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3章 素敵なハニーフォレスト

成り行きでバトラング王国です2

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 装備を整えたバイキング達が私の召喚したビッグボア達に跨がり出陣の用意が整うと私はスカーに、デンキチは身体を小さくしてメガに跨がり、広大なバトラング王国の大地を数回踏み鳴らした後、私の号令で一斉にバトラング王国への進軍する。

「全員前へ! 今から名前を取り戻すわよ」

「「「オオオォォォゥゥゥ!」」」

 “ダダダンッ!”
 “ドドドドッ!”

 無数の大地を踏み締める音が地鳴りのように響き渡ると私達の進行方向に数騎の巨馬の魔獣に乗ったバトラング王国の兵士を見つけたの。

 夜目を聞かせた私は【鑑定の瞳】で兵士を見ると大量のまきと酒瓶サイズの入れ物が数本、明らかに怪しい装備だと感じた私は全員を左右に別れさせ、その場で待機させる。

 夜目の聞かないバイキング達からすれば私の指示は意味がわからないだろう、それでも誰一人疑わずに従ってくれたわ。

『さて、放火未遂かしら、それとも、常習犯かしら……どちらにしても捕まえて話を聞かないとね。スカー、魔獣も殺さしたらダメよ。いいわね?』

『わかった、だが、逃げられると厄介だ、その時はどうする?』

『その時は仕方ないわ。でも、なるべくなら魔獣にも怪我すらさせたくないのよ』

 私の言葉に呆れたような表情を浮かべるスカー。

『主人よ、優しさは時に自身の身を滅ぼす、情けは大概にしてくれよ』

 スカーなりの優しさね。私はスカーに感謝をしながら前から向かって来るバトラング王国軍の兵士に対して攻撃を開始したわ。

 先ずは水魔法で霧を作り出し、霧の内側の温度を一気に低下させる。更に地面にも土魔法と水魔法を合わせ、地面を泥濘ぬかるみに変える。

 そうなれば魔獣は目の前の慣れぬ霧と足場の悪さに動揺すると考えたの、案の定、魔獣は歩みを進める度に足を高く上げ、霧を払うように首を左右に振る。

 スカーの背から降りた私は透かさず石を軽くぶつける。
 石が命中すると大きく前足を上げ、仰け反ると同時にスカーが横から体当たりをかます。

 当然ながら、巨馬とは言え、ウルフ種のスカーに体当たりを食らえば只では済まないわ。

 次々に横転する巨馬とバトラング王国軍。

 私はそのまま召喚魔法を使い、スケルトン軍団を召喚し、ロクさんとスケルトン軍団の目が霧に怪しく輝くとバトラング王国軍は警戒するように辺りを見渡す。

 私は悩む事なく奇襲を掛ける。

 スケルトン軍団の数による攻撃、骨を砕かれても再生するスケルトンと力で戦うバイキングでは結果だけ見れば消耗戦となり、バトラング王国軍の敗北は火を見るより明らかだったわ。

 それに加え、後ろから戦闘に気づいたウトピア村のバイキング達が参戦すると勝負は一瞬で決まる。

 捕らえたバトラング王国軍の兵士達を集め、話を聞く事にしたわ。

「さて、アンタ達、誰の命令でこんな物騒な装備をして何処に向かってたのかしら? 素直に教えて貰えるかしら」

 質問にそっぽを向くバトラング王国軍の兵士達。

 私はその態度にイラッとしながら、笑みを浮かべ酒瓶に手を掛ける。

 【鑑定の瞳】で中身を調べるとアルコール90度のウォッカのような強い酒だったの。

 悪魔のような笑みを浮かべる私は酒瓶の栓に手を掛ける。

 “ポンッ”と言う音がなり、酒の香りが一気に流れ出すとバトラング王国軍は悪寒に顔をすくめる。

「わかるわね……目には目を歯には歯を、炎には炎よね?」

 私の歩みに皆が慌てる。
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