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第一章
現状把握
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目を開けると草原だった。
周りを見ると後方に森だけで他は一面草原。気もちの良い風が吹いている。
季節は春の中半から終わりぐらいね。…地球で言うならだけど。
「ここが『ジェダイト』。私の新しい住む場所…」
さて、無事についたみたいだしこれからどうしようか…。
頭の中でこれからの予定を立てていると…
「「「ようこそ『ジェダイト』へ!これからよろしく・ね・な・~・ご主人様!!」
突然足元から声がした。内心驚きながら後方へバックステップで下がると三匹の動物がいた。
銀色の毛並みの子犬。
燃える炎のように赤い毛並みの小鳥。
夜のように黒い毛並みの尻尾が二つに分かれた子猫。
他には誰もいないし、動物もいない。さっきの声はこの子達から?
「あなた達は?」
「僕等は、フローライト様に『曜を主とし、傍に仕え、守り、時として曜の癒しとなるように』と言う役目の元創られたの~」
「だから私達はあなたを主としているのよ、ご主人様」
「それにご主人様は『ジェダイト』のことを何も知らないでしょ?俺達は『保護者』のような役目もあるんだ!」
「そうなの?これからよろしくね、えっと…」
警戒を解いて挨拶をするけど名前が分からない。
「ああ、私達は名前が無いのよ。フローライト様から付けてもらうようにと言われたわ」
「そうなのね、なら名付けからしましょう。まずは…」
「私からお願い」
「分かったわ」
名付けかぁ…。特徴から付けるとしましょう。まず目につくのは、真っ黒の毛並みと月のような綺麗な目。
「候補を挙げるから選んでね。『マリン』『リアン』『スアイ』『サファイ』『コラン』『パール』『ディアン』『スピネル』『ティン』『ルナ』」
「…『マリン』『スアイ』『ティン』『ルナ』で迷うわ」
「二人はどれがいいと思う?」
「『スアイ』~」
「俺は『ルナ』がいいと思う!」
「う~ん…」
「そんなに迷うならくっつければ?」
「くっつける?」
『スアイ』と『ルナ』なら…
「『ルナ・スアイ』みたいな」
「いいわね!今から私は『ルナ・スアイ』よ!」
「それならどっちも名前だから好きに呼べるしね」
「次俺!!」
銀色の毛並みに青とも水色ともとれる色の目。
「候補は『ライト』『クアオ』『イオラ』『ラズリ』『スカイ』『カイヤ』『カルサ』『ブルーア』『ブルート』『トルマ』『インディ』『フルオーラ』『ベリル』『クリス』『タイト』『カル』『クォーツ』『ギベオン』」
「俺は『ライト・インディ』!」
「その二つが気に入ったのね」
「最後は僕~」
燃える炎のように赤い毛並みと同じようだけど違うオレンジ色の目。
「候補は『サンス』『リアン』『ファイ』『カルサ』『コラン』『アゲート』『オレン』『クロサ』『ディン』」
「僕は『リアン』がいい~」
「これで決定ね、これからよろしくね!ルナ、ライト、リアン!」
「よろしくね」
「よろしくな!!」
「よろしく~」
真悟、夕月、『ジェダイト』に来てペットが出来たよ。
そしてここは、やっぱり異世界なんだなぁと私は思った。
・
・
・
「これからご主人様はどうするの?」
ルナが聞いてきた。やっぱりしっかり者のルナがこの三匹の中で長女なんだろうなぁと思いつつ、一つ訂正して貰う。
「ルナ、『ご主人様』は止めて。もう三匹は私の家族なのよ」
そう言うとルナが驚いたような顔?をしてきた。
