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3章 素敵なハニーフォレスト

大使以上のお仕事です4

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 朝早くから私はシュビナの部下に会っていたの。
 目的はシュビナへの報告ね、全ての国民を記憶した事実を伝えてもらうように頼み、私達より先にバトラング王国に向かって貰ったの。

「それじゃ、頼んだわよ。あと、シュビナには今日は此方でやる事があるから、明日の朝に【ロフブルバ】を出ると伝えて、昼には戻る予定でいるから、その後で今後を話し合いましょうとも言っといてね」

「はい、え? 明日の昼ですか」

 私の言葉に驚く兵士、理由は魔獣を全力で夜通し走らせても私達の居る【ロフブルバ】からは1日の掛かるの、つまり、兵隊さんが今から全力でバトラング王国に向かっても着くのは早く、明け方になるわ、明日の朝に私達が【ロフブルバ】を旅立つと言うのだから、絶対に無理だと思ったんでしょうね?

「ねぇ、聞いてるの? 頼んだわよ」

「あ、はい! 了解しました!」

 私は魔獣に跨がり、バトラング王国へと駆けていく兵隊を見送ると大きく両手を広げ、伸びをする。

「さて、メルリ、サトウ! 今から食材調達兼、魔獣退治よ。デンキチ達も久々に好きなだけお肉が食べれるわよ」

 私は村人の名前を暗記する最中、【ロフブルバ】から遠くない小さな村に魔獣が出没したと言う話を村人から聞き、其れを退治する為に残ったの。

「お嬢様、サトウも用意が出来たそうですので向かいましょう、あと御昼はサンドイッチと現地調達の食材で賄うとの事ですわ」

 メルリとサトウが加わった今、国の1つや2つ余裕で平らげられる程に心強いわ、まあ、魔獣退治だから気楽に行かないとね。

 私達が向かったのは魔獣の巣になっている森よ。
 森の入り口に辿り着いた私へと無数の視線が一斉に向けられる。

「あら、私を睨んでるのかしら? マップ!」

 単純に表示された魔獣の数は12対、鳥形の魔獣ね? まあ、良くある入り口に巣を作って獲物を捕らえれ待ち伏せタイプね。

「さい先良いわね。さぁ、いくわよ! あとサトウ、御昼にチキンステーキを追加よ!」

「あれを食べるのかい? バイキングを襲ってる化け物なんだよ?」

「この世界は弱肉強食! 食われたら食い返す! 以上! ハァァァァッ!」

 魔獣をあっさりと捕らえた私達は御昼の下ごしらえをサトウと鎌鼬カマイタチのカリン、ゴーレム達に任せて、森の中へと進んでいったわ。

 今回、村を襲った魔獣は虎のような魔獣である事はわかってるの、つまり、悪い虎を退治しないと村人の安全は確保できないわ。

 でも、虎の魔獣だなんて、流石に恐ろしいわね、バイキングが「巨大な虎」と言うくらいだから、本当にサイズが想像できないわね? 気づいたら、一呑みなんてごめんよ。先に見つけて先手必勝なんだから!

 そんな、私の頭に久々の警告音が鳴り響く、直ぐにマップを確認しようとした瞬間、凄まじい勢いで目の前の茂みが“ガサガサ”と動き出したの、緊張が走った瞬間、私は後悔したわ。

「は! クッ……!」
「お嬢様!」

 前方の茂みに気を取られた瞬間に真横から有り得ないサイズの虎の魔獣が襲い掛かってきたの。なんとか、牙を押さえ、攻撃を受け止めたけど、危なかったわ。

「危ないじゃない……本当にビックリしたわね」
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