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第31話
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神様に祈りを捧げる私。
馬車を襲った男から身を守るために使った魔法。
植物を促進育てるだけの魔法。
だけど今回は自分の身を守るために、方向性を変えてみた。
それが上手くいき男を拘束、馬車を守るように植物を使い外界との繋がりを遮断することに成功した。
幾重にも張り巡らせた蔓や蔦の結界。
これで時間が稼げるはず。
その間に騎士団やニール様が助けに来てくれることだろう。
その時の私は、これが大事になっているとは露にも思っていませんでした。
外界との繋がりが途絶えてどれくらいの時間が経ったか分からない。
外界はどうなったのかしら?
「ルシア! ルシア! 今助けるから待ってろ!」
このお声はニール様のお声。
間違いない、私がニール様のお声を聞き間違えるはずがない。
私が祈りを止めるとそのお声がハッキリと聞こえるようになってきた。
激しい音と振動が馬車を襲ったが、今は恐怖は感じられなかった。
ニール様に会いたい。
会って抱きしめてほしい。
それだけが今の私の望み。
そして馬車の扉が遂に開かれた。
そこには予想通りニール様がいた。
私は思わずニール様の胸に飛び込んだ。
「ルシア」「ニール様」
お互いが呼び合い熱い抱擁を交わした私とニール様。
永遠とも思えるほどの長い抱擁。
これは夢ではない現実のニール様。
「ルシア心配したよ。でも君が無事でいてくれて良かった」
「賊は? それに護衛の兵士さんたちはどうなったの?」
「護衛の兵士たちは、ひとりを除いて残念ながら事切れていたよ。そのひとりも重体で治療院へ運び込んだところだ。賊はこの場にいた者は全員捉えてある」
「そう・・・皆さん・・・私に良くしてくださってたのに・・・・残念だわ」
私が小さい頃から親切にしてくれたおじさん。
無口だけど優しく接してくれた青年。
毎日鍛錬を欠かさず自慢の筋肉を自慢してきたおじさん。
お調子者でいつも私を笑わせてくれたおじさん。
「私を守ってくれてありがとうございます」
「お陰様で私は無事こうしてニール様に会うことができました」
「皆様の魂が安らかに眠れるようにご冥福をおいのりします」
私の祈りが通じたのか、遺体袋に包まれた兵士さんが花に包まれた。
葬儀は別に行うとはいえ、お世話になった兵士さんとの別れは辛いものだった。
何でこんなことになったの? 何で私たちが襲われたの?
分からないことだらけだった。
辺りはもう真っ暗になっていた。
ニール様の用意してくれた馬車で自宅である伯爵家に帰ってきたのは、更に遅くなってしまったけれど無事に帰ってこれた。
騒ぎを聞き王宮より駆けつけたお父様や宰相様。
皆が私の無事を確認して安堵してくれた。
様々な人々から心配されたとつくづく実感した今回の事件。
王宮も今回の事件を重く受け止めたらしい。
アリス様のお父様である宰相様がこの屋敷にいるのがその証拠で、私の無事を確認すると慌ただしく王宮へと向かって行った。
今後どうなるかは分からないけれど、私にできることは早く一連の事件が収まることを願うだけだった。
屋敷に帰ってきて安心した私を襲ったのは、馬車を襲った賊だけではなかった。
ぐうぅぅぅぅ・・・・・
そう、私を襲ったのは、賊ではなくお腹のなる音だったの・・・・
ニール様の前でなんてことでしょう・・・・ああっ、恥ずかしい。
馬車を襲った男から身を守るために使った魔法。
植物を促進育てるだけの魔法。
だけど今回は自分の身を守るために、方向性を変えてみた。
それが上手くいき男を拘束、馬車を守るように植物を使い外界との繋がりを遮断することに成功した。
幾重にも張り巡らせた蔓や蔦の結界。
これで時間が稼げるはず。
その間に騎士団やニール様が助けに来てくれることだろう。
その時の私は、これが大事になっているとは露にも思っていませんでした。
外界との繋がりが途絶えてどれくらいの時間が経ったか分からない。
外界はどうなったのかしら?
「ルシア! ルシア! 今助けるから待ってろ!」
このお声はニール様のお声。
間違いない、私がニール様のお声を聞き間違えるはずがない。
私が祈りを止めるとそのお声がハッキリと聞こえるようになってきた。
激しい音と振動が馬車を襲ったが、今は恐怖は感じられなかった。
ニール様に会いたい。
会って抱きしめてほしい。
それだけが今の私の望み。
そして馬車の扉が遂に開かれた。
そこには予想通りニール様がいた。
私は思わずニール様の胸に飛び込んだ。
「ルシア」「ニール様」
お互いが呼び合い熱い抱擁を交わした私とニール様。
永遠とも思えるほどの長い抱擁。
これは夢ではない現実のニール様。
「ルシア心配したよ。でも君が無事でいてくれて良かった」
「賊は? それに護衛の兵士さんたちはどうなったの?」
「護衛の兵士たちは、ひとりを除いて残念ながら事切れていたよ。そのひとりも重体で治療院へ運び込んだところだ。賊はこの場にいた者は全員捉えてある」
「そう・・・皆さん・・・私に良くしてくださってたのに・・・・残念だわ」
私が小さい頃から親切にしてくれたおじさん。
無口だけど優しく接してくれた青年。
毎日鍛錬を欠かさず自慢の筋肉を自慢してきたおじさん。
お調子者でいつも私を笑わせてくれたおじさん。
「私を守ってくれてありがとうございます」
「お陰様で私は無事こうしてニール様に会うことができました」
「皆様の魂が安らかに眠れるようにご冥福をおいのりします」
私の祈りが通じたのか、遺体袋に包まれた兵士さんが花に包まれた。
葬儀は別に行うとはいえ、お世話になった兵士さんとの別れは辛いものだった。
何でこんなことになったの? 何で私たちが襲われたの?
分からないことだらけだった。
辺りはもう真っ暗になっていた。
ニール様の用意してくれた馬車で自宅である伯爵家に帰ってきたのは、更に遅くなってしまったけれど無事に帰ってこれた。
騒ぎを聞き王宮より駆けつけたお父様や宰相様。
皆が私の無事を確認して安堵してくれた。
様々な人々から心配されたとつくづく実感した今回の事件。
王宮も今回の事件を重く受け止めたらしい。
アリス様のお父様である宰相様がこの屋敷にいるのがその証拠で、私の無事を確認すると慌ただしく王宮へと向かって行った。
今後どうなるかは分からないけれど、私にできることは早く一連の事件が収まることを願うだけだった。
屋敷に帰ってきて安心した私を襲ったのは、馬車を襲った賊だけではなかった。
ぐうぅぅぅぅ・・・・・
そう、私を襲ったのは、賊ではなくお腹のなる音だったの・・・・
ニール様の前でなんてことでしょう・・・・ああっ、恥ずかしい。
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