12 / 26
状況を整理しよう
しおりを挟む
ど、どういうことだ?
ラルクside
「ラルク。大好き」
(ど、どういう状況だ?)
突然オリビアに抱きつかれるという嬉しすぎ……あ、胸はないけど全体的になんか柔らか
「離れたくない」
って堪能してる場合じゃねぇぇ!
(どっ、どどどど、どういう状況なんだァァ!!)
突然オリビアに抱きつかれるという状況に俺は心の中で発狂していた。
(って、まずは落ち着け)
心の中で発狂すること30秒ーー気持ちを吐き出してことで落ち着いた俺は目を閉じると
(まずは状況整理だ)
記憶を振り返った。
(あれは確か商人を威嚇してしまったあと何故かオーガが攻めてきて)
………
……
…
ラルクの部下ーーベスside
"東門にオーガが出現した"
村の中心にある兵舎で休日を満喫していたボクーーベスは急報を受けてラルク小隊長の元へ向かった。
「ラルク小隊長ぉぉ!!」
件(くだん)のオーガは、これまでに15の集落を滅ぼしたオーガキングが率いる群だと聞いた。(ちなみにオーガキング一体を倒すのに騎士が五十人は必要と言われている)
「今、行きますぞぉぉ!!」
しかしボクが引き連れてきたのは三人だけ。必要人数に全然足りていない。戦力不足にも程がある。
(正直にいうと逃げたい。帰りたい。帰って家の事情で結婚した60も上の奥さ……というかもはやおばあちゃん妻の知恵袋を一日中聞いていたい)
門の前についたボクはためらいつつも門を開こうと両手で押し込もうと力を込めた。が、
「ベスさん!ズボンが!お股が!」
恐怖から手が震えた。
「漏れてます!」
それに股が……あれ?おかしいな?雨でも降り出したかな?
「漏れちゃってますよぉぉ!!」
そしてボクを見た後輩たちに引かれてしまった。
「おい兄ちゃん。俺が代わりに戦うか?」
さらに心優しい領民たちにも心配されてしまった。
「ふっ……大丈夫です!ここはボクたちに任せて早く避難して下さい!」
しかし後輩に引かれてしまっても、領民に心配されても、ボクだって騎士の端くれ!絶対に逃げるわけにはいかない!
ボクは勇気を振り絞って門を開いた。
(村にオーガが入ってないということはまだラルク小隊長たちが戦っているということ……果たしてどんな死闘が繰り広げられているのか……)
ゴクリ、と喉が鳴った。額に汗が滲んだ。
「ふぅぅ」
最大限に神経を張り巡らせ腰に刺したロングソードを抜いた。
「行くぞ!!」
そして怖気つきそうになる自分を鼓舞するように大きな声を出して後輩たちに声をかけた。
「はい」
「です!」
門が完全に開いたーーロングソードを構え、走り出した。
「よし、準備完了」
のも束の間、
「ム"ー!!」
門の向こうで広がる光景は想像したものとは違った。違いすぎていた。だって、
「はいはい。少し静かにしようねぇ」
ロープで体をぐるぐる巻きにされ、口も塞がれたロッドさんへ
「ム"ー!!」
笑いかけていたから。そしてそれを見たボクたち三人は、
(ど、どういう状況?)
と困惑した。
ラルクside
「ラルク。大好き」
(ど、どういう状況だ?)
突然オリビアに抱きつかれるという嬉しすぎ……あ、胸はないけど全体的になんか柔らか
「離れたくない」
って堪能してる場合じゃねぇぇ!
(どっ、どどどど、どういう状況なんだァァ!!)
突然オリビアに抱きつかれるという状況に俺は心の中で発狂していた。
(って、まずは落ち着け)
心の中で発狂すること30秒ーー気持ちを吐き出してことで落ち着いた俺は目を閉じると
(まずは状況整理だ)
記憶を振り返った。
(あれは確か商人を威嚇してしまったあと何故かオーガが攻めてきて)
………
……
…
ラルクの部下ーーベスside
"東門にオーガが出現した"
村の中心にある兵舎で休日を満喫していたボクーーベスは急報を受けてラルク小隊長の元へ向かった。
「ラルク小隊長ぉぉ!!」
件(くだん)のオーガは、これまでに15の集落を滅ぼしたオーガキングが率いる群だと聞いた。(ちなみにオーガキング一体を倒すのに騎士が五十人は必要と言われている)
「今、行きますぞぉぉ!!」
しかしボクが引き連れてきたのは三人だけ。必要人数に全然足りていない。戦力不足にも程がある。
(正直にいうと逃げたい。帰りたい。帰って家の事情で結婚した60も上の奥さ……というかもはやおばあちゃん妻の知恵袋を一日中聞いていたい)
門の前についたボクはためらいつつも門を開こうと両手で押し込もうと力を込めた。が、
「ベスさん!ズボンが!お股が!」
恐怖から手が震えた。
「漏れてます!」
それに股が……あれ?おかしいな?雨でも降り出したかな?
「漏れちゃってますよぉぉ!!」
そしてボクを見た後輩たちに引かれてしまった。
「おい兄ちゃん。俺が代わりに戦うか?」
さらに心優しい領民たちにも心配されてしまった。
「ふっ……大丈夫です!ここはボクたちに任せて早く避難して下さい!」
しかし後輩に引かれてしまっても、領民に心配されても、ボクだって騎士の端くれ!絶対に逃げるわけにはいかない!
ボクは勇気を振り絞って門を開いた。
(村にオーガが入ってないということはまだラルク小隊長たちが戦っているということ……果たしてどんな死闘が繰り広げられているのか……)
ゴクリ、と喉が鳴った。額に汗が滲んだ。
「ふぅぅ」
最大限に神経を張り巡らせ腰に刺したロングソードを抜いた。
「行くぞ!!」
そして怖気つきそうになる自分を鼓舞するように大きな声を出して後輩たちに声をかけた。
「はい」
「です!」
門が完全に開いたーーロングソードを構え、走り出した。
「よし、準備完了」
のも束の間、
「ム"ー!!」
門の向こうで広がる光景は想像したものとは違った。違いすぎていた。だって、
「はいはい。少し静かにしようねぇ」
ロープで体をぐるぐる巻きにされ、口も塞がれたロッドさんへ
「ム"ー!!」
笑いかけていたから。そしてそれを見たボクたち三人は、
(ど、どういう状況?)
と困惑した。
9
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
もう、終わった話ですし
志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。
その知らせを聞いても、私には関係の無い事。
だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥
‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの
少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる