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3章 素敵なハニーフォレスト

フォレストタウンです2

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 私の目と鼻の先に徐々に姿を現したのは、巨大なクマ? と言うより、タネキだったわ。

 1匹1匹は大体人間の成人男性と同じくらいだから、バイキングから見たら大型犬見たいね感覚かしらね?

「ねぇ、聞いていいかしら? なんでタヌキに襲われるのよ」

 私の質問に一郎が答える。

「カミル様。アイツ等はラクーンって言って、森の食糧を食い荒らしてから複数の村に現れるんです。でも、今年は大分早い……どの村もラクーンに対する対策がまだ出来てないかと」

 このタネキは【ラクーマ】と言って群れで活動するみたい。サイズより、群れの数が厄介な魔獣ね。

「これってば……久々に“肉”が大量にゲット出来るわね」

 私は“エンジェルスマイル”を浮かべながら、村を守る為の使い魔を召喚しそれ以外の全ての使い魔を私の元に集める。

 因みに狸と熊を足して2で割った感じで、見た感じは鋭い爪と牙が迫力満点ね。尻尾が狸みたいにモフモフなのが更に私の好奇心も掻き立ててくれたわ。

「ねぇ、あれは凶暴なのかしら?」

 少し棒読みで尋ねる私に一郎達は首を縦に振ってくれたわ、流石に理由も無しに食材にする訳にはいかないものね?

『カミル、悪い顔になってる』

 デンキチの突っ込みを軽くスルーして私は両手に魔力を溜める。

「“使い魔”、私が倒した魔物モンスターの回収をお願い。今日はタヌキ鍋よ」

『『『ハーイ(はい)(オウ)』』』

 片手には雷魔法を、もう片方には水魔法を作り出し、私は正面に群がる【ラクーマ】の大群へと一人駆け出していく。

 私を追おうと一郎達が走り出そうとしたけど、デンキチ達がちゃんと止めてくれたわ。

 流石に広範囲に魔法を使うから、今回は大人しく見ててちょうだいね!

「“水”よ! 我の前に存在する全ての物を潤しなさい!」
「“いかずち”よ! 我に仇なす物、全ての真を貫きなさい!」

 その瞬間、全ては終わったわ。

 無数の水滴が【ラクーマ】の群れを包み込んだ瞬間、一筋の落雷が全ての水滴を渡り、【ラクーマ】の群れが沈黙したの。

 罪悪感を感じるくらいアッサリとした結果に寂しさすら感じるわね。

 私の後ろから喜びを口にしながら駆けてくる村人達がせめてもの救いね。

「やりましたねカミル様! 毎年、毎年、襲い来るラクーマの群れをこんなにアッサリと退治してしまうなんて」

 どうやら、私が思っていた以上にラクーマは凶悪な魔獣だったみたいね?

 それから直ぐに逃げてきたバイキングに話を聞くことにしたの、話を聞いて愕然としたわ……

 私の領地から、そう遠くない村が幾つかラクーマが大群に襲われたそうなの、バイキングが束になっても数で勝負を挑むラクーマの進行を防ぐのが精一杯だったらしいわ。

 それで、バトラング王国軍に助けを求めようとしたらしいの、でも領主がそれをよく思わなかった事もあり、バトラング王国には誰も辿り着けなかったそうなの。

 私の領地に逃げてきたバイキングの青年は領主から「他の村を犠牲にすれば言い」と言われ、ラクーマの大群が寝ている朝方に外に放り出されたそうなの、酷い話よね? 結果、逃げる事になり、方向も分からぬままに私の領地に辿り着いたそうよ。

 他の村なら大打撃よ、下手したら村その物が壊滅してたかも……赦せないわ。

「アンタッ! 巻き込んだ責任を取りなさい。今私にバーベキューにされるか、アンタの領主の元に案内するかの2択よ」

 殺意が込められた私の目を前に青年は泣きそうな顔で一言呟いたわ。

「あ、案内させてもらいます……」

 何処のバカ領主か知らないけど、私を巻き込んだ事を後悔させてやるんだから!
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