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3章 素敵なハニーフォレスト

未来の種です2

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 色々な計画を考える私は取り敢えず計画をシュビナに話す為にバトラングの城に向かうことにしたの。

 久々にメガとスカーを広い土地で走らせてあげられるわ。

 広大な平地が何処までも続き、少し肌寒いように感じる風は不思議と清々しいわ。

 大地を駆け抜ける私達、でも、突然、空から槍が振ってきたの!

 ビックリしたわ、当然、敵だと私は感じたの、でも遠くから大きな声が聞こえてきたのよね?

「おーい! 止まれ! 魔獣達よ、人を襲う貴様らを赦すわけにはいかぬぞ」

 一人のバイキングの戦士【?】が、そう叫び私達の前に現れると槍を構えて立ちはだかったの、どうやら私が拐われたと勘違いしたみたいね?

「あのさ、使い魔この子達は私の家族なんだけど?」

 私の言葉に困惑するバイキングの戦士、まあ、仕方ないわね。
 バトラングには魔法を使える者が少ない、更に言うなら、召喚師【士】は更に少ない……と言うか召喚の基本が無いみたいだから、存在しない可能性が高いわね。

 私の話を聞き、動揺するバトラングの戦士。

「俺はタルアム、その魔獣は本当に君の仲間なんだな?」

「私はミルシュ=カミル、五国同盟の関係者で、【ベジルフレア王国】から【バトラング王国】に来たのよ、武器を下ろして貰えるかしら?」

 私の目の前に現れたバイキングはタルアムと言う近隣の村の戦士だったわ。
 王であるシュビナが不在の間に暴れまわる魔獣達を駆逐する為に仲間達と行動していると教えてくれたの。

 その瞬間、嫌な胸騒ぎがしたの。

「メガ! その人を口にくわえてついて来て。スカー! 全力でハニーフォレストに戻るわよ。その間、嗅いだことのない匂いに注意して、特に獣や人の匂いを見落とさないで!」

 私の中で、タルアムの仲間がハニーフォレストに攻撃を仕掛けたらと心配になっていたの。
 もし、攻撃されたら、ウチの子達の事だから、バイキングの方が心配だわ、最悪の場合、晩御飯になっちゃうかも知れない……それは絶対に避けないと!

 私の心配を他所に、メガに銜えられたタルアムは自身の命が危ないと感じたみたいで、小さな笛を全力で吹いたのよね。

 その途端、一斉に私の周りに集まるバイキングの戦士達。
 
 そんな、彼等は既にボロボロの姿だったわ。

「ま、また……魔獣なのか!」

「クソ、魔獣の森から抜け出したと思えば、こんな場所にまで」

 いきり立つバイキング達、しかし、私はバイキング達にある質問をしたわ。

「さっき、って言ったわね……何をしたの?」

 凍り付くような冷たい目線と全身から魔力を漂わせる私に口を閉ざすバイキング達。

 私は普段なら使わない威圧の魔法を使い再度質問をしたわ。

「アンタ達……森に何をしたの!」

 バイキングの一人が閉ざした口を開き語り始めたわ。

「何もしてない! と、言うか……魔獣達が強すぎて、何も出来ずに慌てて逃げてきた。数人は牛の魔獣と戦ったが、アッサリやられて全員で逃げ帰ってきた……強すぎる森の魔獣の事をバトラング王国に報告しようとしていた」

 私はホッとしたわ、“全員で逃げ帰った”って事は、バトラング王国側には死傷者ゼロね。

 話を聞く限り、モームが皆を守ってくれたのね?

「アンタ達の村に案内しなさい! あと、あの森は私の森よ。次に手を出したら……バトラング王国と本気で喧嘩になるからそのつもりでお願い」

 私の発言に顔を見合わせるバイキング達、しかし、私が本気だと理解すると再度武器を私に向けてきたわ。

「バトラング王国の敵となる可能性があらば、我等は死して戦わねばならぬ!」

 バイキングの戦士の一人がそう呟いた瞬間、私も仕方ないと気持ちを決めたわ。

 そんな、私とバイキング達に向かって「双方、待たれよ!」と声がしたの。

 振り向くと、慌ただしく此方に向かって走ってくる複数の獣、その上にはバイキングと思われる人影がみえるわ。 
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