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第三章

第61話 娘溺愛してる父親って何て言うん? ドーコン?

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「ラミちゃんにとっての一番はぼきゅだもんっ! プンプン☆」
「いい加減自重しろオッサン」
「ひ、酷い……!」

 ついに恋人関係になった私達を祝福する前に娘にとっての一番が父親かどうかを確かめるという子供離れできていない典型的な親の姿だ。

「つ、つい半年前は『お父さんと結婚しゅるのー』とか言ってたのに……」
「オッサン、おいしっかりしろオッサン」

 記憶改ざんされてるからそれ。

「う、嘘……ラミちゃんがファザコンだったなんて……く、国中に報道だ!」
「それ誤報だから! 取り返しつかないことになるから!」

 こんなにも低級な嘘信じるなよ第一王子……。

「ら、ラミ? お兄ちゃんはお前にとっての一番の床だよな……?」
「一番の床って何ですかお兄ちゃん」
「一番の床って言ったらそりゃお前……。なあ、カイル。一番の床ってなんだ?」
「俺に訊くなクソシスコン」
「ええっ!?」

 対応がコロコロ変わるカイルに翻弄されるお兄ちゃん。ご愁傷様……。

「ラミちゅわんにとっての一番は俺だよねー? ねー?」

 答えを聞いてもいないのにもうドヤ顔だ。この自信あふれる振る舞いは半分くらい見習った方が良いのかもしれない。いや、やりすぎか。

「あ……ぅ……え、っと……」
「ら、ラミ? そこはスパッと断ってもいいんだぞ?」
「そこは『お父しゃまだぁーいすき♡』でいいんだぞ?」

 特に最後、アンタ娘何歳だと思ってるんだ。もはや幼児退行の域になってるぞそれ。

「ラミ? お母さんでも良いのよ?」

 アンタも便乗すんな!

「ラミちゃん? 一緒に乗馬ごっこしたあの日々を思い出して? なんなら今からやる?」

 乗馬ごっこは一方通行だったし、今からやったら完全に変態だから。新しい性癖見つかっちゃってるから。

「こう! こうしたじゃないか! 一緒に!!」

 カイルはどこからかダッチワイフを取り出してきて腰を振り始めた。
 やってねええええええええええええええええええええええええええええええ!
 ていうかズボンくらい履けよ。あとあなたいっつもブーメランパンツ履いてるけどそれ以外持ってないの?

「さあ! 選んで!」
「選びにくいわコノヤロォォォォォ!」
「「グレた!」」

 なんでアンタらそこだけシンクロするんだよ……。

「まあ……選びにくいってことは……俺……だったん、だ、ね…………」(ガクリ)
「「カイルゥ――――――――ッ!」」

 この茶番いつまで続くの?

「ラミの行動を見ていればこうなることは目に見えているだろうに……。お兄ちゃんこんなヤツ許しません!」
「あなたが『こんなヤツ』って言ってるのソレ第一王子だから」

 国で三番目に高貴なお方です。多分。三位タイくらいでしょう。

「お、お父さんは……お父さんは! ……何言おう」

 決めてから発言しろよオッサン。

「ところでこの茶番いつまで続ける気なのかしら」

 な、仲間がいた! お母さん!!

「こ、これも新しいプレイのカタチ……だネ!?」

 ちゃう。それプレイちゃう。
 まったく、変態はポジティブすぎて困るぜ!

「それで明日あたり王都内のラブホテルで乗馬ごっこでも」
「あ?」

 そのあと、カイルは亀甲縛りにして中庭のど真ん中に置いてきました。あばよ。
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