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本編
先祖返り
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深い眠りの世界から抜け出した時、寝惚けた茉莉愛は暖かくふかふかな感触に思わず頬ずりしていた。毛布も上等な物なのだと思い、もっと手繰り寄せようとしたところで異変に気付く。
毛布ではない。それ自体が熱を持ち、脈打っている。ぱちぱちと瞬きをして、全体を把握しようとした茉莉愛の目に飛び込んできたのは大きな獣の姿であった。
「ひ……っ! いっ!」
悲鳴を上げ、じたばたと逃げた茉莉愛はベッドから転がり落ちてしまう。
だが、そんな痛みよりも、どろりと液体が奥から流れる生々しい感触に茉莉愛はぶるりと震える。
途中から記憶がないが、服を着ていない自分と足の間から溢れた大量の白濁、転がる複数の空き瓶が昨夜の情事の記憶を否応なしに引きずり出す。
だが、思い返して赤面している場合ではない。獣の方が気になり、そっと様子を窺う。
青みを帯びた銀の毛に覆われた狼に似た獣は茉莉愛が落ちたことで目を覚ましてしまったようだ。
ゆっくりと身体を起こした獣の青い目に茉莉愛の姿が映っている。
「マリア? どうしてそんなところにいるの?」
獣が首を傾げる様は不思議であるが、その声はアルベールである。それがどういうことなのか、考えた茉莉愛はとんちんかんな答えを導き出してしまった。
「あ、アル! 食べられちゃったの!?」
「えっ、僕だよ?」
獣は驚いた様子だ。確かにその体毛の色はアルベールの本来の髪の色であり、近付いて見ればその青い目の瞳孔は金色を纏っている。
建国の祖である聖獣と同じ姿ではあるが、昨夜見たアルベールの姿は耳が生えただけの人間だった。
「だ、だって、その姿……」
「うわぁっ!」
自分の姿に気付いていなかったのか、己の両手を見てアルベールも驚いたようだ。
「ありがとう、マリア! 実験は大成功だ!!」
ひどく嬉しそうなアルベールの声が聞こえたと思えば、飛びかかってくる気配に茉莉愛は反応できなかった。
「きゃっ!」
再び茉莉愛は暖かな毛の感触に包まれていた。
犬に抱きつかれていると思うにしても自分よりも大きい獣が相手だ。簡単に食い殺されてしまうだろう。けれども、感じるのは敵意ではなく、親愛の情のようである。
「あ、アルなの……本当に……?」
そうだよ、と言う声は確かに目の前の獣から聞こえた。
彼はこうなるとわかっていたのか。このための実験だったのか。茉莉愛にとっては騙されたような気持ちである。
「僕もここまで変わるとは思わなかったけど、これで俺の出自を疑うじじい共も黙らせられるし、君を役立たず呼ばわりした奴らを後悔させられる」
断罪でもするつもりなのか。
国王でさえ耳が生えているだけだ。獣の姿になれるという話は聞いていない。先祖への回帰なのか。
アルベールにとっては喜ばしいことなのだろうが、茉莉愛にとっては複雑で寂しい気持ちになる。
「この姿は怖い?」
不安が伝わってしまったかのような問いに茉莉愛は答えられなかった。アルベールならば、理性と知性を持つ聖獣であるならば怖くはないが、彼が人に戻れない方が恐ろしかった。
「戻ろうか?」
「戻れるの?」
「やってみる」
そうしてアルベールが離れ、茉莉愛がその様子を窺った一刹那――
「きゃあっ! 服! 服着て!」
あっという間に獣の姿が消え、現れたのは全裸のアルベールであり、茉莉愛は咄嗟に顔を背ける。
「昨日、あんなに愛し合ったのに? くっつけば見えなくなるよ」
目のやり場に困るのであって、そういうことを求めているのではない。当たってしまうものもあるだろうと茉莉愛は思うのだが、アルベールは構わずに抱き着いてくる。
素肌をぴったりと合わせるような抱擁に不快感はなかったが、違和感はあった。それはアルベールも同じだったようだ。
「あれ? マリアが小さい?」
身体を離したアルベールが不思議そうに自分を見ているから、マリアもじっと彼を観察する。先程は一瞬で目を逸らしてしまったからよく見ていなかったが、抱き締められる感触が昨夜とは違ったのだ。
「アル……?」
青銀の髪に金と青の瞳、聖獣の耳はそのままの彼は確かにアルベールであるはずだが、もっと大人びて見える。
茉莉愛を抱き締めていた腕に頼りなさはなく、病弱だったとは思えない逞しい肉体がそこにある。背も伸びたのだろうか。茉莉愛が知るアルベールの姿ともリュシアンの姿とも異なる。
「ははっ……本当に君は最高だ……!」
それは本当に呪いだったのかはわからない。しかしながら、少年を一夜にして大人に変えてしまった。
「身体、痛くないの? 成長痛みたいな……」
「心配してくれてるの?」
茉莉愛としては単純に心配だっただけなのだが、アルベールは妙に嬉しそうである。
「でも、ちょっと飲んだ方がいいかな?」
何を飲むというのだろうか、何か嫌な予感がしながらも茉莉愛は動くことができなかった。瓶を物色するアルベールの下半身を視界に入れないようにしながら。
「アルが……アルがいない……」
離れて見ればアルベールは随分と背が高くなってしまったようだ。リュシアンに対して苦手意識があっただけに黒髪でないことにも見慣れられないでいる。あれは魔法か何かで見た目を変えていたということなのだろう。
「いるでしょ? ここに」
呆然と呟いた茉莉愛に瓶の中身を飲み干したアルベールが苦笑いを浮かべる。
「可愛いアルじゃない……!」
茉莉愛からすれば詐欺のようなものだ。
「俺じゃ、不満?」
再び近付いてくるアルベールにやはり不穏な気配を感じながら茉莉愛はどうにか立ち上がって逃げようとするが、あっという間に捕まってしまう。
「あーあ、いっぱいこぼしちゃったね」
アルベールの手が太股を這い、溢れ出た精液を掬った指が密壷へと指が入り込んでくる。
「や、やぁっ……!」
押し込んでいるのか、掻き出しているのか、中で動き回る指がぐちゅぐちゅと音を立てる。快感の火がつきそうで、茉莉愛は首を横に振るが、しっかりと抱き締められてしまう。
「汚れちゃ、からぁ……!」
「魔法で綺麗になるから大丈夫だよ」
ぽたぽたと垂れる体液が絨毯を汚すのが茉莉愛には気になるのに、アルベールはむしろ汚そうとしているようですらある。魔法とは便利ではあるが、茉莉愛にとっては恨めしくもなるものだった。
「報告に行かなきゃいけないんだけど……その前にもう一回しよ♡」
「む、むり!」
熱く硬い感触が擦りつけられるのを感じながら、それでも茉莉愛は首を横に振る。昨夜あれほどしたと言うのに、一回で済むとも思えない。
「だめ?」
「だ、だめ……!」
少し低くなった声を吐息と共に耳に吹き込まれれば頷きそうにもなってしまうが、誘惑に抗おうと茉莉愛は必死だった。もう媚薬の効果は切れているが、初めての行為で気持ち良さを覚えてしまったからこそ、身体の奥が求め始めているのがわかってしまったのだ。
「ねぇ、マリア。もう僕は君の可愛いアルベールでいてあげられないよ。正体もバレちゃったし、立派に成長できたわけだし?」
昨日までのアルベールはここにはいない。だが、茉莉愛が好きになった彼がいなくなったわけでもない。
「これからは俺が君を愛してあげる。だから、俺を愛して?」
それはリュシアンとしての言葉だったのかはわからない。茉莉愛に確かめる時間など与えられなかった。
「ひ、あぁっ!」
後ろから入り込んできた陰茎が茉莉愛の中を押し広げ、奥まで入り込む。
「ある……だめ、こんな……ぁあんっ!」
立ったまま貫かれるなどとは思いもしなかったのに、アルベールは腰を動かし始める。
昨夜どれほど貪られたかわからないが、ベッドから動けないほどではなかった。だが、今度こそ本当に動けなくなるかもしれない。
「またいっぱい注いであげるからね」
「も、いい……!」
溢れた精液が太股を伝って落ちていくのを感じながら、掴まる場所もない。
「そんなこと言われたら傷つくな……俺の愛、伝わらなかったかな?」
「じゅ、ぶん、だからぁっ!」
もう十分すぎるほど愛され、今茉莉愛が求めるのはそういうことではない。
「俺は足りないし、もっと欲張りになっていいのに」
一国の王子に求愛されて、これ以上何を求めれば良いのか。茉莉愛が望むのは説明だ。
それなのに、自分では支えられない身体を遠慮なしに揺すぶられて、茉莉愛は喘ぐことしかできなくなる
「ゃ、あっあぁっ!」
果てるのに時間はかからなかった。昨夜の熱が一気にぶり返すようだ。それはアルベールも同じだったのかもしれない。
「あぁ……ほんと最高♡」
昨夜と変わらぬ勢いで射精したアルベールはうっとりと呟く。この一度で済むことを茉莉愛は切に願っていたのだが――
「ゃっ、も、やぁっ!」
崩れ落ちそうになっていた身体が下ろされ、床に手と膝をついた茉莉愛はやはり一回で終わらないのだと悟った。
「獣っぽいね」
動物の交尾のような体勢をアルベールは楽しんでいるようだった。昨夜とはまた違う体勢である。
「あっ! いっかい、って……!」
「ごめん、マリアが可愛すぎて」
言っても無駄だとはわかっていた。そんな言葉でごまかされるつもりもなかったが、快楽には抗えないものである。
「うそ、つきぃ……!」
「姿を偽ってたことは謝るけど、俺の気持ちに嘘はないよ。本物の君を愛している」
その愛の重さを示すかのように何度も腰を打ち付けられ、茉莉愛は快楽に飲み込まれていくのだった。
毛布ではない。それ自体が熱を持ち、脈打っている。ぱちぱちと瞬きをして、全体を把握しようとした茉莉愛の目に飛び込んできたのは大きな獣の姿であった。
「ひ……っ! いっ!」
悲鳴を上げ、じたばたと逃げた茉莉愛はベッドから転がり落ちてしまう。
だが、そんな痛みよりも、どろりと液体が奥から流れる生々しい感触に茉莉愛はぶるりと震える。
途中から記憶がないが、服を着ていない自分と足の間から溢れた大量の白濁、転がる複数の空き瓶が昨夜の情事の記憶を否応なしに引きずり出す。
だが、思い返して赤面している場合ではない。獣の方が気になり、そっと様子を窺う。
青みを帯びた銀の毛に覆われた狼に似た獣は茉莉愛が落ちたことで目を覚ましてしまったようだ。
ゆっくりと身体を起こした獣の青い目に茉莉愛の姿が映っている。
「マリア? どうしてそんなところにいるの?」
獣が首を傾げる様は不思議であるが、その声はアルベールである。それがどういうことなのか、考えた茉莉愛はとんちんかんな答えを導き出してしまった。
「あ、アル! 食べられちゃったの!?」
「えっ、僕だよ?」
獣は驚いた様子だ。確かにその体毛の色はアルベールの本来の髪の色であり、近付いて見ればその青い目の瞳孔は金色を纏っている。
建国の祖である聖獣と同じ姿ではあるが、昨夜見たアルベールの姿は耳が生えただけの人間だった。
「だ、だって、その姿……」
「うわぁっ!」
自分の姿に気付いていなかったのか、己の両手を見てアルベールも驚いたようだ。
「ありがとう、マリア! 実験は大成功だ!!」
ひどく嬉しそうなアルベールの声が聞こえたと思えば、飛びかかってくる気配に茉莉愛は反応できなかった。
「きゃっ!」
再び茉莉愛は暖かな毛の感触に包まれていた。
犬に抱きつかれていると思うにしても自分よりも大きい獣が相手だ。簡単に食い殺されてしまうだろう。けれども、感じるのは敵意ではなく、親愛の情のようである。
「あ、アルなの……本当に……?」
そうだよ、と言う声は確かに目の前の獣から聞こえた。
彼はこうなるとわかっていたのか。このための実験だったのか。茉莉愛にとっては騙されたような気持ちである。
「僕もここまで変わるとは思わなかったけど、これで俺の出自を疑うじじい共も黙らせられるし、君を役立たず呼ばわりした奴らを後悔させられる」
断罪でもするつもりなのか。
国王でさえ耳が生えているだけだ。獣の姿になれるという話は聞いていない。先祖への回帰なのか。
アルベールにとっては喜ばしいことなのだろうが、茉莉愛にとっては複雑で寂しい気持ちになる。
「この姿は怖い?」
不安が伝わってしまったかのような問いに茉莉愛は答えられなかった。アルベールならば、理性と知性を持つ聖獣であるならば怖くはないが、彼が人に戻れない方が恐ろしかった。
「戻ろうか?」
「戻れるの?」
「やってみる」
そうしてアルベールが離れ、茉莉愛がその様子を窺った一刹那――
「きゃあっ! 服! 服着て!」
あっという間に獣の姿が消え、現れたのは全裸のアルベールであり、茉莉愛は咄嗟に顔を背ける。
「昨日、あんなに愛し合ったのに? くっつけば見えなくなるよ」
目のやり場に困るのであって、そういうことを求めているのではない。当たってしまうものもあるだろうと茉莉愛は思うのだが、アルベールは構わずに抱き着いてくる。
素肌をぴったりと合わせるような抱擁に不快感はなかったが、違和感はあった。それはアルベールも同じだったようだ。
「あれ? マリアが小さい?」
身体を離したアルベールが不思議そうに自分を見ているから、マリアもじっと彼を観察する。先程は一瞬で目を逸らしてしまったからよく見ていなかったが、抱き締められる感触が昨夜とは違ったのだ。
「アル……?」
青銀の髪に金と青の瞳、聖獣の耳はそのままの彼は確かにアルベールであるはずだが、もっと大人びて見える。
茉莉愛を抱き締めていた腕に頼りなさはなく、病弱だったとは思えない逞しい肉体がそこにある。背も伸びたのだろうか。茉莉愛が知るアルベールの姿ともリュシアンの姿とも異なる。
「ははっ……本当に君は最高だ……!」
それは本当に呪いだったのかはわからない。しかしながら、少年を一夜にして大人に変えてしまった。
「身体、痛くないの? 成長痛みたいな……」
「心配してくれてるの?」
茉莉愛としては単純に心配だっただけなのだが、アルベールは妙に嬉しそうである。
「でも、ちょっと飲んだ方がいいかな?」
何を飲むというのだろうか、何か嫌な予感がしながらも茉莉愛は動くことができなかった。瓶を物色するアルベールの下半身を視界に入れないようにしながら。
「アルが……アルがいない……」
離れて見ればアルベールは随分と背が高くなってしまったようだ。リュシアンに対して苦手意識があっただけに黒髪でないことにも見慣れられないでいる。あれは魔法か何かで見た目を変えていたということなのだろう。
「いるでしょ? ここに」
呆然と呟いた茉莉愛に瓶の中身を飲み干したアルベールが苦笑いを浮かべる。
「可愛いアルじゃない……!」
茉莉愛からすれば詐欺のようなものだ。
「俺じゃ、不満?」
再び近付いてくるアルベールにやはり不穏な気配を感じながら茉莉愛はどうにか立ち上がって逃げようとするが、あっという間に捕まってしまう。
「あーあ、いっぱいこぼしちゃったね」
アルベールの手が太股を這い、溢れ出た精液を掬った指が密壷へと指が入り込んでくる。
