雪と花の幸福論

キイロ

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第1章 阿久川雪緒の奮闘

2話 後輩が可愛くてどうしよう俺

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「……はな、?」
「……やっ、ぱり変、ですよ、ね」


パジャマを脱いだそこには、白いベビードールを着た花臣の姿があった。ベビードール……で、あってるよな? 乳首丸見えのスケスケレースのえっちぃ奴だ。思わず俺まで熱くなる。体が違う意味で動けなくなった。


「に、あうよ、花臣」
「……せんぱい、良いんです。嘘、つかなくても」
「いや、嘘じゃない。ホント可愛い。スッゲェえろい」
「っ!」


真っ白な頭で、とりあえず「花臣を悲しませちゃいけない」とだけ本能的に動いた。いやまぁ、可愛いのは嘘じゃない。体格的に合ってるかと言われれば微妙だが(だって服は女物だ)。でも、花臣は男にしては細身だし、そのアンバランス差も可愛かった。悲しませまいと、ひたすら褒める。褒めるのが正解なのかは今ちょっと混乱してて分かんねぇ。でも、ずっと俺から目線を逸らしてた花臣が俺を見てくれたから。多分、褒めるのは間違いじゃなかった。


「花臣、すっげぇ可愛いよ。でもさ、そんな薄着だと風邪引くだろ? 今日は俺とベッドで暖かくして寝よう。な? この縄ほどいてくれないか?」
「雪緒せんぱいは、俺のこと好きですか?」
「えっ、好きだけど」


今更その質問? え、俺けっこう毎日可愛がってるつもりだったんだけど! ラインだって割と即返してるつもりだったんだけど!! 内心大慌ての俺を差し置いて、花臣はまた目元に涙をじわりとため込む。あーあーあーあーもう! 頼むよホントもう!


「花臣っ、縄ほどいてくれ! 花臣が泣いてるの、黙って見てらんねぇよっ!!」
「雪緒せんぱい……っ!」


腹に花臣が座り込んでるから遠慮してたが、もう我慢ならん! 手も足も縛られてるが、芋虫の様にジッタンバッタン暴れてみる。うん、縛られたトコロがすげぇ痛い。止めよう。大人しくなった俺を見て、花臣はほっとしたように息をついた。くっそ可愛い。服の効果もあってか可愛い。


「雪緒せんぱい、あの……」
「おう」
「い、今から、っ」
「おう」


花臣が俺の顔をのぞき込み、頬を紅潮させて最高級の一言。


「今から、き、気持ちよくしてあげます、から! ……あ、暴れちゃダメです、よ……?」



ごめん、大暴れしそう(息子的な意味で)。
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