118 / 310
3章 素敵なハニーフォレスト
湖の周りは大騒ぎです2
しおりを挟む
私は背後に居るであろうエレメントクイーンに向かって覚悟を決めて声を掛けたの。
「わ、私はカミル、貴女は誰……なのかしら」
私の問に小さな声で『あなた誰? なんで私と話せるの?』と返されたわ。
まるで敵意を感じない幼い子供のような返答に私の中で恐怖が和らいだように感じたの。
「今から振り向くけど、いいかしら? 話をするなら顔を見て喋りたいんだよね」
私はある意味での賭けに出たんだと思う。もしも、エレメントクイーンが振り向いた途端に私を襲撃したら私は回避できないだろう、和らいだ筈の恐怖が甦る最中、聞こえてきた返答。
『わかった、私も話を聞いて欲しいの』
その言葉にゆっくりと振り向く私、其処には黒い涙を拭ったばかりのエレメントクイーンが居たわ。
「えっと、改めて自己紹介をするわね。私はミルシュ=カミル。いちよう召喚師よ。貴女は?」
『私はレーメン、この地域一帯の水脈を管理する妖精の女王です』
やっぱり、かなりの上位精霊なのね、不意討ちしなくて正解だったわ。
私はレーメンに何故泣いていたかを尋ねたの、話し合いが上手くいけば解決策も見つかる筈だもの。
『私の大切な友達がいなくなったの……朝まではちゃんと居たの……私が約束に遅れたから……エレメント達が巨大な魔獣に連れていかれたって教えてくれて……でも、私は水脈と繋がってるから動けないの……お願い、私の友達を連れ戻して……お願い』
そう言うと両手で顔面を押さえて泣き出すレーメン、私はレーメンからの願いを受ける他ない状況に追いやられてしまっていたわ。
「はぁ、わかったわ。取り敢えず、その魔獣の特徴を教えて、姿、形がわからないと捜すに捜せないわ」
日が傾いた湖の辺りに私とレーメンの影が照らさし出される。
そして、語られる魔獣の容姿。
『その魔獣は、巨大な口に鋭い牙のような歯があり、巨大な体で軽々と私の友人を連れ去ったそうです……全身は夕陽のような橙色で、以前から噂に名高い森の支配者の部下のようなんです、流石の私も森の支配者を相手に勝てるかわからずにいます』
何よ? モーム以外にレーメンってボスキャラがいるのに、更に支配者がいるの……他人事じゃなくなってきたわね。
「で、森の支配者の名前とかはわかるの?」
私の質問に首を横に振るレーメン。
『悪魔のような魔力と自在に姿を変えると言う話ですが……私達、エレメントは精霊であり、森の声しか聞けません。どうか、私の友人を助けて』
私はレーメンの話を聞いて敵は私のマップにめ現れない存在であると理解したわ。
それはつまり、敵に襲われる恐れがあり、その際にマップが使えない事実を私に教えていたわ。
私はレーメンに友達を捜す代わりに水の浄化をお願いしたの、レーメン本人は気づいていないみたいだけど、湖は毒のマークが広がり確実に木々に影響を与えていたわ。
「レーメン、友達捜しは任せて、私の使い魔達は優秀だから直ぐに見つかるわよ。序でにその森の支配者気取りの悪党も私が捕まえてあげるわ」
私はレーメンの目の前で召喚魔法を発動するとデンキチ、メガ、モーム、ボスの4人を召喚したの。
「この森の中でこの子達に探し出せない者はいないわ。任せてねレーメン」
しかし、私はレーメンの怒りに満ちた表情を目の当たりにすることになったの。
『橙色の魔獣……そうか、私を最初から狙っていたと言う事か……カミル、いや、森の支配者よ……私は容易く倒せぬぞ!』
へ? 何の話よ! と言うより、話を聞いてくれる雰囲気じゃないわ!
