クイーンサファイアとプリンセスルビー

愛されるサファイア女王

希望の女王として

大臣たちは驚いた
「女王が手袋を」
アンは椅子に座って
「驚くことはないわ」
アンはきっぱりと言った
ヒカリは傍らで見て笑った
「王宮暮らしから出たいんでしょ？」
アンはヒカリに
「これからどうする？」
ヒカリは考えた
「カロスに 行くけど」
「カロスに？」
アンは目を輝かせた
ヒカリは驚いた
ヒカリはサスケに話した
「姉が行きたがるのも納得だが」
ヒカリはダメだこりゃと思った
「さすがに相談は意味がなかったわ」
「ヒカリ、以前中国行った時」
ヒカリはアンを見た
「中国ではアンが王将君でわたしが西施の再来って」
「中国四大美人に例えられたわね」
アンはうなずいた
大臣はアンに
「会議の時間が」
アンは立ち上がった
ヒカリは電話した
「ヒカリが中国で｣
ユリーカは目を輝かせた
「今、お伺いで｣
セレナは首を横に振った
「公務は了承よ」
ヒカリは胸を撫でおろした
「中国で西施の再来と言われたから｣
「西施って？」
「中国四大美人の一人で髪を乱しても美しいと言われた女性よ」
セレナはうなずい
「納得いくわ」
「確かにヒカリは国では綺麗だと話題になりますから」
「シトロン、聞いていたな？」
シトロンは慌てふためいた
ヒカリは笑った
「明後日にはカロス入りだから」
ユリーカははねて喜んだ
「ユリーカ、周りに迷惑ですよ！」
シトロンはユリーカを止めた
ヒカリは笑った
「ユリーカらしいわね」
「明後日に来るの？」
ヒカリはうなずいた
「公務が落ち着いたから｣
セレナはうなずいた
「まさかゴシカに勝った？」
サトシはうなずいた
「勝った！」
「ニャオニスクのコンビネーションに苦しめられたと」
「誰から聞いた？」
「ティエルノからよ」
ヒカリはきっぱりと答えた
「ティエルノから来たのか？」
サトシは驚いた
ヒカリはうなずいた
「切るわよ」
サトシたちは切った
「色々話したわね」
「ユリーカ、もっとヒカリと話したかった！」
ユリーカは頬を膨らませた
ヒカリはアンに 
「あんまり魔法を使わないでよ！」
アンはうなずいた
「大丈夫よ」
ヒカリは頭を抱えた
「不安だわ」 
ヒカリは不安を抱えながら空港に行った
「途中で王都に行くのか」
ヒカリはチェックした
「この飛行機か｣
「ダイゴさんが渡したチケットがまさか王都で止まるのか」
ヒカリは荷物を上に置いた
「隣、いい？」
少女はうなずいた
「いいですが」
おそるおそる顔を見た
「ダイゴさん、知っている？」
ヒカリはうなずいた
「友達だけど」
ヒカリは見て
「マノンでしょ？」
マノンは驚いた
「ダイゴから聞いてるから」
「本当だったんだ」
「何が？」
ヒカリはきょとんとした
「ヒカリは怒らせると病院送りになると」
「言ったな」
ヒカリはマノンから目をそらした
アンはまとめて
「サファイア女王、これから仲人に会いに行きますので」
「苦手なのに」
アンは走った
「逃げました！」
ヒカリはマノンに
「なんか浮かない顔だけど」
マノンはヒカリに
「どうしてらいいの」
ヒカリはマノンの顔を見て
「アンもそうだったからよ」
マノンは顔を上げた
「今、マノンから見えたのはハリマロン？」
マノンはうなずいた
アンは体を震わした
「冷たい」
叔母はアンに
「遅れたから冷めたのよ」
叔母たちはアンの髪を結った
「大丈夫なの？」
「それはあなた次第よ、サファイア！」
叔母はきっぱりと言った
アンは反論できずにいた
「まあ、さんも」
アンは不安で胸が押しつぶらせそうになった
「家のお膳立てができればいいのに」
アンは小さく呟いた
ヒカリはマノンに
「今頃は大変よ」
「大変って？」
ヒカリは思わず笑った
「仲人の顔が思い浮かぶわ」
「ヒカリって仲人さん嫌い？」
ヒカリはうなずいた
「厚化粧で気に入らない娘は難癖つけるから｣
マノンはぞっとした
「逆にいい男と結婚できるから｣
「いい男と？」
ヒカリはうなずいた
「仲人さんが紹介するのは変な男ばかりだから」
マノンは首をかしげた
「どうして？」
ヒカリはお手上げした
「夕食です」
キャビンアテンダントが夕食を持って来た
「フレンチは堅苦しいから庶民的な方がいいのよ」
マノンは意外と思った
「あんな娘、恥をさらすだけだっ！」
仲人はカンカンに怒ってアンを追い出した
アンは落ち込んだ
「わたし、自分で探すわ」
「マノンは？」
ダイゴは事情を話した
「カロスに帰したが、これでいいのかアラン？」
アランはうなずいた
「お守りのキーストーンが」
「これってキーストーン？」
ダイゴは拾い上げた
アンは叔父に合わせる顔がないと思った
「サファイア」
アンは叔父から目をそらした
「お前は花だ」
「花って？」
叔父はうなずいた
エルレイドはお茶を持って来た
「エルレイド、すまないな」
エルレイドは首を横に振った
叔母は手紙を持って来た
「叔父さんこそ病気で」
叔父は立ち上がった
ヒカリはマノンに
「ついたわよ」
マノンはヒカリに
「国の人間に話したわ」
「この声、ヒカリって」
「リザードン、これを」
アランはリザードンにキーストーンを渡した
アンは驚いた
「わたしのよ」
アランはアンを見て去った
ヒカリは頭を抱えた
「ハリマロンが昏睡状態の原因か｣
「ヒカリのどうしたの」
「大丈夫よ、セレナ」
セレナは心配そうにヒカリを見た
アンはエルレイドに
「叔父さんをよろしくね｣
エルレイドはうなずいた
ヒカリはサトシに
「ジムバッジは？」
「七つだが」
「最後のジムだったらエイセツジムがおすすめよ」
「エイセツジムが？」
サトシはきょとんとした
「詳しいんですね」
「わたしもジム巡りしていたから」
「ヒカリも？」
サトシは驚いた
ヒカリはうなずいた
「シトロイドがかなり強いと」
ヒカリはギョッとした
「強いの」
セレナは思わずヒカリを見た
ヒカリはうなずいた
「ルビー王女に」
使用人は驚いた
「どうしてですか？」
マノンは思わず使用人に聞いた
「王女に殴られて病院送りかと」
マノンは目をそらした
「ダイゴさんから聞きましたので」
ヒカリはくしゃみをした
「誰だろう？」
「大丈夫？」
「大丈夫ですか？」
「ヒカリ、風邪？」
ヒカリは首を横に振った
「ユリーカ、それは違うわ」
ユリーカはなんだと思った
叔父は悩んだ
「大丈夫、叔父さん」
アンは叔父に駆け寄った
「サファイア、すまないな」
「大丈夫よ」
アンホッとした
「エルレイドとカロスに」
アンは叔父に
「わたしが行きます」
「サファイアが？」
叔母はアンに
「行くって？」
アンはうなずいた
「仲人さんの紹介した人は当てにならないので」
アンはキーストーンを叔母たちに見せた
「このキーストーンを拾って来た人にも会いたいから｣
叔母はアンに
「あなたがカロスに行くって？」
アンはうなずいた
叔父は目でアンを止めた
「誰もわからないのね」
アンは思わず外に飛び出した
ウィンディはアンを止めた
「あなたはここに残って」
ウィンディは察したようにうなずいた
アンはウィンディの背中にまたがった
叔父は灯りをつけようとした
「サファイアのだ」
叔母は櫛を見た
「サファイアが出ていたわね」
アンは時間を見た
「朝一なら飛べるか」
ウィンディはやめとけと一吠えした