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 奈恵は膝を震わせた。
 圭介は執拗に奈恵の胸に唇を這わせている。時折、甘く歯を立ててその蕾を噛む。
「あ、うぁ……」
 それだけで奈恵は膝が崩れそうになっていた。

 ぐらりと揺らいだ奈恵の身体をベッドに横たえ、圭介はスカートをめくった。震える下腹の小さな布地に手を掛けて、するりと奈恵の足から抜き取った。その下着はブラジャーとおそろいになったものだったが、そんなことに圭介は気付きもしない。
 圭介の指を含んで奈恵の身体が、ちゅぷと潤んだ音を立てた。
「奈恵、もうこんななんだ」
「……ふぁ……」
 目を潤ませて奈恵が肩を竦めた。
 スカートのボタンとファスナーを外して引きはがした。露わになった膝を掴んで開き、圭介は身をかがめて奈恵のそこを覗きこんだ。
「や……!」
「花ビラみたい。ピンク色」
「圭ちゃん……!」
「ひくひくしてる。可愛いな」
「見ちゃ……やだ」
 身体を捩って抗う。手でそこを隠し、圭介の視線を遮る。
 脚を閉ざしたいのに、圭介の手に押さえられていて敵わない。恥ずかしい所が圭介の視線に曝されている。

「可愛いって言ってんのに」
 顔を上げると、頬を真っ赤にして瞳を潤ませた奈恵と視線が合う。睫毛が震えている。
「奈恵……」
 秘所を隠す奈恵の右手を捕らえて言う。
「気持ち良いとこ、奈恵が触って」
「あっ」
 圭介が奈恵の手ごと、柔らかな部分を触れた。指を掴んで、奈恵自身の中に入れる。奈恵は指に湿った感触を覚えた。
 その感覚を奈恵は知らないわけではない。何度か、自分で触れた事がある。
「やぁ……」
「胸は?」
 空いた方の左手を取って、圭介は奈恵の手で奈恵の胸に触れさせた。
「乳首つまんで」
「あ……あっ……」
 奈恵の手の甲を掴み、言った通りのしぐさをさせる。奈恵のからだがぴくりと震えた。圭介は奈恵の手で、奈恵の身体を弄ばせている。

 右の手を掴んで、その指先を身体の中に沈めさせ、時に引き出してまた押し込む。奈恵の指が濡れる。その手を掴んだ圭介の手も濡れてきた。奈恵の身体からそれが滲む。
「やだ……!圭ちゃん……や」
「やなもんか」
 奈恵の脚に膝を乗りあげながら、振り返ってバッグに手を伸ばす。着ていたTシャツを脱ぎ、ジャージをトランクスごと脱いだ。はちきれそうに膨れ上がった圭介のそれが弾けるように現れる。
 圭介の眼下で、薄紅色に染まった奈恵が背を反らした。下腹を波打たせて、忙しなくか細い声を上げる。
 奈恵と呟いて、ぬらぬらと濡れたそこに唇をつけた。
「ふ、ぁぁ……!」
 すするような音を立てて、圭介の舌が奈恵の身体の中にもぐりこむ。華奢な身体が繰り返し波打った。

「いい?」
 茫洋とした視界に薄い被膜を纏わせた圭介の物が見える。怖いくらいに、猛っていた。
 返事を待つこともなく、圭介は奈恵の中に先端を沈めた。
「あ、ん……」
 頼りなく細い腿の真中に圭介のそれが突き刺さる。未だに彩りの淡い奈恵のそれは痛々しいように柔らかい。それを押し広げて侵入する。狭くてきつくて、温かい。
「うわ……気持ち良い……」
 自らを包む感触が、想い出よりも心地が良い。

 奈恵の膝の裏に腕を絡め、ベッドに手をついて身体を揺さぶる。眉を寄せて目蓋を固く閉ざして喘いでいる奈恵が眼下に見える。胸の上にわだかまらせたままの白いブラが、奇妙に淫靡だ。
 可憐な顔をゆがませて赤い唇から啼き声を洩らしている。首を左右に反らし肩を揺さぶって身もだえている。奈恵の手が圭介の腕を掴んだ。華奢な奈恵を弾き飛ばしそうな勢いで、圭介は身体を二度三度と打ちつけた。
「はあ、ああ……っ!」
 奈恵の深奥を叩くたびに高い声が耳に届く。声が高まるたびに圭介を押し包む奈恵の体内の圧力が強くなるようだ。押し出されるように身体を引き、狭まったそこを突き破るように身体を進める。
「奈恵っ……」
 もう少し楽しんでいたかったが、あまりの快感で圭介は果ててしまった。

 ずる、と圭介が自らを引き出す。んぅ、と奈恵の声がした。
 ベッドの頭のところにあるティッシュを掴み出して、拭いながらコンドームを剥がす。溜まった白濁を零さないように口を縛ってティッシュにくるんで、ベッドの脇に置いてある赤いチューリップの形をしたごみ箱に捨てた。
 苦しげに息を切らしながら裸を震わせて奈恵がベッドの上に伏せている。
 滑らかな白い肌を纏った奈恵の背中から腰の曲線を眺めながら、圭介は口元をほころばせた。まだ、まだ時間は充分にある。
 笑んだ唇のまま、奈恵の首筋を吸う。
「いや……。待って……」
「何をだよ」
 背後から手をまわして小ぶりな膨らみを覆う。咲く前の桜の蕾のように尖りきった奈恵の乳首が掌を刺激した。それを指の間にはさみつけて捩る。びく、と奈恵の身体が跳ねた。
 奈恵の背が、汗ばんで湿っている。圭介の胸に触れるその肌が吸いつくようで、柔らかく滑らかだ。さわり心地が良い。
「待てない。だって久しぶりじゃないか……」
 腕を奈恵の身体に絡めて、耳を噛んだ。
「んあっ」
 奈恵の身体に掌をつけて、腹のあたりからなぞるように撫で上げる。
「奈恵、お前の身体って気持ちいいな」
 何度も手を往復させた。奈恵の吐息が震える。背中に、圭介の唇を感じた。
「……は……」
 唇が下降する。背筋を滑り腰のあたりを通って滑る。
 華奢な奈恵の身体の、そこだけ少し肉付きの厚い臀部を圭介の掌が掴んで持ち上げた。
「だめ……!」
 白桃を食らうように、圭介がその裂け目に口を付けた。奈恵の身体が大きな戦慄を走らせている。奈恵を押し広げて親指を押し込んだ。滲み出すものを舌で受け取る。
「やだ……!いや……」
「嘘つけ。お尻の穴まで濡れてるぜ」
「ひ、ぁぁ……!」
 奈恵の秘所から漏れる滴りが、確かに固くすぼまったその部分を濡らしている。そこに圭介が指先を触れた。

 うつぶせの奈恵が背中を反らして喘ぐ。奈恵の音色が止まないうちに圭介は急いでコンドームを装備した。
 カーペットに足を置いて立ち、奈恵の腰を持ってベッドの際まで引き寄せた。
「圭……ちゃん!」
 圭介に向けて臀部を掲げた姿勢で秘所を貫かれている。ベッドカバーを掴んでその中に頬を埋めて、奈恵は何度も圭介を呼んだ。先ほどと違う角度で、違う襞を圭介が擦る。沸き上がるような何かが奈恵を震わせ、啼かせた。
 甲高いような鼻声が奈恵の唇から洩れる。それを耳に響かせて奈恵は羞恥を覚え、圭介は歓びを覚えていた。
 肘を立てて、背を反らし、奈恵は身体を大きく揺さぶり始めている。圭介の動作に合わせて下肢を伸縮させ、身を捩りながら、圭介が触れる箇所を奈恵は自ら工夫する。
「奈恵……!」
 奈恵、と圭介が何度か呼んでいる。眼下で奈恵の身体が淫靡な曲線を描き始め、その中で圭介を、きゅう、と締め付ける。締め付けられながらその狭い道を激しく往復した。肌を打ち付ける乾いた音が天井にこだまする。
 奈恵は朦朧となった。何かを思考するような意識をどこかに放り出されたようになる。奇妙に周囲の音が遠く感じられた。ただ秘所を出入りする圭介の感触だけが明瞭だった。

「んぁ……ぁ……」
 骨を砕かれるような欲情にかき乱され、疲れ果てた奈恵がすすり泣く。
 言葉を交わすいとまを惜しむようにただひたすら求め、圭介が何度目か、奈恵を押し広げてその中を無我夢中に支配していた。

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