかると色々と噂がね」
私の人を信じようとした気持ち、そのささやかな、気持ちすら、僅かな希望も、徐々に薄れていく入口の光と共に消え失せた。
自分達の世間体を優先するなんて、毒親じゃない! 本当にありえないわ。
でも、こんな洞窟に一人でどうしたらいいのよ・・・ご飯は、どうしたらいいのよ!
籠ごと置き去りにされて、こんなの虐待よ!
『あらあら~お困り見たいね?』と真っ暗なダンジョンで声が聞こえる。
誰よ!
『念話が出来るなんて、流石に慣れてるわね。噂以上だわ』
楽しむような笑みを口元に作る女神、全てを知りながら、弄ぶような口調・・・この女神、絶対に性格悪い奴だわ。
『心の声が、だだ漏れじゃない? なんなら助けてあげるのに、いらないのかしら?』
助けてくれるの! ごめんなさい、私の目が節穴だったみたい、本当に困ってたのよ。
『あはは、冗談に決まってるじゃない? なんで神である私が貴女を本気で助けると思ったわけ?』
ブチッ! 私の中で何かが切れた、そんな音がした。
上等じゃない! アンタみたいな、クソ女神の助けなんかいらないわよ!
『はあ? クソ女神ですって! 糞ガキがッ!』
ぺッチン!
いだぁ・・・女神の奴、いきなりデコピンしてくるなんて、しかも痛いし……
生まれたばかりの私に対して女神のやつ、許さないんだから!
とりあえず、なんかスキルで、あれ?
私は自分の身体に違和感を感じる。
魔力が湧いてくる感覚がない、スキルも発動する様子がない・・・
アンタ何したのよ!
『あら、私からは"魔封じ"をプレゼントさせて貰ったわ。気に入ったかしら?』
のわァァァッ! なんてやつなの!
『本当にこんな場所で、赤ん坊が死なないか、気になるじゃない? このカオスな感じが、ゾクゾクするわ~』
自身の楽しみの為に、私を玩具にしようなんて、これはプライドを賭けた戦争よ!
「ふざけんなよ!」
『あらまぁ、よちよち? また会いましょうねぇ、バブちゃん。あははは』
ムキー! 絶対に許さないんだから!
しかし、どうしよう、魔力なしで、更にスキルも使えないなんて、死亡フラグじゃない。
悩む私の背後、何かを感じる……視線とは違う何か、確実に何かいる!
私が背後に振り向こうとするが、私・・・生まれたばかりだから、首すわってないじゃない・・・無理ゲーだァァァ
ビクビクしていると、それは私の入った籠を覗き込むように姿を現した。
丸くて透き通った水々しいキミ、スライムさんだァァァ!
あぁ、終わったわ。本当に終わったわ、スライムって人を溶かして吸収するんだっけ?
今の私には加護扱いの祝福が、ギリギリ発動してる感じなのよね……
〘神スキル、テイムの発動をお勧めします〙
頭に声が響く、これは"サポート"さんだ。
〘テイムを推奨します。発動しますか?〙
当たり前、当たり前だよ! 即発動だよ。
〘主の意志を確認。テイム開始・・・〙
スライムが黒い光に包まれると、一気に収縮して、元のサイズに戻る。
〘テイムに成功しました。名無しスライムが従魔になりました〙
初テイム、やったぁッ! 今更だけど、便利すぎる、テイム最高。
一人ぼっちのダンジョンから、スライムを仲間にして、何とか生き残る道が見えてきたように感じる。
あの女神にギャフンって言わせてやるんだから!
話を聞いていて、理解出来た事は、私のスキルは未だに"スキルボックス"にあり、表立って現れていないこと。
この世界では、スキルが無いと魔力が暴走してしまうと信じられている事実。
今の私は、"スキル隠蔽"が発動している事もあり、随時発動型のスキルを含め、全て見えなくなっている。
あ、これは、アカンやつだな……最後の世界も、ダメなのか。
やはりと言うべきだろう、私は両親に連れられて、森の奥にある封鎖された状態の洞穴のような場所に連れていかれる。
「ここなら、弱いがモンスターもおる。封鎖されてもダンジョンだからな」
父親の言葉に耳を疑う。
生まれたばかりの可愛い娘をダンジョンにって! 鬼なのか、オーガなのか!
