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第三章
第68話 彼氏の家へ突撃する公爵令嬢
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その後何とか使用人に話をつけて王城へ向かう。守衛には顔パスで通してもらった。いいのかそれで。
いいや、細かいことはいいのだ。
ただ、カイルに会えれば。それだけでいい。
「カイル様」
後ろにやたら使用人がついてきてイマイチ恰好がつかない感じになってしまったがどうでもいい。
ただ、カイルに会えれば――って何でついてきてるんだよお前ら。帰れよ。総勢三十人くらいいそうだけど暇なの?
そして当のカイルは全裸だし。本当に何してるんだよ……。
これは私がいないといけないなぁ。
「アッ……ラミちゃん……。あの、この喜びの前ではほんの些細な事柄なんだけどノックしてほしかったな、なんて言っちゃダメかな」
「確かにそれは全面的に悪かったわ。アポなしで突撃した私が悪かったわよ。そのうえで聞くわ。真っ昼間から何やってんの?」
「あたい、孤独だったの……」
全く答えになってない答えだったが、これ以上追及するのもかわいそうなのでやめてあげよう。
この世の終わりのような悲壮感と憔悴を漂わせているカイルを前に心底そう思った。
「そんなことより言いたい事があって来たの!」
「そっか、俺達にとっては服などという概念はどうでもいいことだったね!」
何も間違ったことは言っていないはずなのだ。カイルは。
でも前提がおかしい。それが私達なのかもしれないが。
「そ、そうね。……本当にごめんなさい」
私が改めて謝罪を口にすると、カイルは心外だ、などと言わんばかりにわたわたとしながら手を横にブンブンと振る。
「いやいや、これって全面的に俺が悪いから。本当に反省してるんだよ、これでも。今は全裸だから説得力に欠けるかもしれないけど、でも事前に言ってくれれば服は着たからね!?」
確かにカイルにも非はあるかもしれないが、私にも非があるのは確かだろう。ここまで事態を悪化させたのも私に原因の一端がある。
ならば、ここはお互い様でいいだろう。
「……なら、今まで通り、でいい?」
「いいの!? イヤッホォォォォォォ――! リィト、俺やったよおおおおおおおおお!」
全裸のまま自室を駆けまわるカイル。三十人くらい使用人いるけどいいのか。
だが、満面の笑みを浮かべるカイルを見ていると、そんなことすらどうでもよくなってきた。
また、いつもの日常が始まる。
いいや、細かいことはいいのだ。
ただ、カイルに会えれば。それだけでいい。
「カイル様」
後ろにやたら使用人がついてきてイマイチ恰好がつかない感じになってしまったがどうでもいい。
ただ、カイルに会えれば――って何でついてきてるんだよお前ら。帰れよ。総勢三十人くらいいそうだけど暇なの?
そして当のカイルは全裸だし。本当に何してるんだよ……。
これは私がいないといけないなぁ。
「アッ……ラミちゃん……。あの、この喜びの前ではほんの些細な事柄なんだけどノックしてほしかったな、なんて言っちゃダメかな」
「確かにそれは全面的に悪かったわ。アポなしで突撃した私が悪かったわよ。そのうえで聞くわ。真っ昼間から何やってんの?」
「あたい、孤独だったの……」
全く答えになってない答えだったが、これ以上追及するのもかわいそうなのでやめてあげよう。
この世の終わりのような悲壮感と憔悴を漂わせているカイルを前に心底そう思った。
「そんなことより言いたい事があって来たの!」
「そっか、俺達にとっては服などという概念はどうでもいいことだったね!」
何も間違ったことは言っていないはずなのだ。カイルは。
でも前提がおかしい。それが私達なのかもしれないが。
「そ、そうね。……本当にごめんなさい」
私が改めて謝罪を口にすると、カイルは心外だ、などと言わんばかりにわたわたとしながら手を横にブンブンと振る。
「いやいや、これって全面的に俺が悪いから。本当に反省してるんだよ、これでも。今は全裸だから説得力に欠けるかもしれないけど、でも事前に言ってくれれば服は着たからね!?」
確かにカイルにも非はあるかもしれないが、私にも非があるのは確かだろう。ここまで事態を悪化させたのも私に原因の一端がある。
ならば、ここはお互い様でいいだろう。
「……なら、今まで通り、でいい?」
「いいの!? イヤッホォォォォォォ――! リィト、俺やったよおおおおおおおおお!」
全裸のまま自室を駆けまわるカイル。三十人くらい使用人いるけどいいのか。
だが、満面の笑みを浮かべるカイルを見ていると、そんなことすらどうでもよくなってきた。
また、いつもの日常が始まる。
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