9 / 41
お前たちの良いところ!
しおりを挟む
戦闘から2時間後。
「お祈りに行ってきます」
街道から2キロ北上した地点に、
「わかった。気をつけてなー」
俺たちは拠点を設けた。
「気をつけて」
7時くらいに出発してから10時までに魔物と3連戦ーー流石に疲れた俺たちは、今日は進むのはここまでにして休むことにした。
それにもうじき今回の旅の標的ーー魔王軍四天王「暴乱」のブギが支配する旧都市国家連合首都「バルゼ」に到着する。
魔王にも匹敵する実力とも言われる四天王との戦いの前に疲れを残すのも良くないということで無理せずに休むこととなった。
「うん」
拠点作りがひと段落。
サンはいつも通り昼前のお祈りに行った。ちょっと前までは何も言わず目を離すと消えてしまっていたけど、最近は変わった。
あんなに接しづらそうにしていた俺にわざわざ伝えてから祈りへ行くようになった。それに雰囲気も柔らかくなって接しやすくなったし……何があったかわからないけど、女の子から無視されるとか何気に傷ついていたからそれがなくなって一安心。
「……」
サンの姿が見えなくなるまでニコニコと笑顔を浮かべて見送った。ちなみに俺とハンスは拠点で昼食作り。
「……行ったか」
「ええ。行きましたね」
サンの姿が見えなくなったのを確認し、ハンスと「はぁ……」とため息を吐いた。
「今日の戦闘もほとんどサンが一人で終わらせちゃった……」
最近は確かにサンが接しやすくなったことでチームワークも良くなった。以前よりも強い敵も倒せるようになった。だけど、
「今日の戦闘のほとんどの攻撃を防御魔法で凌いでしまった……」
そうなった途端、サンの凄まじい活躍が始まった。
強化魔法を使用しながら防御魔法、回復魔法による支援、さらに初級だけしか使えないとはいえ攻撃魔法で相手を牽制、場合によっては殲滅までしてしまう。
しかしサンの活躍はそれだけではなくて、
「昨日はホブゴブリンを体術で倒していたし……」
「その前の日は僕が盾で聖女様をお守りしようとしたら防御魔法で敵の攻撃を受け流していましたし……」
体術も使えて、防御魔法を使ってタンク役まで出来てしまう。
「俺たちの存在意義って……」
「……」
サンが優秀すぎて……それに比べて俺はパーティーリーダーなのに……。
「だが!」
俺たちが再びため息をついた時、
「そんなお前達にも良い所はあるではないか!」
背後から野太い声がした。
「お祈りに行ってきます」
街道から2キロ北上した地点に、
「わかった。気をつけてなー」
俺たちは拠点を設けた。
「気をつけて」
7時くらいに出発してから10時までに魔物と3連戦ーー流石に疲れた俺たちは、今日は進むのはここまでにして休むことにした。
それにもうじき今回の旅の標的ーー魔王軍四天王「暴乱」のブギが支配する旧都市国家連合首都「バルゼ」に到着する。
魔王にも匹敵する実力とも言われる四天王との戦いの前に疲れを残すのも良くないということで無理せずに休むこととなった。
「うん」
拠点作りがひと段落。
サンはいつも通り昼前のお祈りに行った。ちょっと前までは何も言わず目を離すと消えてしまっていたけど、最近は変わった。
あんなに接しづらそうにしていた俺にわざわざ伝えてから祈りへ行くようになった。それに雰囲気も柔らかくなって接しやすくなったし……何があったかわからないけど、女の子から無視されるとか何気に傷ついていたからそれがなくなって一安心。
「……」
サンの姿が見えなくなるまでニコニコと笑顔を浮かべて見送った。ちなみに俺とハンスは拠点で昼食作り。
「……行ったか」
「ええ。行きましたね」
サンの姿が見えなくなったのを確認し、ハンスと「はぁ……」とため息を吐いた。
「今日の戦闘もほとんどサンが一人で終わらせちゃった……」
最近は確かにサンが接しやすくなったことでチームワークも良くなった。以前よりも強い敵も倒せるようになった。だけど、
「今日の戦闘のほとんどの攻撃を防御魔法で凌いでしまった……」
そうなった途端、サンの凄まじい活躍が始まった。
強化魔法を使用しながら防御魔法、回復魔法による支援、さらに初級だけしか使えないとはいえ攻撃魔法で相手を牽制、場合によっては殲滅までしてしまう。
しかしサンの活躍はそれだけではなくて、
「昨日はホブゴブリンを体術で倒していたし……」
「その前の日は僕が盾で聖女様をお守りしようとしたら防御魔法で敵の攻撃を受け流していましたし……」
体術も使えて、防御魔法を使ってタンク役まで出来てしまう。
「俺たちの存在意義って……」
「……」
サンが優秀すぎて……それに比べて俺はパーティーリーダーなのに……。
「だが!」
俺たちが再びため息をついた時、
「そんなお前達にも良い所はあるではないか!」
背後から野太い声がした。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる