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本編

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「お!こっちのポテトチップス?ってやつも美味いな!サクサクで塩気が絶妙だ。」
先にシューを食べ終えたヴェインさんがポテトチップスの魅力に取り憑かれていた。

「ありがとう。でも、食べ過ぎたら太るから気をつけてね?」

「大丈夫だろ?俺たち騎士はかなり動くからな。」
アレンもポテトチップスを頬張りながら言う。

「そういえば、騎士って具体的にどんな仕事するの?」
アレンとヴェインさんはいつも執務室か鍛錬場にいるイメージだ。

「騎士は俺たち王国騎士団とジークムントのところの近衛騎士団の2つがあるんだ。
俺たちは、国の治安の維持が主だな。
街を見回ったり滅多にないが魔物が出たら討伐に行く。
ここ以外の街にも王国騎士団の騎士が駐在してる。
近衛は主に王宮と王族の警護だな。
あっちは基本的に貴族だけで構成されてる。
まぁ、ドラゴン並の魔物が現れたら関係なく協力して討伐にあたるが…。」

「へぇ!」

「て言っても、アレンとヴェインが居たら兄貴のとこの出番なんてほぼ無いだろ?」
ラインハルトが笑いながら言っていた。

まぁ、そうだよね…。

あれ?
「アレンってこの国の最高戦力ってヴェインが言ってたよね?
なんで近衛じゃないの?
1番強い人なんだからそれこそ王様と一緒に居るべきじゃない?」

「まぁ、普通はそう思うよな?」
ヴェインさんが苦笑いしながら言う。
アレンもちょっと気まずそうな顔をしていた。

「トオル、さっきアレンが言ってただろ?
近衛は、基本的に貴族で構成されるって。
アレンは、元々平民だから貴族院の頭が固いジジイ共がうるさかったんだよ。

まぁ、陛下もだいぶごねてたけどな。
『国を救った英雄になんて事を言う!』っ
て相当キレてたよな。」

ラインハルトがヴェインさんを見ながら言った。
「あぁ、あれは凄かったな。
逆らうなら全員左遷するって勢いだった。」


えぇ…そこだけ切り取ったらただの暴君だよ…。

まぁ、国を救った英雄に対してなら当たり前の反応だろうけど。

「じゃあ、なんで今近衛じゃないの?」

「それはな、アレン自身もごねたからだよ。
『絶対に近衛なんて嫌だ!近衛になるくらいなら国をでる』ってな。」
アレンをジト目で言いながらヴェインさんが教えてくれる。

「だってなぁ……。
俺には王宮なんて硬っ苦しいところにこもって警護にあたるなんて性に合わないだろ?
それに、王宮に居なくても毎日貴族達から嫌みやら縁談やら言われるんだぞ?

ヴェインだって俺が副官にしなかったら宮廷魔導師にされて王宮に缶詰めにされてたんだぞ?」
アレンが苦笑いしながら答えた。

「まぁ、そりゃそうだよな。
確かにそこに関してはアレンに感謝してるよ……。」


「まぁ、そのおかげで俺はヴェインと全く逢えなくなったけどな…。」
ラインハルトがちょっとだけ残念そうに言う。

「それは知らん!
まぁ、まわりまわってこの宿舎に住めることになったんだからいいだろ?」

確かに、アレンとヴェインさんが団長、副団長だったから昔馴染みのラインハルトが書類仕事に派遣されたってアレンから聞いた。

なら、ラインハルトにとってもよかったのかな?

「休みの日とか会えなかったの?」

ラインハルトに聞いてみる。

「休みがなぁ…被らなかったんだよ。
それにヴェインはアレンのせいで仕事抱えまくってたから休みも少なかったし……。」

「え?ヴェイン、休みそんな少なかったの?」

俺も元の世界で似たようなものだったけど……。

「まぁ、そうだな。
でも、アレンだけのせいでもないぞ?
実際問題、団長、副団長が変わったばかりで大変だったんだ。
陛下がせめて若手の騎士は全員1度はこっちで育てろって仰るから体制全てを見直すことになったんだ……。」
ヴェインさんは当時のことを思い出して苦笑いしていた。


「まぁ、今は、ここで暮らせるし、毎日トオルの料理食えるから俺は幸せだな!」
ラインハルトがそう言って笑う。

「それにヴェインにも毎日逢えるしね?」
むしろ、それが1番だろ?とラインハルトに言ってみるとヴェインさんを見ながら嬉しそうに笑った。
ヴェインさんも少し照れたように笑う。


2人は凄い幸せそうでこっちまで幸せになった。

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