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本編

キノコで遊ばないで-3

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「ぴゃっ!」

 何が起きたかわからないくらい一瞬の出来事だった。いとも簡単にズボンとパンツが脱がされてしまった。そりゃあもうズルンッみたいな。
 そのまま腰を持ち上げられてもの凄く恥ずかしい体勢にされた。丸出しの下半身が嫌でも見えちゃう。

「ろ、ロリコン……!」
「手を出すのはお前が初めてだな。俺は大人の女が好きだからな」

 嬉しくない、そんな初めて……!
 大人の女が好きなら生徒に手を出すなよ! と思わなくもない。

「じゃあ、大人の女のところに行けばいいじゃないですか!」
「面白い女が目の前にいるのに手を出さないわけがないだろ?」

 キノコがプルプルしてるのが見えるとか羞恥プレイすぎる!
 女って言うには異質なそれ、やっぱり見慣れない。これを見て、その気になるとか、まさか……

「名雪先生との恋が叶わなくて自棄で……」
「何でだよ!」

 思いっきりツッコまれた。超早かった。さすが漫才コンビ『ユキヤナギ』のツッコミ担当。いや、そんなものはないんだけど、二人の掛け合いが面白くてそう称されることもしばしば。
 ただし、私がいた世界では腐女子の餌食。名雪×四柳か四柳×名雪かで熱い議論が繰り返され、今のところゴロがいいと言うか実際に植物名である雪柳、即ち名雪×四柳が公式という見解が有力。つまり四柳先生はツッコミ受けということになるカオス。

「お前、この状況でよくそんなことが言えるな」
「ひゃんっ!」

 ちょっと苛立った様子の四柳先生がキノコをニギニギしてきた……!
 やばい、それはやばい。とってもやばい。

「元々生えてたわけじゃねぇんだな?」

 やめてほしいけど、言葉が出なくなって、ただ頷くしかできない。
 パジャマ越しでもやばかったのに、直接されるとやばい。薄く笑みを浮かべる唇でされたらどうなっちゃうんだろうって考えちゃうのはきっと先生がエッチすぎるせい。

「熱で休んでた間か?」

 あの高熱は前世の記憶が戻って頭が熱暴走した感じで、多分キノコはその後遺症とか副作用みたいなやつなんだけど、先生には言えない。きっと信じてもらえないし、あなたは乙女ゲームの攻略対象でヒロインは紫愛ちゃんですなんて笑われるに決まってる。

「マンコもあるんだもんな」
「ひゃうぅっ……そっちは……」

 先生の指が割れ目を辿る。キノコ触られたせいで、そっちも濡れちゃってる。
 家の中には千晶がいるのに、本当にやめてもらわなきゃいけないのに。

「こんなもんが突然生えちまうなんて、心当たりはあるのか? 変なもん食ったとか。あの坊ちゃんが嬢ちゃんに何か盛られたとか」

 先生は私に答えを求めてくるけど、二人のこと何だと思ってるんだろう? 二人は日頃からお菓子とかよくくれるけど。千晶が『餌付けされんな! 豚になるぞ!』っていうくらいには色々くれたし、今回はそれが山になったけど。
 紫愛ちゃんが溺愛されて逆ハーレムになるはずの世界で起きちゃいけないことなんだけど……もしかして、神様の莉緒贔屓のせいでゲームのシナリオが狂ってる?

「か、神様の悪戯っていうか……失敗みたいな?」

 これは事実、あのエノキの神様が私の親友のお願い二つを混ぜちゃったから。
 そうしたら先生は「そうか」と頷くだけで。

「信じるんですか?」
「生徒の言うことは信じてやらねぇとな」
「先生……!」

 感動した! ちょっと感動したけど……!
 先生は不埒な手の動きを全然やめてくれないわけで。

「苦しい時に手を貸してやるのも先生ってもんだろ!」
「苦しくしてるの先生ですよ! んぁあっ!」

 キノコもアソコも一緒にされたら気持ち良くなりすぎてわけがわからなくなる。本当に神様は厄介な体にしてくれたもので……

「まあまあ、そう言わずに、いいことしてやるからさ」
「結構です……!」

 先生が言ういいこととか怖すぎる。
 千晶は今頃キッチンで『ファイヤー!』でちょっとくらい騒いでも聞こえない可能性あるけど……
 やめましょう、マジでやめましょうと目で訴えるけど、笑みを返されて終了。

「こっちはまだ誰にも触らせてないのか?」

 先生が触るのはキノコでもなくアソコでもなく……そこは違う穴!
 やめましょう、いや、本当にやめましょう! BL的展開はダメ、絶対!
 でも、先生は全然やめてくれなくて、ポケットから何か小さなボトルを取り出して中身をそこに垂らす。
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