「や、やぁっ……!」
押し込んでいるのか、掻き出しているのか、中で動き回る指がぐちゅぐちゅと音を立てる。快感の火がつきそうで、茉莉愛は首を横に振るが、しっかりと抱き締められてしまう。
「汚れちゃ、からぁ……!」
「魔法で綺麗になるから大丈夫だよ」
ぽたぽたと垂れる体液が絨毯を汚すのが茉莉愛には気になるのに、アルベールはむしろ汚そうとしているようですらある。魔法とは便利ではあるが、茉莉愛にとっては恨めしくもなるものだった。
「報告に行かなきゃいけないんだけど……その前にもう一回しよ♡」
「む、むり!」
熱く硬い感触が擦りつけられるのを感じながら、それでも茉莉愛は首を横に振る。昨夜あれほどしたと言うのに、一回で済むとも思えない。
「だめ?」
「だ、だめ……!」
少し低くなった声を吐息と共に耳に吹き込まれれば頷きそうにもなってしまうが、誘惑に抗おうと茉莉愛は必死だった。もう媚薬の効果は切れているが、初めての行為で気持ち良さを覚えてしまったからこそ、身体の奥が求め始めているのがわかってしまったのだ。
「ねぇ、マリア。もう僕は君の可愛いアルベールでいてあげられないよ。正体もバレちゃったし、立派に成長できたわけだし?」
昨日までのアルベールはここにはいない。だが、茉莉愛が好きになった彼がいなくなったわけでもない。
「これからは俺が君を愛してあげる。だから、俺を愛して?」
それはリュシアンとしての言葉だったのかはわからない。茉莉愛に確かめる時間など与えられなかった。
「ひ、あぁっ!」
後ろから入り込んできた陰茎が茉莉愛の中を押し広げ、奥まで入り込む。
「ある……だめ、こんな……ぁあんっ!」
立ったまま貫かれるなどとは思いもしなかったのに、アルベールは腰を動かし始める。
昨夜どれほど貪られたかわからないが、ベッドから動けないほどではなかった。だが、今度こそ本当に動けなくなるかもしれない。
「またいっぱい注いであげるからね」
「も、いい……!」
溢れた精液が太股を伝って落ちていくのを感じながら、掴まる場所もない。
「そんなこと言われたら傷つくな……俺の愛、伝わらなかったかな?」
「じゅ、ぶん、だからぁっ!」
もう十分すぎるほど愛され、今茉莉愛が求めるのはそういうことではない。
「俺は足りないし、もっと欲張りになっていいのに」
一国の王子に求愛されて、これ以上何を求めれば良いのか。茉莉愛が望むのは説明だ。
それなのに、自分では支えられない身体を遠慮なしに揺すぶられて、茉莉愛は喘ぐことしかできなくなる
「ゃ、あっあぁっ!」
果てるのに時間はかからなかった。昨夜の熱が一気にぶり返すようだ。それはアルベールも同じだったのかもしれない。
「あぁ……ほんと最高♡」
昨夜と変わらぬ勢いで射精したアルベールはうっとりと呟く。この一度で済むことを茉莉愛は切に願っていたのだが――
「ゃっ、も、やぁっ!」
崩れ落ちそうになっていた身体が下ろされ、床に手と膝をついた茉莉愛はやはり一回で終わらないのだと悟った。
「獣っぽいね」
動物の交尾のような体勢をアルベールは楽しんでいるようだった。昨夜とはまた違う体勢である。
「あっ! いっかい、って……!」
「ごめん、マリアが可愛すぎて」
言っても無駄だとはわかっていた。そんな言葉でごまかされるつもりもなかったが、快楽には抗えないものである。
「うそ、つきぃ……!」
「姿を偽ってたことは謝るけど、俺の気持ちに嘘はないよ。本物の君を愛している」
その愛の重さを示すかのように何度も腰を打ち付けられ、茉莉愛は快楽に飲み込まれていくのだった。
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