呪われ聖女と聖騎士に扮した王子。ときどき勇者、ところにより婚約者

プロローグ

「絶対に許さぬ、絶対に！！
　何十年、何百年と掛かろうが、必ずや呪い殺してくれる！
　覚悟しておく事だ！　憎き聖女よ！」

　人類国家の70%を攻め滅ぼした大魔王「ナトス」
　彼は人類の最後の希望である勇者と聖女の手によって封じ込められる。
　彼の掲げた世界征服まで残すところ一国としたところで。
　しかし、相手は世界征服寸前まで迫った大魔王である、そう簡単に封じられる事はなかった。

「その呪いは次代の聖女から発動する。
　それも15を迎える前日に必ず聖女の身に不運な事故や天災、もしくはそれを超える俺でも予想できない不運が必ず襲う！
　呪い発動の証として、聖女の称号の横にドクロが浮かび上がる。
　せいぜい覚悟するがいい！　
　聖女が死ねば俺の封印も解ける。
　それまでの暇つぶしに持ってこいだ。
　ガハハハハ！！」

　アルメリア王国王都に大魔王の笑い声がこだました。
　こうして世界開白以来、初めての魔王による世界征服は失敗に終わった。
　そして、時は経ち50年後……