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第二章

15災禍との戦い

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 「いやぁ~助かったと、トリさん」

「いやいや、俺なんて、なーにもしてねぇよ?ただ水を出してやっただけさ」

「トリさーん次はこっちにおねがーい!」

「あいよぉー」

海界さんは色々な人から引っ張りだこの状態です。実は私と海界さんは王様が民衆に勇者だと伝える時に名前だけにして貰ったんです。そして海界さんは冒険者トリと名乗って人助けをしていて

「ヨツバちゃんいつもありがとね!ヨツバちゃんの笑顔を見ると元気になるってお客さん言ってたわよ」

「ええ~!嬉しいです!」

私はヨツバという新しく引っ越して着た街娘として過ごしてました。実の所勇者よりもこんな生活に憧れていたんです

「はいこれ。お礼のパン」

「うわ~クロワッサンだ!ありがとうございます!!」

私は自分の家にそれを持ち帰ってから海界さんと合流して

「どうだった?」

「駄目でした‥冒険者の人達も見てないって」

「そっか‥」

西条さんの情報がないかどうか話し合います。あの日から私達二人は西条さんを探す為に街の外を出たりしたのですが。舞島君の言う通り西条さんは遠い場所に飛ばされてたらしくてほとんど情報がありませんでした。

「西条待ってろよ必ず見つけてやるからな」

「あの、どうして海界さんは必死になれるんですか?」

「んあ?そう言う秋野ちゃんも必死じゃねぇか」

「そうなんですけど‥冒険者登録してまで探しておられるのすごいなぁと思って」

私も冒険者登録しようとしたのですがステータスが低すぎる為ミランダさんの働いているギルドの店員として働きながら情報を探す事になったんです

「‥弟とにてるんだよ。あいつ」

「弟さんと?」

「おうよ!元気でいつもニコニコ笑ってて。ある日突然いなくなっちまった」

「え?」

「弟は探しても見つからなかったけどよ!今度はちゃんと見つけてやりたいて思うんだよオレ」

「海界さん‥」

海界さんは西条さんが弟さんと似ていると感じたらしく。必死に探していたんだって、私はただ自分にもっと力が有れば助けられたのにて後悔が一番の行動力になっているから。そう思うと私てあんまりいい理由で行動してないのかなぁて思っちゃった

そんな時に

「舞島君から一斉通知?‥災禍の出現を確認?!」

「マジかよ‥来やがったのか」

その通知を受けた私達は急いで城に戻りました


「良く集まってくれた勇者の皆様」

「そんな事どうでもいいから早く教えてよ、災禍が出たんでしょ?」

「おい、舞島。お前」

王様にもこの態度。ブレないなぁ舞島君‥でも臣下の人達物凄く睨みつけてるから気おつけて~!

「オホン‥!ここから南に突如大きな紫色をしたクリスタルが現れた。それから災禍の魔力反応が感知されたと報告が入った」

「クリスタル?被害は?」

「出ておらん、しかしいつ被害を出すか分からんから早々に始末して欲しい」

「了解、ほら皆んないくよ」

舞島君はそう言ってマップを開いてから災禍の反応を探します、そこからすぐに「見つけた」と言ってから

「ワープするから近くに来て」

と言ったので私達は舞島君に近寄った瞬間景色がお城から外になりました。遠くを見ると本当にまんまるな紫色をしたクリスタルが宙をふわふわと浮いていたんです

「あれが災禍?」

「鑑定‥レベル10。うん体力と物理、魔法の耐久力が高いだけの雑魚だよあれ」

災禍なのにレベル10?なんだかダンジョン近くにいたスライムさんとおんなじレベルだ

「ナズナ、僕にバフかけて」

「は?なんでよまあいいけどさ‥」

そう言ってナズナさんは舞島君にバフをかけた瞬間。舞島君は詠唱を始めました

「え?!ちょっと待ちなさいよ!!まだどんな力があるか分かんないのよ!!軽率な行動はやめなさい!!」

相沢さんが舞島君を止めますが彼は詠唱をやめません。

「勇者の声を聞け。僕は災禍祓う希望の光。我が剣に集え人々の希望の光よ!!」

剣が黄金に輝き出す。舞島が剣を空に掲げると災禍のクリスタルの頭上に巨大な魔法陣が現れそのまま眩い輝きを放ちながらクリスタルに落ちていく。クリスタルからは火花が飛び散り所々かけてゆき最後にガラスが割れるような音を辺りに響かせながら真っ二つに割れた。

「はい、終わり。呆気なかったね」

「凄い‥」

「ちょ!あんたやるじゃんか!!今まで馬鹿にしてごめんね!」

「‥‥ねぇ本当にこれで終わったの?第二形態とかあるんじゃないの?」

私達が色々舞島君に聞きますが彼は

「倒したんだからいいでしょ?反応は完全に消滅したんだしさ」

と言って撤収準備をしていたその時海界さんが






「っ!!!!!」

「ほら海界さっさとかえ「母なる海よ!その大いなる体で我らを包め!!!」

「え?え?」

戸惑う私達を置いて海界さんは大きな結界を貼りました。その次の瞬間


「アハハハハハハハ!!!」

と女性の声が聞こえた同時に紫の輝きが私達を包みました。


 目が覚めた時にはそこにあった山も湖も村も小さな街も何もかもなくなり、荒地になっていました。

「え?え?皆んな!!」

私は急いでみんなを探している時に出会ってしまったのです

紫の肌にムチのような尻尾。頭には鬼みたいなツノが生えた女性を

「あ」

「ん?あら?あら?あら?可愛らしい子猫ちゃんね?」

どうしよう、身体が動かないよ‥怖い。誰か助けて‥!

「あら、やだ!泣いてるの?大丈夫?安心して、私弱い物いじめは趣味じゃないの、だから"貴方だけは助けてあ・げ・る"」

そう言って彼女は私など興味がないように通り過ぎて行きました。

「何ぼさっとしてんだよ!!そいつは災禍だ!!」

私の前に全速力で走って来た舞島君が私に声をかけてくれて私も正気に戻りその女性に

「お、お願いします!と、止まって!」

「なにがお願いしますだ!馬鹿お前は?!」

「あら!!可愛い子猫ちゃんが増えたわね?でも、僕女の子相手にそんなこと言っちゃダーメ」

そう言いながらその女性はクスクスと笑う。舞島はそのまま光の剣を出して構えるそれを見て

「やだぁ~貴方勇者なの?じゃあ殺さないと!」

と女は喜びながら腰をくねらせる。すると舞島の足元に紫の魔法陣が現れて

「うわああああああ!!!!!」

彼の体に電流が走る、彼は光の剣を維持出来なくなりその場に膝をついてしまう

「舞島君!!」

「え?貴方達、"誰かに召喚されたの?"」

「え?お、王様。バクス王だよ」

それを聞いた女性の顔から笑みが消えます。そこからは静かな怒りの感情を感じる

「そう、そうなのね‥"自分達で解決しようとしないのね"」

そう言いながら彼女は「はぁ~~~幻滅~~~!」と言いながら両手を上に上げた瞬間紫色の球体が空に打ち上げられる。そのあとすぐに紫の光の雨が降り注ぐ。光の雨が落ちた所から次々とスケルトンが現れる。そのスケルトン達は鎧や服を着ておりまるで今まで普通に生活していないたのではないか?と感じる

「まさか‥」

「なぁに?あ、これ?いいでしょ。私の攻撃で死んだ子達はみーんな私の可愛いスケルトンになるのよ。さあ皆んな!あの電撃で身も心も痺れている男の子を私色に染めちゃって!!」

スケルトン達が一斉に舞島に走ってくるが

「こ、来ないでぇ!」

秋野の叫んだ瞬間光のベールが現れてスケルトン達を浄化していき、女の肌から煙が立ち上がる

「ワァーオ!貴方最高!貴方こそ"本物の巫女"じゃな~い。で~も残念‥"異世界の巫女"じゃ私は倒せないのよ」

「え?それってどういう?」




 そのまま私は意識を失いました。目を覚ますと海界さんが私に声をかけてくれていて、周りにはスヤスヤと寝息を立てている沢山の人達がいました。どうやら私はスケルトンになった人達を元に戻したそうですが

「お前のせいだ‥」

「え?」

「お前のせいで、災禍を逃した!!どうするんだよ!僕の顔に泥を塗った挙句あんな災害を逃したんだぞ!!」

どうやら私のせいで災禍を逃してしまったようです

「お前があの時、気を失ったりするから!災禍がそのまま逃げたんだ!僕が呪文を解除するまで起きていれば絶対に仕留められてた!奴はたったの15レベルだぞ?!」

「ごめんなさい‥」

「まずテメェのせいでこんな事になったんだろうが!!何も考えずに大技打ってそのまま街や村を消し炭にしやがってどうすんだよ!!」

「そこ二人!静かにして、こっちはあきのっちが戻してくれた人達を回復すんのに集中してんの」

「最悪、最悪、最悪よ。どうすんのよこれ村の人や街の人の殆どがスケルトン化してあいつの仲間になるし、城付近の街とか村とか山とか全部、全部消滅。どうしようまた色々言われるのかな‥助けてデュリナス‥」

いままで以上に険悪なチームになっていました。災禍を逃した事により今まで我慢していた舞島君は私に溜まっていたイライラをぶつけて来ます

「そもそも、なんであの場にいたのがお前なんだよ!!何にも出来ない癖に、止まってくださいだ?馬鹿にするのも大概にしろよな!!自分の身体使って止めに行くくらいしろよ!」

「ごめん‥なさい」

「毎回、毎回、雑魚のお守りする僕の身にもなれよ!あーあ、お前せいで僕の勇者生活は終わりだよ、終わり!どうしてくれんだよ」

「‥ごめんなさい」

「おい、テメェふざけるのも大概にしろよ!!」

「なに?また僕のせい?違うだろ?こいつが弱いからだろうが、なんでもかんでも僕のせいにするなよな。この際だから言わせて貰うけどさ秋野」

「はい‥」





「お前の笑顔見てるとイライラするんだよ、今から僕の前から消えろ」

「舞島ぁぁぁぁぁ!!!!!」

「分かった!!」

「秋野ちゃん?」

「ごめんなさい、私のせいで。そうだよね、何も出来ないのにただ笑ってるだけの私はいらないよね」

そこにいた彼女からはいつもの笑顔は何処にもなく、ただ真剣な眼差しで舞島を見ていた。

「なんだよ、気づいてたんじゃんか」

「お前!!!」

「いいんだよ、海界さん」

彼女は舞島に自分の顔を見せないように立ち海界にだけ笑いかける

「っ‥!でもよ!!」

そのまま彼女は舞島の方を向いて頭さげる

「だけど、この治療が済むまではここにいさせて下さい。そのあとは二度と姿を見せませんから」

「分かったこの治療が終わってからは姿を消せよ。街にも歩いて帰れ」

「うん、分かった」

「秋野ちゃん!!」

舞島はそのままスタスタと歩いてから秋野に振り返り

「良かったな、お前だけ"無事で"」

そう言って彼は歩いっていった。























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