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番外編 私!夢を叶える!

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 「本当によろしいのですか?」

 私は、学園都市で不動産屋をしている「メービス」と申します。

 「構わないよ!なんせ私は金持ちだからね!ガッハッハっ!」
 「この規模となるとどのくらいかかるか……」
 
 私は持ち家としては未だかつてない規模の建設規模に直ぐには予算が算出できないので、もう一度よく考えた方が良いと遠回しに伝える。

 「君!私を誰だと思ってるのかね?白金貨の女だよ?今の私に不可能なことなんて何もないのだよ!」
 
 黒髪の女性は皮袋を突き出してくる。

 「どうなっても知りませんからね」
 「どうにもならないさ!早く準備に取り掛かりたまえ!」
 「かしこまりました」

 私は、前金として白金貨400枚を即金で受け取る。
 

 *****


 金貨の風呂!金貨の部屋!金色の飲み物!

 「遂に!遂に!叶うんだ!私の願いが!」

 ぐふふふ!とニヤけが止まらない!
 常に四六時中、ベッドの中でも笑っていたかもしれない。
 その度に気持ちが悪いとエマやユリ、リサ達は口を揃えて言う。

 「ふふふ!嫉妬は良くないよ!君たちと違って私は白金貨の女!魅力が違いすぎるだけなのだから!」
 「はいはい」

 と、慣れた様子で流すエマ達。
 もう少しだけ反応してくれても良いだろうが!まあ、良い!白金貨の女はそんな小さいことなど気にしないのだよ!

 「ぐふふふ!楽しみだぁ!」

 それから8ヶ月……

 「こちらがご所望の「金の宮殿」でございます」

 学園都市一等地の1000坪の土地を買い上げ、元あった屋敷を壊して、1から建てた。縦300m、幅500mの二階建ての中庭と別に庭園付き!その他にも100mくらいの池もある。
 なぜなら、昔から釣りがしてみたかったから!

 「やるならでっかく!一気に夢を叶える!ふ……やはり白金貨の女はやることが違うぜ」

 屋敷を前にして、ステフのようなポーズを取る私。
 ちょっとあいつの気持ちがわかるな。確かに気持ちいいわ。
 そんな私の元へメービスさんがやってくる。

 「申し訳ありません。オリハルコンはどうしても手に入れることができず、金庫をお作りすることができませんでした」
 
 私に丁寧に頭を下げてくれるメービスさん。

 「うむ!そんなこと気にしなくてぇぇ
よし!」
 「すみません。ちなみにこちらが全ての費用となります」

 明細書です。と言ってメービスさんは私に一枚の紙を渡してくる。

 「うむ!ご苦労であった」

 メービスさんから明細書を受け取り、金額を確認する。
 私は白金貨の女だから……おおう……
たっけぇ!
 明細書を見た私の手が震える。

 「白金貨5000枚になります!」
 「……ふふふ!白金貨の女だからね!即金…ではなく、ローンでお願いしまーす!」
 「はい!5年以内に返していただけるのなら!」
 「うぇ、うぇーい!」

 たじろぐ私。

 「うふふふ!」

 と、微笑むメービスさんの声が高級住宅地に響いた。
 
 夢の代償がでっけぇぇぇ!
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感想 1

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みんなの感想(1件)

マクスウェルの仔猫

ギャンブル三昧で大勝利からの転げ落ち。
人生うまく行かないですね……でも楽しそうで何より(๑•̀ㅂ•́)و✧

なかなか読めないので一日一話くらいずつですが、コツコツとお伺いさせて下さい!

応援してます!(≧▽≦)

さくしゃ
2023.02.24 さくしゃ

あ、ありがとうござマスクはレギュラーサイズ。
すみません。
描きたい欲が上がってきたので、その場のノリで繋げてるので、なんか失敗だらけなんですけど……
笑顔になってくれてるなら嬉しいです😊😊

ありがとうございマインドフルネス
感想初めてもらえて嬉しい〜😭
ほんとにありがとう😭

解除

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