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第一章

03最高のレベリング方法

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 真っ暗な中を歩き続ける、飛ばされてから何時間経ったのだろうか?ステータス画面を開いても時間だけは表示されないし、マップすら表示不明になっている。

「‥どうしてなんだよ」

頭の中では先程の戦いがずっとこびり付いていおり、離れない。勇者として呼ばれたからはずなのに、この世界の敵の災禍と呼ばれて殺されかけた。俺を守ろうとしてくれた海原さんと秋野さんは無事だろうか。

そんな事を思いつつ、俺は必死に出口を探す。それにしても腹が減った‥このままだと俺は餓死するんじゃないだろうか。それよりもモンスターに合ってそのまま

「止めよう‥マイナスな事ばかり考えるのは」

楽しいこと‥いっぱい考えてたな、勇者達と仲良くなって異世界の可愛い子達と知り合ってそのまま付き合ったりしてさ。災禍を倒したらそのまま異世界ライフを楽しんで‥

「親父やお袋はどうしてるかな‥」

異世界に来れたことで忘れていた、親父とお袋はきっと俺がいなくなったら悲しむよな。ああ、異世界に行きたいなんて思うんじゃなかった。今すぐ会いたいよ‥

「!!」

マップに敵性反応がある‥!レベル1でかつ全てのステータス4の俺が勝てる訳ない。どうする‥?どうする!

逃げないと‥早く、逃げないと死ぬ!!

西条はそのまま後ろに下がろうとした時に足元にあった骨を踏んでしまった。その音に反応したのか反応が近づいてくる

「うそだろ、こんなしょうもないことで」

俺はとにかく走る、走る、走る!!反応がどんどん近づいてくる‥!!迎え撃つなんて無理だ‥武器だって具現化できないんだぞ!どうして俺ばっかりこんな目に

西条は一心不乱に走り続ける、しかし反応はずっと追いかけて来ている。後ろからは猛獣のような唸り声が聞こえており西条は目に涙を浮かべながら走り続けるが




「行き止まり?!」

嘘だろ?!そんな俺このままじゃ

「グルルル‥」

後ろには狼がいた、そいつのレベルは"83レベル"殆どのステータスが1000を超えていた。

「あ、無理だ‥」

つぶやいた彼に狼が襲いかかる

「ウワァァァァ!!!」

彼の腕に食いついた狼はその腕をちぎり咀嚼する。西条はヒットポイントが噛まれた段階で-666になりそのまま動かなくなった












 「あれ‥」

俺が目を覚ますとそこは狼に食い殺された場所だった。しかし体は何処も痛くなく、怪我すらしていない。服も泥だらけだが破れてもいないし血もついていないが周りから酷い悪臭がする

「どうなってんだよ‥俺の体」

ステータスを確認するとレベルが上がっていた、最初は1だったのに今は15レベルになっている。俺は確かに狼食われて死んだはずじゃ‥

「え?」

その奥を見ると俺を襲った狼が腐っていた、酷い悪臭を放ちながら。その口には俺の腕が加えられている。慌てて腕をみるがちゃんとついているしなんの問題もなく動く

「あ、スキルポイントが溜まってる!!」

俺はスキルを開いてポイントを確認する、どうやらステータス成長は何本にも枝分かれしたツリータイプのようで様々な能力が分かった。俺はどうやら全状態異常耐性50%、即死反魂、道連れ、災禍の卵という固有スキルを持っていたらしい


「やっぱり固有スキルあるじゃねぇか‥あのクソガキ‥」

何が言い訳だ、何がスキルなんてないでしょだ、だったらなんでMP30しかない海界さんがあんなにバンバンスキル出せるんだよ‥

「くそ、くそ、くそ!!」

ステータスだけ見て舐めやがって‥絶対に泣かすからな覚えとけよ‥。つうかやっぱ俺災禍だったんだな、卵てことはまだ羽化してないって事だよな

「このまま、羽化したら‥化け物になっちまうのかな」

嫌だなそれ、出来れば秋野さんと海界さんだけは傷つけたくない。俺を唯一守ってくれた二人だ、というかこの二人以外の勇者はどうでもいい

「‥頭いてぇ」

先程から頭が痛いが。折角のスキルポイントだ、何か覚えよう。えーと何がある‥て色々ありすぎるなこれ。一応即死反魂?て奴があるから即死なら確実に生き返る事が出来るぽいから最大HPは上げない方がいいよな?まじでゲームやった事ないからわからんぞ‥

「よし、死にまくってレベル上げよう」

あれ俺こんなに死ぬの怖くなかったけ?


西条はそのままスキルツリーを見ながら自分を殺せるモンスターを探す。彼のスキルの中にある災禍の卵が赤く点滅しているのに西条は気づかなかった



 狼を見つけて、襲いかかって。殺されて。レベルが上がって。また狼を見つけて襲われて。殺されて。レベルが上がって。また、殺されて、殺されて、殺されて、殺されて、殺されてレベルが上がってまた殺される


「‥何回死んだんだろう?」

俺は洞窟の中で大の字になり寝転がっていた。最初にあった頭の痛みも無くなって横を見ると狼の死体がある

「腹減ってたんだよな俺」

俺はその狼の腐っていない部分を食ってみる。獣臭いし食えたもんじゃない‥

「おえ‥まずゲテモノでも美味しく食べられるスキルとかねぇかなぁ」

そんな事を思いつつ、俺はスキルツリーを確認する。俺はその中にあった異食と書かれているスキルに目が止まる

「えっと激物や毒物と言った物しか食べられなくなるがデメリットなしに食す事が出来るスキル」

へぇ、いいじゃんこれ。どうせ当分はここから出られないんだしさ。いいやを取ろう。後は‥いや即死反魂と自動道連れが強すぎるから適当に固有のスキルを取ろうと

「えっと覚めない怒りいいじゃんこれ取ろ。んでおお罪なき者かっこいいじゃんこれもとって、え?これ強くね怠惰な男も取ろ」

俺は無心に色々なんか強そうなスキルを取った、その中でも覚めない怒り、罪なき者、怠惰な男、軽薄な双子というスキルは個人的に強いと感じた。

覚めない怒りは特定のモンスターや人物を復讐対象にしてそいつに対するダメージの上昇と俺の受けるダメージの半減

罪なき者は言葉通り何をしても罪にならない。それが例え人殺しでも正当防衛と認められて咎められない。それがスタック式らしく一スタックで一体の信者を獲得出来るようになる。まあ、自分の仲間を自分で作れるて事だ

怠惰な男は戦闘時自分の任意のタイミングで体力と魔力を完全に回復出来るスキルだ。発動するのに少しだけ時間がいるがそう簡単に魔力がそこをつくなんてないからデメリットはないな

最後に軽薄な双子。俺をもう一人作れる分身スキル。ステータスもスキルも魔法も俺とそのままだから本当に俺が二人いる事になる。維持するのにかなりのMPを消費するけどいないよりましだ

「よし、かなり強くなったんじゃないか?これなら‥あの馬鹿共を見返せる‥フフ、ハハ、ハハハハハハハハハハ‥‥‥」

男の泣き声にも笑い声にも聞こえる声が洞窟に響き渡った
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