「わ、私はカミル、貴女は誰……なのかしら」
私の問に小さな声で『あなた誰? なんで私と話せるの?』と返されたわ。
まるで敵意を感じない幼い子供のような返答に私の中で恐怖が和らいだように感じたの。
「今から振り向くけど、いいかしら? 話をするなら顔を見て喋りたいんだよね」
私はある意味での賭けに出たんだと思う。もしも、エレメントクイーンが振り向いた途端に私を襲撃したら私は回避できないだろう、和らいだ筈の恐怖が甦る最中、聞こえてきた返答。
『わかった、私も話を聞いて欲しいの』
その言葉にゆっくりと振り向く私、其処には黒い涙を拭ったばかりのエレメントクイーンが居たわ。
「えっと、改めて自己紹介をするわね。私はミルシュ=カミル。いちよう召喚師よ。貴女は?」
『私はレーメン、この地域一帯の水脈を管理する妖精の女王です』
やっぱり、かなりの上位精霊なのね、不意討ちしなくて正解だったわ。
私はレーメンに何故泣いていたかを尋ねたの、話し合いが上手くいけば解決策も見つかる筈だもの。
『私の大切な友達がいなくなったの……朝まではちゃんと居たの……私が約束に遅れたから……エレメント達が巨大な魔獣に連れていかれたって教えてくれて……でも、私は水脈と繋がってるから動けないの……お願い、私の友達を連れ戻して……お願い』
そう言うと両手で顔面を押さえて泣き出すレーメン、私はレーメンからの願いを受ける他ない状況に追いやられてしまっていたわ。
「はぁ、わかったわ。取り敢えず、その魔獣の特徴を教えて、姿、形がわからないと捜すに捜せないわ」
日が傾いた湖の辺りに私とレーメンの影が照らさし出される。
そして、語られる魔獣の容姿。
『その魔獣は、巨大な口に鋭い牙のような歯があり、巨大な体で軽々と私の友人を連れ去ったそうです……全身は夕陽のような橙色で、以前から噂に名高い森の支配者の部下のようなんです、流石の私も森の支配者を相手に勝てるかわからずにいます』
何よ? モーム以外にレーメンってボスキャラがいるのに、更に支配者がいるの……他人事じゃなくなってきたわね。
「で、森の支配者の名前とかはわかるの?」
私の質問に首を横に振るレーメン。
『悪魔のような魔力と自在に姿を変えると言う話ですが……私達、エレメントは精霊であり、森の声しか聞けません。どうか、私の友人を助けて』
私はレーメンの話を聞いて敵は私のマップにめ現れない存在であると理解したわ。
それはつまり、敵に襲われる恐れがあり、その際にマップが使えない事実を私に教えていたわ。
私はレーメンに友達を捜す代わりに水の浄化をお願いしたの、レーメン本人は気づいていないみたいだけど、湖は毒のマークが広がり確実に木々に影響を与えていたわ。
「レーメン、友達捜しは任せて、私の使い魔達は優秀だから直ぐに見つかるわよ。序でにその森の支配者気取りの悪党も私が捕まえてあげるわ」
私はレーメンの目の前で召喚魔法を発動するとデンキチ、メガ、モーム、ボスの4人を召喚したの。
「この森の中でこの子達に探し出せない者はいないわ。任せてねレーメン」
しかし、私はレーメンの怒りに満ちた表情を目の当たりにすることになったの。
『橙色の魔獣……そうか、私を最初から狙っていたと言う事か……カミル、いや、森の支配者よ……私は容易く倒せぬぞ!』
へ? 何の話よ! と言うより、話を聞いてくれる雰囲気じゃないわ!
1
お気に入りに追加
547
あなたにおすすめの小説
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
邪神討伐後、異世界から追放された勇者は地球でスローライフを謳歌する ~邪神が復活したから戻って来いと言われても、今さらもう遅い~
八又ナガト
ファンタジー
「邪神を討伐した今、邪神をも超える勇者という存在は、民にとって新たなる恐怖を生み出すだけ。よって勇者アルスをこの世界から追放する!」
邪神討伐後、王都に帰還したアルスに待ち受けていたのは、アルスを異世界に追放するというふざけた宣告だった。
邪神を倒した勇者が、国王以上の権力と名声を持つことを嫌悪したからだ。
「確かに邪神は倒しましたが、あれは時間を経て復活する存在です。私を追放すれば、その時に対処できる人間がいなくなりますよ」
「ぬかせ! 邪神の討伐から復活までは、最低でも200年以上かかるという記録が残っている! 無駄な足掻きは止めろ!」
アルスの訴えもむなしく、王国に伝わる世界間転移魔法によって、アルスは異世界に追放されてしまうことになる。
だが、それでアルスが絶望することはなかった。
「これまではずっと勇者として戦い続けてきた。これからはこの世界で、ゆったりと余生を過ごすことにしよう!」
スローライフを満喫することにしたアルス。
その後、アルスは地球と呼ばれるその世界に住む少女とともに、何一つとして不自由のない幸せな日々を送ることになった。
一方、王国では未曽有の事態が発生していた。
神聖力と呼ばれる、邪悪な存在を消滅させる力を有している勇者がいなくなったことにより、世界のバランスは乱れ、一か月も経たないうちに新たな邪神が生まれようとしていた。
世界は滅亡への道を歩み始めるのだった。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる