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3章 素敵なハニーフォレスト

夜空と光と話し合いです2

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 気絶していたレーメンを優しく擦り起こす。

 当然だけど、敵意むき出しに私を攻撃しようとしてきたわ。

 そんな、レーメンの前にアララとパルムが立ちはだかり、拳を収めるように言ってくれたの、流石に寿命が縮んだわ。

 私は取り敢えず人数分のお茶をサトウとメルリに頼み、本題に入ろうとしたの。

 単純に誤解を解くには先ず、レーメンの探してる友達が何者なのかを知ることから始める事にしたの。

「レーメン、貴女の友達の話をもう一度詳しく聞かせて、きっと何か見落としてる筈なの」

『くどいぞ! まさか、女神様までもが、このような悪の化身のような者に加担するなんて……何故です』

 私の話を聞こうともしないレーメン、そんな時、外から目を覚ましたデンキチの声が聞こえたの。

『ヌガァァァァッ! デンキチのトマトッ!』

 あちゃー……完全に怒ってるわね。

 その声に反応するようにレーメンが窓に向かって水の塊を放ったの、窓が割れて、其処から外に飛び出したの。

 室内は水浸しになり、窓が割れた室内に風が吹き込む。

 外では怒り狂ったデンキチとレーメンが今にも戦いを開始しようとしていたわ。

「まずい!」と私が口にした瞬間、他の室内に居た皆が動きを止めて青ざめた表情を浮かべていたの、私は不思議に思い室内を一旦見渡したわ。

 ……数秒の沈黙。

 私の目線の先にあった物は、ずぶ濡れの本棚と読み掛けの本のしおりが無惨にも風に靡き、ヒラヒラと宙を舞い本のページが更々と流れる様子だったわ。

「…………!」言葉を失う私を先手で押さえようとするメルリとアララ。

 しかし、私は止まる気がなくなったわ……

 私はレーメンが開けた窓の穴から外に飛び出すと二人の間に割って入ったの。

「アンタ達ッ! 動くなぁぁぁぁ!」

 怒りに満ちた私の声にデンキチは正気を取り戻し、訳がわからないといった表情で私の顔を見る。

『カ、カミルが……怒ってる!』

 素直に止まったデンキチとは違い、私に向かってくるレーメン。

「止まれって! 言ってるのよ!」

『な、ひいぃぃぃ、いやぁぁぁぁ!』

 襲い掛かってきたレーメンに対して私は指先に電流を集中させてレーメンの額に久々の“デコピン”を炸裂させる。

 軽く30メートルは吹き飛んだかしら? 私の忠告を無視するからよ。

「さて、デンキチ! 今すぐに二日間で拾ってきた物をみせて」

 デンキチは道端で拾った石や果物、食べ終わった種、変わった形の葉っぱ等を私の前に並べる。

 私は気絶させたレーメンを再度起こすと、デンキチの集めた品をレーメンに確認させる。

 しかし、レーメンは全て『これらは私の友ではない』とハッキリ口にしたの。

 困り果てた私は畑からの帰り道の流れを思い出し再度、デンキチが何をしていたかを考え直したわ。

 同時にレーメンの言葉を思い出す。

「デンキチ、まだ出してない物があるわよね? 何処にあるの……出しなさい!」

 私の言葉に首を横に振るデンキチ。

『此れで全部、他なんか無い』

 そう言いながら井戸の方をしきりに見るデンキチ。

「レーメンの友達なの返してあげて、もしデンキチの周りから私や皆の誰かが消えたら嫌でしょ?」

 デンキチはゆっくりと井戸の方に歩き出すと巨大マッシュルームを抱えて私の前に差し出したわ。

『皆いないの、寂しい……非常食返す』

 言い方に問題があるけど、多分此れがレーメンの友達の筈よ。

 そして、レーメンの前に巨大なマッシュルームを運んで行く私とデンキチ。

 巨大マッシュルームを目にしたレーメンは泣きながらデンキチの手からマッシュルームを受けとると抱きしめるとくるくると回り始めた。

『マシュウ、マシュウ……良かった。もう会えないかと思ったわ』

 すると巨大マッシュルームが輝き、姿を妖精に変えたの、始めてみる光景に私はおどれかされたわ。

 デンキチの運んできた巨大マッシュルームだけど、実は寝坊助妖精だったの。

『どうして僕を抱き抱えてるのさ、レーメン』と寝惚けたマッシュルームのマシュウが訪ねる。

『寝坊助さん、心配したのよ』と優しく微笑むレーメン。

 そんなレーメンは私に深々と謝罪をしてから洋館を後にしたの、当然後片付けは私達でやったわ。

 後日挨拶に来ると言ってたから少し楽しみが増えたわ。

「さて、デンキチ! 今から片付けよ。外の方を御願いね。私は部屋の中を片付けるから」

 慌ただしい1日がやっと終わったわ。本当に色々あったわね? 今日はよく寝れそうだわ。
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