父に虐げられてきた私。知らない人と婚約は嫌なので父を「ざまぁ」します

さくしゃ

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俺は……ざまあside

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俺は…… ざまあside

マイク視点

 オリビアとの決闘を受諾して30分経った頃、俺ーマイクは自室のイスに腰掛けてからのワイングラスを眺めていた。

"お断りします"

 俺はワイングラスを芸術品としてコレクトしている。

 この世界でガラス製品というのが製造されるようになって日が浅く、希少性という点で金や宝石と並んで価値が高い。

 そのため市場に出回ることが少なく貴族の日用品として作られたグラスでさえもその優美な美しさから芸術品として扱われ金貨100枚相当の値段がつく。中には屋敷が一つ建ってしまうくらいの価値がつくものもある。

 普段なら窓から差し込む日の光に当てたり、机に置いて楽しむのだが、今はそんな気分にはなれなかった。

「ぐっ」

 俺は俺の思い通りにならないものが嫌いだ。

 魔物一体で国が滅びることもあるこの世界は「力」ーーつまり強い者が全てを手にする。

 そんな世界で俺は生まれた時から才能に恵まれ最強だった。ゆえに欲しいものは力で全て手に入れてきたし許されてきた。

 今までの人生で自分の思い通りにならなかったことなんて何一つなかった。なのに、

"決闘を申し込みます"

 アイツは、愚娘は……、

「誰のおかげでこれまで生きてこれたと思ってんだあの野郎!」

 全く忌々しい。これから20年の歳月をかけた国取りの準備の最終段階に入るというのに。

 俺は決闘で愚娘をぶっ殺すと決めた。

「道具の分際で俺の手間を取らせやがってェェ!」

 それから俺はグラスにワインを入れると一気に飲み干した。
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