私に蜜事を

山代裕春

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作家と家政婦(仮)

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笠年「なぁ…」
空楽「…」
笠年「なぁ」
空楽「…」
笠年「なぁって」
空楽「その言い方やめろと何度言ったらわかる」
笠年「じゃあなんて言えばいいんですかー教えてくださーい」
空楽「……仕事の邪魔をするな」
笠年「暇なんですぅー」
空楽「家のことは?」
笠年「終わらせましたー」
時刻は午後3時。
空楽「…」
笠年「なぁあ~ひまー」
空楽「……そういえば見合いの話来てたぞ?」
笠年「…」
空楽「君もいい歳だ…手際もいいし言葉遣いさえ直せば立派な大和撫子に…」
笠年「それ以上言うんじゃねぇ」
空楽「…」
笠年「私は誰のものにもならない」
空楽「…」
笠年「嫁いだ姉ちゃんたちはみんな死んじまったの知ってんだろ」
空楽「…」
笠年「兄貴だって嫁さん殺しちまって甥はどこ行ったかわからねぇ」
空楽「…」
笠年「だから私は結婚なんてしない、するくらいなら一生一人で生きた方がマシだ」
空楽「…君がいいならそれでいいが…なら出ていってくれないか?」
笠年「は?」
空楽「ここにいる言うことは事実婚、私の妻ということになる」
笠年「は?!」
空楽「私は君がいなくなろうがなんだろうがどうでもいい」
笠年「…」
空楽「だがこの時代…いや、女性が一人で生きていくのは至難の業だろうな」
笠年「…」
空楽「そもそも誰が君を引き取ったと思っている?私の力がなければ君はとっくのとうに死んでいただろう」
笠年「…」
空楽「……言いたいことがあるならどうぞ?」
笠年「…~~………」
空楽(言いすぎたか…)
笠年「…」
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