「でも…分かったわ。『ヨウ』でいいかしら?」
「うん!二人もよ」
「分かった!ヨウ!!」
「ヨウ分かった~」
嬉しくなってニコニコ笑っていると
「それで、これからどうするの?」
とまた聞かれたので、
「まずは、現状把握よ。それから武器の確認。食料とかは無いと思うからあの森に入って採取か狩りをして今日は野宿ね」
「経験でもあるの?」
経験か…まぁ、あるね。
「…昔、三回ほど三ヶ月間無人島でサバイバル生活をしたことがあるわね」
そう言って微笑むヨウを見た時、ルナ・ライト・リアンの三匹は『危うい』と思った。そして自分達の役目に『曜の癒しとなるように』の意味が分かった。初めは何故そんなことを言うのかと三匹は頭を捻った。が、今のヨウを見れば嫌でも気づく。今のヨウは目を離すと消えるような危ない儚さがあるのだ。
「なら、安心ね。じゃあ鑑定でステータスを確認しましょう」
「鑑定」
名前 ヨウ 年齢 12 職業 レベル1
HP500
МP1000
従魔 ルナ(妖怪・猫又)
ライト(神獣・フェンリル)
リアン(神獣・朱雀)
称号 女神フローライトの友人 女神インカローズの愛し子 妖怪の主 神獣の主
加護 女神フローライト 女神インカローズ 再生と破壊の双女神
スキル
レベル1
身体強化 全属性 魔力制御 魔力視 魔力感知 剣術 刀術 弓術 護身術 威圧 武器破壊 急所看破 気配遮断 演劇 鍛冶 建築 話術 暗視 裁縫 緊急処置 アイテムボックス
レベル3
鑑定 料理 害意察知 手加減 痛覚耐性 状態異常耐性 偽装 薬草学 魔法学 千里眼 空間感知
特殊スキル
ストレージ 容量制限・時間経過無し、リスト・ソート機能付き
マップ レベル1
真贋 レベル10
未来視 レベル10
人物鑑定 レベル10
武器
防具 ドレスアーマー
靴 ブーツ
その他 オブシディアンのシルバーリング
…え?は?
「ルナ、女神インカローズの愛し子と特殊スキルの三つがおかしい。それに加護もおかしい」
ルナ・ライト・リアンの三匹が結果を見て『あ~』と揃えて言った。
「ヨウはインカローズ様のお気に入りなんでしょう?神様は気に入った人には過剰過ぎるぐらい目をかけるのよ」
『だから神様のお気に入りは大体こんな感じになるのよ』とルナは肩を寄せながら言った。ライトとリアンも苦笑?していた。
「ヨウは相当インカローズ様のお気に入りだったのね、再生と破壊の双女神の加護まであるわ」
「双女神の加護って?」
嫌な予感しかしないけど。
「双女神の加護は、『再生の女神フローライトと破壊の女神インカローズ』の二柱が与えたいと思わないと付かないわ。方柱だけじゃどちらかの加護になるだけよ」
「…簡単に言うと?」
「協会に見つかったら、どんな手を使ってでも囲い込んで一生飼い殺しにされるくらいの希少性よ」
「それは絶対に嫌!!」
冗談じゃない。フローラと世界を見て周ると約束したんだから、飼い殺しになんて絶対になるものか!!
「落ち着いてヨウ、だから偽装を使って隠すのよ」
「出来るの?」
「出来るわ、偽装は隠蔽の上位互換なの。レベル3だから鑑定のレベルが6~8ぐらい高くないと突破できないわ」
おお、そんなに凄いんだ!
「それに、隠蔽と同じで鑑定されたら分かるのよ。本人の同意無く鑑定をすることは御法度なの、殺されったって文句は言えないわ」
なるほど。
「プライバシーどころの騒ぎじゃないものね。『ジェダイト』では、スキルは生命線なのね」
「ヨウは理解が早くて助かるわ♪」
・
・
・
「次は、武器と在庫の確認ね」
主に頼んだ服!そして武器!!
「どうやって開けばいい?」
「『ストレージ』って唱えればいいわ。慣れれば言わなくても出来るようになるわよ」
唱えるだけだいいのね。では。
「『ストレージ』」
唱えると半透明のウィンドが出てきた。ウィンドに書かれたリストを見ると、五点。
・刀
・ドレス
・ドレスアーマーセット×2
・下着(一着)
・オブシディアン付きシルバーリング
…あ。下着忘れてたわね。このまま町か村に着くまで着続けることになったわ。フローラに感謝ね。
とりあえず刀を…選択で良いのかな?
目の前に穴が開いた。手を入れて中の物を取り出すと刀だった。
選択して取り出すが使い方なのね。
…刀は美しかった。刀身は闇よりも濃ゆいんじゃないかと思うくらいの漆黒でその上に薄く虹色の波紋が出ている。鞘はシンプルにだけど上品さのある、刀身と同じ漆黒でつる草の柄がある。
「綺麗…鑑定するべきよね?」
「現状を把握しないといけないでしょ?」
確かにそうなんだけどね…。
「…鑑定」
刀
名前
特性 成長・破壊不能 変形・調節可能 疲労回復 状態異常軽減
備考 再生の女神フローライトと破壊の女神インカローズが月与瀬 曜の為だけに創り上げた刀。
刀身は変形可能で小刀・刀・太刀・大太刀の4種類に代わる。長さも調節可能。
鞘も刀身に合わせて変形・調節可能。
刀身は最良質の黒曜石・オリハルコン・ヒヒイロカネを使っており、鞘は世界樹の最良質の枝を使っている。
アンデットやゴーストにも有効。
ヨウのみ所有時、重量軽減。
「「「「……」」」」
鑑定結果を見て、全員絶句。
「フローライト様、インカローズ様…やり過ぎです。バレたらヨウは旅どころの話じゃ無くなりますよ…」
「流石にこれは…」
「やり過ぎだね~」
「これも偽装しようか」
「「「うん」」」
満場一致で決まった。
「何を隠すの?」
まずは、
「『成長・破壊不能』と『再生の女神フローライトと破壊の女神インカローズが月与瀬 曜の為だけに創り上げた刀。』は絶対に隠す。材料のオリハルコン・ヒヒイロカネも変えるべきよね。内容は『最良質の黒曜石と極少量のオリハルコン・ヒヒイロカネが使われた刀身』って所かしら?」
「『鞘は樹齢5000年のヒノキを使った一品。』でどう?」
「うんいいね!変形も刀と太刀の2種類にしよう」
「そうね。長さも10~20㎝ぐらい調節可能ってことにしておけば、王族か皇族が持つぐらいには落せるわね」
王族か皇族が持つぐらいか…
「もう少し落せない?」
「これ以上は無理ね。どっちにしろ目立つだろうから相手には勘違いさせればいいのよ。それに、ヨウは故郷ではそれなりの立場があったんでしょう?」
立場か…うん、あったね。
「日本では外務大臣の肩書きがあったね。私が無理を言って付けてもらったんだけどね。…そうか」
「あら、気づいた?」
ここは、異世界だけど他国。日本では大臣の地位を持ってたんだからこちらでは、『上級貴族』に匹敵するし月与瀬家は、天皇と同じくらいの立場だから…
「私ってこちらの常識に当てはめると…王族?」
「正解よ!よく気付いたわね。てっきり上級貴族って言うかと思ったわ」
「最初はそう思ったけど、私は月与瀬家の娘だから自分の肩書きよりもこっちが優先されるでしょう?」
私の回答を聞きながら、
「そうよ、ここでは身分が何よりも優先されるわ。勿論犯罪とかマナー違反は違うわよ?」
「うん、それは分かってる」
あ、でも
「称号に何も書かれてないのは大丈夫?」
「それは大丈夫よ」
「そっか…ついでにステータスも変えようか」
「そうね、私達の種族と称号と加護は隠しましょう」
「そうだね…全属性 魔力視 武器破壊 急所看破 気配遮断 演劇 鍛冶 建築 話術 手加減 痛覚耐性 状態異常耐性 偽装 千里眼 空間感知 ストレージ マップ かな」
「じゃあ確認しましょう」
「鑑定」
名前 ヨウ 年齢 12 職業 レベル1
HP500
МP1000
従魔 ルナ
ライト
リアン
称号
加護 女神フローライト
スキル
レベル1
身体強化 魔力制御 魔力感知 剣術 刀術 弓術 護身術 威圧 暗視 裁縫 緊急処置 アイテムボックス
レベル3
鑑定 料理 害意察知 薬草学 魔法学
特殊スキル
真贋 レベル10
未来視 レベル10
人物鑑定 レベル10
武器
防具 ドレスアーマー
靴 ブーツ
その他 オブシディアンのシルバーリング
「フローライト様の加護は残すの?」
「うん、真贋 未来視 人物鑑定の三つは加護が無いと逆におかしいから」
「次は刀よ」
「鑑定」
刀
名前
特性 変形・調節可能 疲労回復 状態異常軽減
備考 刀身は変形可能で刀・太刀の2種類に代わる。長さも10~20㎝の調節可能。
鞘も刀身に合わせて変形・調節可能。
刀身は最良質の黒曜石と極少量のオリハルコン・ヒヒイロカネを使っており、鞘は樹齢5000年のヒノキを使っている。
アンデットやゴーストにも有効。
ヨウのみ所有時、重量軽減。
「出来てるわね」
「うん、後名前は…『神楽月』」
「何で神楽月?」
「私の剣術は『舞を舞っているかのように見える』『神楽のようだった!』って真悟と夕月が言っていたの。だから神楽と月与瀬の月を付けて―― 神楽月」
「良い名前ね、そろそろ森に入りましょう」
「そうね、入りましょうか」
ライトとリアンは…遊んでる。ルナが二人を呼んで森に入る。さて、私も頑張らないとね!!
周りを見ると後方に森だけで他は一面草原。気もちの良い風が吹いている。
季節は春の中半から終わりぐらいね。…地球で言うならだけど。
「ここが『ジェダイト』。私の新しい住む場所…」
さて、無事についたみたいだしこれからどうしようか…。
頭の中でこれからの予定を立てていると…
「「「ようこそ『ジェダイト』へ!これからよろしく・ね・な・~・ご主人様!!」
突然足元から声がした。内心驚きながら後方へバックステップで下がると三匹の動物がいた。
銀色の毛並みの子犬。
燃える炎のように赤い毛並みの小鳥。
夜のように黒い毛並みの尻尾が二つに分かれた子猫。
他には誰もいないし、動物もいない。さっきの声はこの子達から?
