短編官能集

初心は加減知らず

絡からむ舌先したさきとろける目
布越ぬのごし触ふれる柔肌やわはだに
滾たぎる血…
今宵こよい
月つき隠かくれて甘あまい帳とばり
抑おさえる嬌声きょうせい
唸うなる喉元のどもと
誘さそう貴女あなたと初心うぶな我われ
音おとなく静しずかに落おちる服ふく
高鳴たかなる心音しんおん男おとこの恥はじ
寄より添そう貴女あなたは揶揄からかい笑わらう
刹那せつな切きれた理性りせいの糸いと…
響ひびく艶声つやごえ汗あせばむ身体からだ
揺ゆれる果実かじつに食くらいつき
細腰ほそごし掴つかんで貫つらぬく奥底おくそこ
潤うるむ壁へきは熱あつく柔やわく
合あわす唇くちびる
跳はねる貴女あなた
溢あふれる白濁はくだく蠢うごめく壁へき
愛あいの言葉ことばも囁ささやけず
ぼんやり見みている貴女あなたの顔かお
張はり付つく艶髪つやがみ虚うつろな目め
乱みだれる吐息といき震ふるえる身体からだ
乾かわく間まもない溶とけた蜜壺みつつぼ
刹那せつな重おもく脈打みゃくうつ心音しんおん
髪かみかき上あげ怪あやしく笑わらう