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4章 輝く未来

太陽の恵みと風の知らせです5

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 私達とバイキング達がいっせいに叫び声がする方向に走り出す。

「カミルごめんなさい」と泣きそうなアララ。

「本当に申し訳ございません、お嬢様」とメルリもメイド服のスカートを少し持ち上げ、全力で駆けているわ。

「謝るのは後! 二人はすぐ其所よ!」

 マップには魔獣の姿は無かったわ、二人は無事な筈よ。

 しかし、私の考えは安易な物だと、思い知らされたわ。

 私達が木の上にいる二人を見つけ、側に近づくと、突如、大きく地面の土が盛り上がったの。

「ヒグッ、カミル、来ちゃダメ!」
「地面の下でし!」

 木の上から大きな声で叫ぶ二人、盛り上がった地面から土を飲み込むようにして、目の前にミミズの様な魔物モンスターが姿を現したの。

「デンジャラスワーム! 魔獣じゃない! 魔物モンスターなの、バトラング王国では初めて見るわね!」

 クレレとリーヴルを襲ったであろう、敵の正体がモンスターである事実に驚きながらも、迷うことなく両手に魔力を集める。

 その一瞬で、マップでモンスターの位置を確認すると目の前にいるに対して速攻で火炎魔法メラメラを撃ち込み丸焼きにしたわ。

 地中に隠れている残り“3体”のデンジャラスワームに対しては【冷凍魔法コルコル】で氷付けにしてから、【土石魔法ロクロック】で土にかえるように粉々に粉砕したわ。

 魔物と魔獣の存在が無いことを確認すると私は木の上の二人の名を呼んだの。

「クレレ! リーヴル! 怪我はない、もう大丈夫だから、降りてきて」

 二人が木から降りてくると、アララとメルリが泣きそうになりながら、クレレとリーヴルを抱きしめたの。

 四人が泣きわめく中、私はバイキング達に質問をする。

「私はバトラング王国に来てから、魔物を見ていなかったわ。それがいきなり、4体も……何が起きてるの?」

 申し訳なさそうに重く暗い表情を浮かべるバイキング達。

「実は、昨晩のことです……村の真上を紅い流れ星が通過し、村長達が“赤星は滅びの始まり”と……」

 村長達は危険を予期して、フォレストタウンの警戒を強化したと教えてくれたわ。

 夜は何事も無かったと語るバイキング達、夜通しの警戒にも関わらず、何も起きなかった為、緊張の糸が朝には切れてしまったのね。

 突如、地面から巨大なデンジャラスワームが姿を現し、畑と村を襲ったと聞かされたわ。

「それで、学校の生徒や養蜂場の皆は! ロクさんやサトウは大丈夫なの!」

 取り乱す私を落ち着かせるように、バイキング達に押さえられる。

「落ち着いてください。そっちは大丈夫です、畑は多少の被害があったと聞きましたが、学校と養蜂場には魔物による被害と発見に関する報告はなかったかと」

 話を聞き、落ち着きを取り戻した私はシュビナの元へ、メルリを向かわせる。

 目的はバトラング王国全体の防衛強化……その指示を出してもらわないと。

 私は急ぎ魔獣の森の支配者であるディーラの元に向かうことにしたの。

 間違いなく、バトラング王国に何か起きてるわ!
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