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4章 輝く未来

新たなる出会い、カミルの里帰りです5

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 夕食を共にする事になった私達。

 正直、ペンネの発言にはヒヤヒヤしたわ。

 結果だけ見れば、互いの立場の確認とどの様な状況にも対等に話す気があると言う証明にはなったわね。

 あのまま、ペンネがベジルフレア王と事を構えてたら間違いなくベジルフレア王国は王を失っていたでしょうね。

 そんな中で互いに顔を向き合わせて紅茶を飲みながら話をするんだから、王族の神経の図太さには驚かされるわね?

 簡単な雑談の中には両国の現状を互いに知るべきであると言ったような内容も含まれていたわ。

 ベジルフレア王国からすれば、隣国のザカメレア王国の次に近い国がマドラッド島となの、しかし、交流は貿易のみで、ザカメレア王国からベジルフレア王国へ持ち込まれるのが一般的なの、直接マドラッドと繋がっていないのが現状なのよね。

 それに対してペンネはベジルフレア王国への直接的な貿易を申し入れているみたい。

 そうなれば【ザカメレア王国】と【ベジルフレア王国】の2ヶ所からの貿易許可が商人達に与えられる事になるわ。

 つまり、今までザカメレア王国に大量に持ち込んでいた荷を2隻にわけて好きな方に運べるようになるわ。

 税なんかも考えると積み荷は軽いに越したことないものね。

「つまり、我がベジルフレア王国へと直接、貿易をしに来てくれると言う事ですな?」

「そうなる、妾としてはカミルの考えを一番に考えたいのでのぉ。その為にはベジルフレア王国への直接的な繋がりが欲しくなるとそう言うことじゃ!」

 ペンネの言葉に悩みベジルフレア王、その心中は隣国のザカメレア王国との貿易摩擦にあるんだと思うわ。

 ザカメレア王国の収益が半減する事になれば、其れは国同士の問題から更に大きく発展する可能性もあるわ。

 小さな火種すら今は控えたいと考えると今回の交渉は駄目そうね?

 私がそう考えて居た時、ザカメレア王国では既にペンネの企みが動き出していたの。

 ザカメレア王国から早馬が飛ばされ、其れは交渉中の私達の元に直ぐ様届けられたの。

「至急の報せ故に失礼致します! 国王陛下、ザカメレア王から急ぎの知らせが届きました!」

 兵士が慌てて運んできた手紙、内容はベジルフレア王を愕然とさせる内容のようで、若干の震えが目に見えたわ。

 その直後、ベジルフレア王はペンネに「申し入れを受け入れましょう」と口にしたの、そのまま貿易の税の額が決まり、ザカメレア王国と同じ額を税としたの。

 税に関して少し違ったのは一隻に対して税を払うと言う内容ね、つまり、今まで1品1品にかけられてた税が船一隻の税に変更されたの。

 ザカメレア王国も同様にその条件を飲んだみたいだわ。

 ペンネは先手としてザカメレア王国に使者を送っていたのね、元々ベジルフレア王国との貿易を拡大するつもりでいたみたい。

 ベジルフレア王はザカメレア王国への返しを書く為に席を一度たったわ。

 ペンネはその際にザカメレア王国が条件に応じない場合は貿易を一時的に中断するつもりだったと私に語ったの。

「まあ、そうなれば、困るのはザカメレア王国の方じゃからな。二つ返事で受け入れたようじゃ、麦の不作は国を揺るがす程じゃからなぁ……まあ、それはベジルフレア王国も同様みたいじゃがな? 此度の一件も食糧問題が関わっているように感じるのじゃ」

 つまり、私が知らない数ヵ月の間、作物の不作が起きていたのね?

 しかもパンの祭りがきっかけで大量の麦をマドラッドから輸入していた事もあり、国内の不作に問題はかいだろうと考えていた矢先に貿易中断をペンネが言い出した訳ね?

 それは確かに辛いわね? 凄いのはペンネが最初からこの流れを組んでいた事実ね。

 とにかく、マドラッドはベジルフレア王とザカメレア王国、両国の食を支配した形になるわね?

 ペンネにそれとなく、そう伝えると驚くべき返しをしてきたの。

「何をいっておる? カミルがこうなるきっかけを作り出したのだぞ?」

 予想外の返しに私は驚愕したわ……
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