「あなた達は?」
「僕等は、フローライト様に『曜を主とし、傍に仕え、守り、時として曜の癒しとなるように』と言う役目の元創られたの~」
「だから私達はあなたを主としているのよ、ご主人様」
「それにご主人様は『ジェダイト』のことを何も知らないでしょ?俺達は『保護者』のような役目もあるんだ!」
「そうなの?これからよろしくね、えっと…」
警戒を解いて挨拶をするけど名前が分からない。
「ああ、私達は名前が無いのよ。フローライト様から付けてもらうようにと言われたわ」
「そうなのね、なら名付けからしましょう。まずは…」
「私からお願い」
「分かったわ」
名付けかぁ…。特徴から付けるとしましょう。まず目につくのは、真っ黒の毛並みと月のような綺麗な目。
「候補を挙げるから選んでね。『マリン』『リアン』『スアイ』『サファイ』『コラン』『パール』『ディアン』『スピネル』『ティン』『ルナ』」
「…『マリン』『スアイ』『ティン』『ルナ』で迷うわ」
「二人はどれがいいと思う?」
「『スアイ』~」
「俺は『ルナ』がいいと思う!」
「う~ん…」
「そんなに迷うならくっつければ?」
「くっつける?」
『スアイ』と『ルナ』なら…
「『ルナ・スアイ』みたいな」
「いいわね!今から私は『ルナ・スアイ』よ!」
「それならどっちも名前だから好きに呼べるしね」
「次俺!!」
銀色の毛並みに青とも水色ともとれる色の目。
「候補は『ライト』『クアオ』『イオラ』『ラズリ』『スカイ』『カイヤ』『カルサ』『ブルーア』『ブルート』『トルマ』『インディ』『フルオーラ』『ベリル』『クリス』『タイト』『カル』『クォーツ』『ギベオン』」
「俺は『ライト・インディ』!」
「その二つが気に入ったのね」
「最後は僕~」
燃える炎のように赤い毛並みと同じようだけど違うオレンジ色の目。
「候補は『サンス』『リアン』『ファイ』『カルサ』『コラン』『アゲート』『オレン』『クロサ』『ディン』」
「僕は『リアン』がいい~」
「これで決定ね、これからよろしくね!ルナ、ライト、リアン!」
「よろしくね」
「よろしくな!!」
「よろしく~」
真悟、夕月、『ジェダイト』に来てペットが出来たよ。
そしてここは、やっぱり異世界なんだなぁと私は思った。
・
・
・
「これからご主人様はどうするの?」
ルナが聞いてきた。やっぱりしっかり者のルナがこの三匹の中で長女なんだろうなぁと思いつつ、一つ訂正して貰う。
「ルナ、『ご主人様』は止めて。もう三匹は私の家族なのよ」
そう言うとルナが驚いたような顔?をしてきた。
「でも…分かったわ。『ヨウ』でいいかしら?」
「うん!二人もよ」
「分かった!ヨウ!!」
「ヨウ分かった~」
嬉しくなってニコニコ笑っていると
「それで、これからどうするの?」
とまた聞かれたので、
「まずは、現状把握よ。それから武器の確認。食料とかは無いと思うからあの森に入って採取か狩りをして今日は野宿ね」
「経験でもあるの?」
経験か…まぁ、あるね。
「…昔、三回ほど三ヶ月間無人島でサバイバル生活をしたことがあるわね」
そう言って微笑むヨウを見た時、ルナ・ライト・リアンの三匹は『危うい』と思った。そして自分達の役目に『曜の癒しとなるように』の意味が分かった。初めは何故そんなことを言うのかと三匹は頭を捻った。が、今のヨウを見れば嫌でも気づく。今のヨウは目を離すと消えるような危ない儚さがあるのだ。
「なら、安心ね。じゃあ鑑定でステータスを確認しましょう」
「鑑定」
名前 ヨウ 年齢 12 職業 レベル1
HP500
МP1000
従魔 ルナ(妖怪・猫又)
ライト(神獣・フェンリル)
リアン(神獣・朱雀)
称号 女神フローライトの友人 女神インカローズの愛し子 妖怪の主 神獣の主
加護 女神フローライト 女神インカローズ 再生と破壊の双女神
スキル
レベル1
身体強化 全属性 魔力制御 魔力視 魔力感知 剣術 刀術 弓術 護身術 威圧 武器破壊 急所看破 気配遮断 演劇 鍛冶 建築 話術 暗視 裁縫 緊急処置 アイテムボックス
レベル3
鑑定 料理 害意察知 手加減 痛覚耐性 状態異常耐性 偽装 薬草学 魔法学 千里眼 空間感知
特殊スキル
ストレージ 容量制限・時間経過無し、リスト・ソート機能付き
マップ レベル1
真贋 レベル10
未来視 レベル10
人物鑑定 レベル10
武器
防具 ドレスアーマー
靴 ブーツ
その他 オブシディアンのシルバーリング
…え?は?
