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サンの悩み

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"お前は自由だ。好きにしろ"

 あれから3週間……聖教会は女神様の管理のもと新体制となった。しかし急な新体制ゆえに各方面でゴタゴタした。

"教会が正常に運営できるようになるまで聖女様には尽力してもらわねば"

 3週間の休みをもらった私の元へ教会関係者が殺到した。枢機卿、大司教、司教……様々な立場の人たちが来た。

"旅は別の者に任せて聖女様にはその役目を果たしてもらわねば困ります"

 みんなそう言って帰って行った。

(ワタルたちと旅に出たい)

 そう思う一方で、急な新体制に不安を感じている信者たちもいる。私に出来ることと言ったら戦闘に治療くらいのものだけどそれでも、

"いないよりマシです"

 と来た人たちは言っていた。

(どうしたら……)

 聖女として初めて与えられた休みは結局悩んで終わり、ワタル達が王都を旅立つ日がやってきた。が、

(どうしよう……)

 私は決断できずにいた。

「旅に出たい」

 そう決断して行動しようとすれば

「いや、でも……」

 とブレーキがかかった。

「……」

 煮え切らない。ウジウジと悩む。

「心配するな。教会には私がいる」

 そんな私の背中を女神様が、

「行きたいのだろう?なら、遠慮せずに行ってこい」

 って押してくれた。

「東門で待ってるそうだ。今なら走ればまだ間に合う」

「はい!」

 あんなにウジウジしていたのが嘘のように霧が晴れ迷いが消えた。

「ありがとうございます!」

 私は荷物をまとめ部屋を飛び出した。そして宿を出て東門へとのびる大通りを走った。

「お、意外に早く来たな」

 東門に着くと、

「聖女様。おはようございます」

 ワタルとハンスがいた。私の姿を見た2人は笑顔を浮かべた。

「お待たせ」

 2人が笑った。それだけなのに何だか嬉しくて気づけば私も笑っていた。







 それからさらに3週間が経ち、2人と旅を再開した私は、

「ど、どうしよう」

 楽しい時間を送って……

「どうして……私、ワタルの顔がまともに見られない」

 いなかった。逆に悩みを抱えていた。
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