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4章 輝く未来

新たなる出会い、カミルの里帰りです3

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 涙を浮かべながら、私との別れを惜しむディストル艦隊と別れを告げた私達はいよいよ、目的地ベジルフレア王国に到着したわ。

 ザカメレア海軍と同様に凄い数の戦艦が出迎えてくれたの。

 私が名前を告げるとベジルフレア艦隊も進路を港に向けてくれたの。

 港には巨大要塞アザラシ【ビッグアザー 】 を近くで見ようと野次馬の嵐だったわ。そんな中、私達を港に案内したベジルフレア艦隊の提督が私達を出迎えてくれたわ。

 港に並ぶ海兵達、その中心に一人雰囲気が違う人物がいたの、その人物が私達と海で話した提督であり、私達の姿を確認すると背筋を再度伸ばし、声を大きく上げたの。

「ミルシュ=カミル殿、此度の五国同盟の活躍は我々、軍上層部にも大きな影響を与えました。心よりお逢い出来た事を嬉しく思います。ミルシュ=カミル殿、御一行に敬礼!」

 海兵達が提督の声で一斉に敬礼したわ、インパクトが凄いわね。

 港に降り立った私は改めて提督に出迎えへの感謝の言葉を口にしたの。

 提督が私の言葉に軽く会釈をすると私達はベジルフレア王国の国王の元に呼ばれる事になったの、提督の顔を潰すのも悪いから仕方なく行くことにしたの。

 よくよく考えたら、ベジルフレア王国の城に来るのは本当に久々ね?

 まさか……魔王と大魔王なんて呼ばれてる私が二人して城に足を運ぶことになるなんて考えてもいなかったわ……

 ペンネは少し怒ってるみたいね?

「ちょっとペンネ、なにカリカリしてるのよ?」と小声で尋ねると……

「ふん、カミルと妾にわざわざ城に来いと? ベジルフレア王は何様のつもりか……詰まらぬ用件ならばその場で妾が2度と詰まらぬことを出来ぬようにしてくれるわ」

 怒り心頭のペンネを宥め、私達はベジルフレアの王城の門をくぐり、城の中に案内されたの。

 因みに街中を通るので、ペンネの部下である魔王軍の将軍、獅子男ガレオンカメレオン男ヒルバーを含む数名がヒルバーの能力で姿を消した状態で私達に同行しているわ。
 その際にガレオンの能力を同時に使用していたの、特定の範囲の音を消すことが出来る能力でどんなに激しく動こうと範囲内なら音は全て無音になるみたいね?

 ガレオンやヒルバー達はベジルフレア王国の港から姿を消したままだけど、城内にも一緒に入って来てるわ。

 よくよく考えたら、侵略する際にこれ程、頼もしい能力って中々ないわよね?
 同時に侵略される側からしたら最悪の組み合わせね。

 王座に座るベジルフレア王が挨拶をしようとした瞬間だったわ。

「待たれよ。主に1つ問うが、我等を立たせ、うぬが王座に座るが正式な立場と言う意味でよいのじゃな?」

 ペンネの発言にざわめきが巻き起こる、当然だけど良くない雰囲気だわ。

 王を護るように兵士達が前に駆け出し、盾を前に突き出したの、その瞬間、私は頭を抱えたわ……最悪の選択を兵士達はしたんだもの。

 盾とは言え、戦場に持ち出す武具を前に突き出せば、それは戦闘を行うと言う意思表示に他ならないわ。

 その瞬間、私はマップを開いていたわ、ガレオンとヒルバー達の位置を把握する為よ。

 さいわいにも、ペンネは(まだ待て)と然り気無いしぐさで手による合図を行っていたわ。

 それでも、最悪な状況はかわってないわね、ベジルフレア王はどう動くつもりかしら?
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