「可哀想に、スキルさえあれば……離れたくない、愛してるわ」と、言いながら、ダンジョンの中に私をそっと置く。
ママさん、セリフと行動が矛盾だらけだよ。
私は悟った、だが入口があれば、なんとかなる。
なんせ、10歳までは最強つまり死なないからだ、流石にモンスターの餌になるのは、遠慮願いたいもの。
「それじゃ、一時的に入口を封鎖しよう、結界魔法はオレがやろう、お前は土魔法で入口を塞いでくれ」
「アナタ? 本当にそんな事していいの?」
お、ママさん、まさか母性からの救いが!
「いいんだ、ダンジョンの入口を塞いでも、誰もこんな封鎖さてて、忘れさられたダンジョンの事なんて覚えておらんさ」
「なら、大丈夫ね。流石に見つかると色々と噂がね」
私の人を信じようとした気持ち、そのささやかな、気持ちすら、僅かな希望も、徐々に薄れていく入口の光と共に消え失せた。
自分達の世間体を優先するなんて、毒親じゃない! 本当にありえないわ。
でも、こんな洞窟に一人でどうしたらいいのよ・・・ご飯は、どうしたらいいのよ!
籠ごと置き去りにされて、こんなの虐待よ!
『あらあら~お困り見たいね?』と真っ暗なダンジョンで声が聞こえる。
誰よ!
『念話が出来るなんて、流石に慣れてるわね。噂以上だわ』
楽しむような笑みを口元に作る女神、全てを知りながら、弄ぶような口調・・・この女神、絶対に性格悪い奴だわ。
『心の声が、だだ漏れじゃない? なんなら助けてあげるのに、いらないのかしら?』
助けてくれるの! ごめんなさい、私の目が節穴だったみたい、本当に困ってたのよ。
『あはは、冗談に決まってるじゃない? なんで神である私が貴女を本気で助けると思ったわけ?』
ブチッ! 私の中で何かが切れた、そんな音がした。
上等じゃない! アンタみたいな、クソ女神の助けなんかいらないわよ!
『はあ? クソ女神ですって! 糞ガキがッ!』
ぺッチン!
いだぁ・・・女神の奴、いきなりデコピンしてくるなんて、しかも痛いし……
生まれたばかりの私に対して女神のやつ、許さないんだから!
とりあえず、なんかスキルで、あれ?
私は自分の身体に違和感を感じる。
魔力が湧いてくる感覚がない、スキルも発動する様子がない・・・
アンタ何したのよ!
『あら、私からは"魔封じ"をプレゼントさせて貰ったわ。気に入ったかしら?』
のわァァァッ! なんてやつなの!
『本当にこんな場所で、赤ん坊が死なないか、気になるじゃない? このカオスな感じが、ゾクゾクするわ~』
自身の楽しみの為に、私を玩具にしようなんて、これはプライドを賭けた戦争よ!
「ふざけんなよ!」
『あらまぁ、よちよち? また会いましょうねぇ、バブちゃん。あははは』
ムキー! 絶対に許さないんだから!
しかし、どうしよう、魔力なしで、更にスキルも使えないなんて、死亡フラグじゃない。
悩む私の背後、何かを感じる……視線とは違う何か、確実に何かいる!
私が背後に振り向こうとするが、私・・・生まれたばかりだから、首すわってないじゃない・・・無理ゲーだァァァ
ビクビクしていると、それは私の入った籠を覗き込むように姿を現した。
丸くて透き通った水々しいキミ、スライムさんだァァァ!
あぁ、終わったわ。本当に終わったわ、スライムって人を溶かして吸収するんだっけ?
今の私には加護扱いの祝福が、ギリギリ発動してる感じなのよね……
〘神スキル、テイムの発動をお勧めします〙
頭に声が響く、これは"サポート"さんだ。
〘テイムを推奨します。発動しますか?〙
当たり前、当たり前だよ! 即発動だよ。
〘主の意志を確認。テイム開始・・・〙
スライムが黒い光に包まれると、一気に収縮して、元のサイズに戻る。
〘テイムに成功しました。名無しスライムが従魔になりました〙
初テイム、やったぁッ! 今更だけど、便利すぎる、テイム最高。
一人ぼっちのダンジョンから、スライムを仲間にして、何とか生き残る道が見えてきたように感じる。
あの女神にギャフンって言わせてやるんだから!
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