193 / 196
本編
160
しおりを挟む
「え!?
ちょっと待って。
レオンくん、とりあえず頭を上げて!」
レオンくんの突然の土下座に驚く。
アレンに助けを求めるが何故か抱きしめている手が強くなるだけだった。
「アレン?」
「………レオンとりあえず、あっちに座れ。
トオルに説明をする。
あと、一応言っておくがトオルは俺のだからな。」
何故か機嫌が悪いアレンの言葉を聞いてレオンくんが頷きながらソファーに腰掛けた。
レオンくんが座るのを見てアレンは、俺を抱き上げて反対側のソファーに座る。
もちろん、俺は膝の上に乗せられた。
レオンくんの手前恥ずかしかったが、抵抗しても無駄だった為、気にしないことにした。
「えーっと、とりあえず、改めてトオル・オガワです。
ラインハルトのこと助けてくれてありがとうございました。」
まだ彼にお礼を言えてなかったことを思い出して自己紹介とお礼を言った。
レオンくんが俺の名前を聞いて何かを確信したように頷く。
「オガワトオルさん……。
あの…もしかして…日本人ですか?」
彼から飛び出した意外な言葉に固まった。
「え?なんで!?」
こちらに来てから初めて言われた言葉だ。
俺の反応にアレンがレオンくんに対して警戒心を剥き出しにする。
「あ、いや、アレンさん落ち着いてください!」
敵意を向けられたレオンくんは、青い顔をしながら説明してくれた。
「俺、実は、前世の記憶があるんです!
こことは違う世界で暮らしてて、大学生だったんですけど、学校帰りに轢かれそうな猫を助けてトラックに轢かれて……。」
轢かれて次に目が覚めたらこの世界に転生していたそうだ。
「今は、レオン・サザンカンフォードの王子として生まれました。」
レオンくんの突然の告白に驚いて言葉も出ない。
俺以外にも転生者が居たなんて…。
いや、俺は渡り人だから正確には違うんだけど……。
でも、冷静に考えてみたら昔、白魔法を使えた人だって渡り人だったわけで他に転生者が居ても可笑しくは無いのかもしれない。
レオンくんがシュークリームを見た時に「シュークリーム」と言ってたのは転生者だったからか…。
え?待って!?
今、サザンカンフォードの王子って言わなかった?
俺、他国の王子様に土下座されたの?
不敬罪とかで処されない?
くん付けで呼んじゃってたし…。
転生者として言うことも驚いたが、それよりも不敬罪の方が怖くなってきた……。
アレンも知らなかったらしく驚いている。
「その事は、サザンカンフォードの人間は知って居るのか?」
アレンがレオンくんに聞く。
「いえ、こんな話をしても誰も信じてくれないでしょうし、誰にも話していません。
今回だって、トオルさんの容姿と名前を見なかったら話すことは無かったでしょうし…。」
アレンと俺は、納得したように頷いた。
確かに、俺は、守護竜であるコア様から直接言われてるから皆が信じてくれたんだもんな。
転生していて前世の違う世界での記憶があるなんて話をしたら普通は頭がおかしい奴って思われてしまうのかもしれない。
「とりあえず、その話はまた今度ゆっくりトオルと話をしてくれ。
今は、サザンカンフォードの国王の話を…。」
アレンの言葉にレオンくんが頷き、ブラン・イェーガー王国に来た経緯を教えてくれた。
「えっと、つまりレオン殿下のお父様、つまり王様が私と同じ守護竜が加護を受けた人で普通の魔法では瘴気が浄化出来ないと…?」
レオンくんからの話を聞いて確認する。
「はい。
トオルさん、普通に話してもらって構いませんよ?
俺の方が年下ですし、ましてや助けて頂く立場ですし…。」
レオンくんに懇願されてしまい、転生者と言うこともあってライリーくんよりは抵抗なく普通に話せた。
「わかった。
じゃあ、サザンカンフォードに行って王様を白魔法で治療すればいいんだね?
サザンカンフォードって遠いんだよね?
なら、少しでも早く出発しないと!」
話を聞く限り王様はかなり危ない状態らしい。
せっかく俺を頼って来てくれたのに2日間も眠っていたことを後悔した。
「トオル、落ち着け。
レオンの魔法とヴェインの薬があれば1日で着けるはずだ。
行くにしても、物資の調達をして準備してからじゃないとダメだ。
今日は休んで明日出発する。
レオンもそれでいいか?」
アレンに諭されて流行る気持ちを抑えた。
レオンくんは、ヴェインさんの薬と聞いて青い顔をするが、お父さんの命がかかって居る為、覚悟を決めたようだった。
むしろ、もっと出発が遅くなることも予想していたらしく直ぐに了承してくれたのだった。
ちょっと待って。
レオンくん、とりあえず頭を上げて!」
レオンくんの突然の土下座に驚く。
アレンに助けを求めるが何故か抱きしめている手が強くなるだけだった。
「アレン?」
「………レオンとりあえず、あっちに座れ。
トオルに説明をする。
あと、一応言っておくがトオルは俺のだからな。」
何故か機嫌が悪いアレンの言葉を聞いてレオンくんが頷きながらソファーに腰掛けた。
レオンくんが座るのを見てアレンは、俺を抱き上げて反対側のソファーに座る。
もちろん、俺は膝の上に乗せられた。
レオンくんの手前恥ずかしかったが、抵抗しても無駄だった為、気にしないことにした。
「えーっと、とりあえず、改めてトオル・オガワです。
ラインハルトのこと助けてくれてありがとうございました。」
まだ彼にお礼を言えてなかったことを思い出して自己紹介とお礼を言った。
レオンくんが俺の名前を聞いて何かを確信したように頷く。
「オガワトオルさん……。
あの…もしかして…日本人ですか?」
彼から飛び出した意外な言葉に固まった。
「え?なんで!?」
こちらに来てから初めて言われた言葉だ。
俺の反応にアレンがレオンくんに対して警戒心を剥き出しにする。
「あ、いや、アレンさん落ち着いてください!」
敵意を向けられたレオンくんは、青い顔をしながら説明してくれた。
「俺、実は、前世の記憶があるんです!
こことは違う世界で暮らしてて、大学生だったんですけど、学校帰りに轢かれそうな猫を助けてトラックに轢かれて……。」
轢かれて次に目が覚めたらこの世界に転生していたそうだ。
「今は、レオン・サザンカンフォードの王子として生まれました。」
レオンくんの突然の告白に驚いて言葉も出ない。
俺以外にも転生者が居たなんて…。
いや、俺は渡り人だから正確には違うんだけど……。
でも、冷静に考えてみたら昔、白魔法を使えた人だって渡り人だったわけで他に転生者が居ても可笑しくは無いのかもしれない。
レオンくんがシュークリームを見た時に「シュークリーム」と言ってたのは転生者だったからか…。
え?待って!?
今、サザンカンフォードの王子って言わなかった?
俺、他国の王子様に土下座されたの?
不敬罪とかで処されない?
くん付けで呼んじゃってたし…。
転生者として言うことも驚いたが、それよりも不敬罪の方が怖くなってきた……。
アレンも知らなかったらしく驚いている。
「その事は、サザンカンフォードの人間は知って居るのか?」
アレンがレオンくんに聞く。
「いえ、こんな話をしても誰も信じてくれないでしょうし、誰にも話していません。
今回だって、トオルさんの容姿と名前を見なかったら話すことは無かったでしょうし…。」
アレンと俺は、納得したように頷いた。
確かに、俺は、守護竜であるコア様から直接言われてるから皆が信じてくれたんだもんな。
転生していて前世の違う世界での記憶があるなんて話をしたら普通は頭がおかしい奴って思われてしまうのかもしれない。
「とりあえず、その話はまた今度ゆっくりトオルと話をしてくれ。
今は、サザンカンフォードの国王の話を…。」
アレンの言葉にレオンくんが頷き、ブラン・イェーガー王国に来た経緯を教えてくれた。
「えっと、つまりレオン殿下のお父様、つまり王様が私と同じ守護竜が加護を受けた人で普通の魔法では瘴気が浄化出来ないと…?」
レオンくんからの話を聞いて確認する。
「はい。
トオルさん、普通に話してもらって構いませんよ?
俺の方が年下ですし、ましてや助けて頂く立場ですし…。」
レオンくんに懇願されてしまい、転生者と言うこともあってライリーくんよりは抵抗なく普通に話せた。
「わかった。
じゃあ、サザンカンフォードに行って王様を白魔法で治療すればいいんだね?
サザンカンフォードって遠いんだよね?
なら、少しでも早く出発しないと!」
話を聞く限り王様はかなり危ない状態らしい。
せっかく俺を頼って来てくれたのに2日間も眠っていたことを後悔した。
「トオル、落ち着け。
レオンの魔法とヴェインの薬があれば1日で着けるはずだ。
行くにしても、物資の調達をして準備してからじゃないとダメだ。
今日は休んで明日出発する。
レオンもそれでいいか?」
アレンに諭されて流行る気持ちを抑えた。
レオンくんは、ヴェインさんの薬と聞いて青い顔をするが、お父さんの命がかかって居る為、覚悟を決めたようだった。
むしろ、もっと出発が遅くなることも予想していたらしく直ぐに了承してくれたのだった。
2
お気に入りに追加
5,554
あなたにおすすめの小説
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
四季
恋愛
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。
どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
私が公爵の本当の娘ではないことを知った婚約者は、騙されたと激怒し婚約破棄を告げました。
Mayoi
恋愛
ウェスリーは婚約者のオリビアの出自を調べ、公爵の実の娘ではないことを知った。
そのようなことは婚約前に伝えられておらず、騙されたと激怒しオリビアに婚約破棄を告げた。
二人の婚約は大公が認めたものであり、一方的に非難し婚約破棄したウェスリーが無事でいられるはずがない。
自分の正しさを信じて疑わないウェスリーは自滅の道を歩む。
転生したら侯爵令嬢だった~メイベル・ラッシュはかたじけない~
おてんば松尾
恋愛
侯爵令嬢のメイベル・ラッシュは、跡継ぎとして幼少期から厳しい教育を受けて育てられた。
婚約者のレイン・ウィスパーは伯爵家の次男騎士科にいる同級生だ。見目麗しく、学業の成績も良いことから、メイベルの婚約者となる。
しかし、妹のサーシャとレインは互いに愛し合っているようだった。
二人が会っているところを何度もメイベルは見かけていた。
彼は婚約者として自分を大切にしてくれているが、それ以上に妹との仲が良い。
恋人同士のように振舞う彼らとの関係にメイベルは悩まされていた。
ある日、メイベルは窓から落ちる事故に遭い、自分の中の過去の記憶がよみがえった。
それは、この世界ではない別の世界に生きていた時の記憶だった。
【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。
airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。
どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。
2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。
ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。
あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて…
あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる