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状況を整理しよう

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ど、どういうことだ?

ラルクside

「ラルク。大好き」

(ど、どういう状況だ?)

 突然オリビアに抱きつかれるという嬉しすぎ……あ、胸はないけど全体的になんか柔らか

「離れたくない」

 って堪能してる場合じゃねぇぇ!

(どっ、どどどど、どういう状況なんだァァ!!)

 突然オリビアに抱きつかれるという状況に俺は心の中で発狂していた。

(って、まずは落ち着け)

 心の中で発狂すること30秒ーー気持ちを吐き出してことで落ち着いた俺は目を閉じると

(まずは状況整理だ)

 記憶を振り返った。

(あれは確か商人を威嚇してしまったあと何故かオーガが攻めてきて)

………
……


ラルクの部下ーーベスside

"東門にオーガが出現した"

 村の中心にある兵舎で休日を満喫していたボクーーベスは急報を受けてラルク小隊長の元へ向かった。

「ラルク小隊長ぉぉ!!」

 件(くだん)のオーガは、これまでに15の集落を滅ぼしたオーガキングが率いる群だと聞いた。(ちなみにオーガキング一体を倒すのに騎士が五十人は必要と言われている)

「今、行きますぞぉぉ!!」

 しかしボクが引き連れてきたのは三人だけ。必要人数に全然足りていない。戦力不足にも程がある。

(正直にいうと逃げたい。帰りたい。帰って家の事情で結婚した60も上の奥さ……というかもはやおばあちゃん妻の知恵袋を一日中聞いていたい)

 門の前についたボクはためらいつつも門を開こうと両手で押し込もうと力を込めた。が、

「ベスさん!ズボンが!お股が!」

 恐怖から手が震えた。

「漏れてます!」

 それに股が……あれ?おかしいな?雨でも降り出したかな?

「漏れちゃってますよぉぉ!!」

 そしてボクを見た後輩たちに引かれてしまった。

「おい兄ちゃん。俺が代わりに戦うか?」

 さらに心優しい領民たちにも心配されてしまった。

「ふっ……大丈夫です!ここはボクたちに任せて早く避難して下さい!」

 しかし後輩に引かれてしまっても、領民に心配されても、ボクだって騎士の端くれ!絶対に逃げるわけにはいかない!

 ボクは勇気を振り絞って門を開いた。

(村にオーガが入ってないということはまだラルク小隊長たちが戦っているということ……果たしてどんな死闘が繰り広げられているのか……)

 ゴクリ、と喉が鳴った。額に汗が滲んだ。

「ふぅぅ」

 最大限に神経を張り巡らせ腰に刺したロングソードを抜いた。

「行くぞ!!」

 そして怖気つきそうになる自分を鼓舞するように大きな声を出して後輩たちに声をかけた。

「はい」

「です!」

 門が完全に開いたーーロングソードを構え、走り出した。

「よし、準備完了」

 のも束の間、

「ム"ー!!」

 門の向こうで広がる光景は想像したものとは違った。違いすぎていた。だって、

「はいはい。少し静かにしようねぇ」

 ロープで体をぐるぐる巻きにされ、口も塞がれたロッドさんへ

「ム"ー!!」

 笑いかけていたから。そしてそれを見たボクたち三人は、

(ど、どういう状況?)

 と困惑した。
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