「ルナ、女神インカローズの愛し子と特殊スキルの三つがおかしい。それに加護もおかしい」
ルナ・ライト・リアンの三匹が結果を見て『あ~』と揃えて言った。
「ヨウはインカローズ様のお気に入りなんでしょう?神様は気に入った人には過剰過ぎるぐらい目をかけるのよ」
『だから神様のお気に入りは大体こんな感じになるのよ』とルナは肩を寄せながら言った。ライトとリアンも苦笑?していた。
「ヨウは相当インカローズ様のお気に入りだったのね、再生と破壊の双女神の加護まであるわ」
「双女神の加護って?」
嫌な予感しかしないけど。
「双女神の加護は、『再生の女神フローライトと破壊の女神インカローズ』の二柱が与えたいと思わないと付かないわ。方柱だけじゃどちらかの加護になるだけよ」
「…簡単に言うと?」
「協会に見つかったら、どんな手を使ってでも囲い込んで一生飼い殺しにされるくらいの希少性よ」
「それは絶対に嫌!!」
冗談じゃない。フローラと世界を見て周ると約束したんだから、飼い殺しになんて絶対になるものか!!
「落ち着いてヨウ、だから偽装を使って隠すのよ」
「出来るの?」
「出来るわ、偽装は隠蔽の上位互換なの。レベル3だから鑑定のレベルが6~8ぐらい高くないと突破できないわ」
おお、そんなに凄いんだ!
「それに、隠蔽と同じで鑑定されたら分かるのよ。本人の同意無く鑑定をすることは御法度なの、殺されったって文句は言えないわ」
なるほど。
「プライバシーどころの騒ぎじゃないものね。『ジェダイト』では、スキルは生命線なのね」
「ヨウは理解が早くて助かるわ♪」
・
・
・
「次は、武器と在庫の確認ね」
主に頼んだ服!そして武器!!
「どうやって開けばいい?」
「『ストレージ』って唱えればいいわ。慣れれば言わなくても出来るようになるわよ」
唱えるだけだいいのね。では。
「『ストレージ』」
唱えると半透明のウィンドが出てきた。ウィンドに書かれたリストを見ると、五点。
・刀
・ドレス
・ドレスアーマーセット×2
・下着(一着)
・オブシディアン付きシルバーリング
…あ。下着忘れてたわね。このまま町か村に着くまで着続けることになったわ。フローラに感謝ね。
とりあえず刀を…選択で良いのかな?
目の前に穴が開いた。手を入れて中の物を取り出すと刀だった。
選択して取り出すが使い方なのね。
…刀は美しかった。刀身は闇よりも濃ゆいんじゃないかと思うくらいの漆黒でその上に薄く虹色の波紋が出ている。鞘はシンプルにだけど上品さのある、刀身と同じ漆黒でつる草の柄がある。
「綺麗…鑑定するべきよね?」
「現状を把握しないといけないでしょ?」
確かにそうなんだけどね…。
「…鑑定」
刀
名前
特性 成長・破壊不能 変形・調節可能 疲労回復 状態異常軽減
備考 再生の女神フローライトと破壊の女神インカローズが月与瀬 曜の為だけに創り上げた刀。
刀身は変形可能で小刀・刀・太刀・大太刀の4種類に代わる。長さも調節可能。
鞘も刀身に合わせて変形・調節可能。
刀身は最良質の黒曜石・オリハルコン・ヒヒイロカネを使っており、鞘は世界樹の最良質の枝を使っている。
アンデットやゴーストにも有効。
ヨウのみ所有時、重量軽減。
「「「「……」」」」
鑑定結果を見て、全員絶句。
「フローライト様、インカローズ様…やり過ぎです。バレたらヨウは旅どころの話じゃ無くなりますよ…」
「流石にこれは…」
「やり過ぎだね~」
「これも偽装しようか」
「「「うん」」」
満場一致で決まった。
「何を隠すの?」
まずは、
「『成長・破壊不能』と『再生の女神フローライトと破壊の女神インカローズが月与瀬 曜の為だけに創り上げた刀。』は絶対に隠す。材料のオリハルコン・ヒヒイロカネも変えるべきよね。内容は『最良質の黒曜石と極少量のオリハルコン・ヒヒイロカネが使われた刀身』って所かしら?」
「『鞘は樹齢5000年のヒノキを使った一品。』でどう?」
「うんいいね!変形も刀と太刀の2種類にしよう」
「そうね。長さも10~20㎝ぐらい調節可能ってことにしておけば、王族か皇族が持つぐらいには落せるわね」
王族か皇族が持つぐらいか…
「もう少し落せない?」
「これ以上は無理ね。どっちにしろ目立つだろうから相手には勘違いさせればいいのよ。それに、ヨウは故郷ではそれなりの立場があったんでしょう?」
立場か…うん、あったね。
「日本では外務大臣の肩書きがあったね。私が無理を言って付けてもらったんだけどね。…そうか」
「あら、気づいた?」
ここは、異世界だけど他国。日本では大臣の地位を持ってたんだからこちらでは、『上級貴族』に匹敵するし月与瀬家は、天皇と同じくらいの立場だから…
「私ってこちらの常識に当てはめると…王族?」
「正解よ!よく気付いたわね。てっきり上級貴族って言うかと思ったわ」
「最初はそう思ったけど、私は月与瀬家の娘だから自分の肩書きよりもこっちが優先されるでしょう?」
私の回答を聞きながら、
「そうよ、ここでは身分が何よりも優先されるわ。勿論犯罪とかマナー違反は違うわよ?」
「うん、それは分かってる」
あ、でも
「称号に何も書かれてないのは大丈夫?」
「それは大丈夫よ」
「そっか…ついでにステータスも変えようか」
「そうね、私達の種族と称号と加護は隠しましょう」
「そうだね…全属性 魔力視 武器破壊 急所看破 気配遮断 演劇 鍛冶 建築 話術 手加減 痛覚耐性 状態異常耐性 偽装 千里眼 空間感知 ストレージ マップ かな」
「じゃあ確認しましょう」
「鑑定」
名前 ヨウ 年齢 12 職業 レベル1
HP500
МP1000
従魔 ルナ
ライト
リアン
称号
加護 女神フローライト
スキル
レベル1
身体強化 魔力制御 魔力感知 剣術 刀術 弓術 護身術 威圧 暗視 裁縫 緊急処置 アイテムボックス
レベル3
鑑定 料理 害意察知 薬草学 魔法学
特殊スキル
真贋 レベル10
未来視 レベル10
人物鑑定 レベル10
武器
防具 ドレスアーマー
靴 ブーツ
その他 オブシディアンのシルバーリング
「フローライト様の加護は残すの?」
「うん、真贋 未来視 人物鑑定の三つは加護が無いと逆におかしいから」
「次は刀よ」
「鑑定」
刀
名前
特性 変形・調節可能 疲労回復 状態異常軽減
備考 刀身は変形可能で刀・太刀の2種類に代わる。長さも10~20㎝の調節可能。
鞘も刀身に合わせて変形・調節可能。
刀身は最良質の黒曜石と極少量のオリハルコン・ヒヒイロカネを使っており、鞘は樹齢5000年のヒノキを使っている。
アンデットやゴーストにも有効。
ヨウのみ所有時、重量軽減。
「出来てるわね」
「うん、後名前は…『神楽月』」
「何で神楽月?」
「私の剣術は『舞を舞っているかのように見える』『神楽のようだった!』って真悟と夕月が言っていたの。だから神楽と月与瀬の月を付けて―― 神楽月」
「良い名前ね、そろそろ森に入りましょう」
「そうね、入りましょうか」
ライトとリアンは…遊んでる。ルナが二人を呼んで森に入る。さて、私も頑張らないとね!!
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